脂漏性皮膚炎と手湿疹などの皮膚疾患に50歳を過ぎた頃から悩まされ、藤澤皮膚科藤澤重樹先生の「アトピー性皮膚炎講演会」聴きに行きました。
藤澤先生は、入浴回数を減らす方法で、アトピー性皮膚炎がよくなったという事例を紹介しその方法に興味を持ちました。
以前の記事にも紹介しています。
藤澤先生は『9割の医者が知らない 正しいアトピーの治し方』『アトピー治療革命ー取りもどせる!健康肌』の著書があり、何も塗らない(脱ステロイド、脱保湿)の治療方法を推奨しています。
藤澤先生のお話の中で面白かったのは外国や昔の入浴事情です。
外国の入浴事情
17世紀のフランスでは、清潔というと下着を替えることで入浴することはなかった。
ルイ14世は64年間の生涯で1回しか入浴しなかった。
イギリスは、19世紀末でも身体を清潔にするためにお風呂に入る習慣のない人が大勢いた。チベットでは、現代でも入浴回数が平均月1回だそうです。
昔の日本の入浴事情
日本は、水資源にも恵まれ、湿気が多く夏は暑く汗をかき、冬は寒く体を温めるために入るという資源、風土・気候に合った文化習慣があり、風呂好きという国民性もあり毎日入る人が多いと思います。
でも、日本も昭和30年代までは、浴室のない家庭も多く毎日にお風呂に入るということもなかったそうです。
年配の方に多かったのですが、岩手に住んでいた頃、節約のためお風呂は2日に1回しか入らないという家が結構ありました。
歴史を遡れば平安時代の上流公家の入浴事情は、1か月に4~5回お風呂に入り、他の日は行水をしていたそうです。
このように日本でも毎日お湯に浸かりお風呂に入るようになったのは、ここ40~50年前くらいで、諸外国に比べても入浴回数も多いようです。
アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患の観点から
藤澤先生は、入浴後に肌が乾燥する「保護膜」のことを考えると無理に入浴しなくてもよいとのことです。
これは身体についている常在菌を必要以上に洗い流さないためでもあるのです。
昔のようにお風呂に入らなかったり回数が、少なくてもアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患も現代のようになかったそうです。
藤澤先生のお話で、週1度の入浴でアトピー性皮膚炎がよくなった方がいたそうです。
また入浴回数が平均月1回のチベットでは、アトピー性皮膚炎の患者は皆無だそうです。
反対に潔癖なくらい毎日、お風呂に入って身体を洗う日本では、清潔志向の高まりと比例してアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患が増えているのです。
このように皮膚疾患からの観点からみると、毎日の入浴や過度の清潔志向も考え直さなくてはならないかと思いました。
冬だけ回数を減らした
私は汗をかかない冬に、2日に1回の入浴にしました。
50年以上毎日入っていたので、最初は気持ち悪かったのですが、慣れてくると案外大丈夫です。
欠点
冬はお湯に浸かると体が温まり、特に半身浴をやっているので布団に入ったとき暖かいです。
お風呂に入らないで寝ると、足が冷えてなかなか寝付けないことがあります。
冬は風邪やインフルエンザなどのウイルスが蔓延している時期なので、お風呂に入ってウイルスを洗い流す方がいいということも聞いたことがあります。
反対にお湯によって洗い流されて皮脂がなくなるとバクテリアやウイルスに感染しやすくなるともいいます。
利点
身体全体の乾燥が、緩和されました。特に足の踵の乾燥が酷く、ひび割れて痛いときがあったのですが以前ほどではなくなりました。
お風呂に入らない日は、その時間をティラピスや足の筋肉運動に充てて有効活用しています。