ちょっと古い本ばかりになってしまいますが、私が、今まで考えたこともない「現実」を知るきっかけとなった本を何冊か紹介します。
本で知った知らなかった世界―経済的なアプローチよりー その2
本で知った知らなかった世界―経済的なアプローチよりー その3
全てルポルタージュによるノンフィクションです。
「海と魚と原子力発電所―漁民の海・科学者の海」 水口 憲哉 人間選書
1989年に出版された本です。
原発による海洋汚、特に漁業や原子力発電所がもたらす影響に焦点を当てた本で私が読んだのがまだ1990年代初頭だったか東海村JCO臨界事故(1999年)より後にしてもスリーマイル島、チェルノブイリ原子力発電所事故さえも遠いよその国の出来事と「原発」による放射能問題は、全く他人事だと思っていました。
(そこにいなければ、直接放射能を浴びていなければ関係ないと)
でも、実は、魚や海藻、貝などの海の恵みを頂いている私達にも関係ある身近な問題だという分かり、間接的だけど原発とは無関係ではないとこの本で知ったときは、衝撃的でした。
日本で原発事故がまだ起きていない当時でも、原発による放射性廃棄物の海洋投棄があり、それが私達の食卓に上る魚介類にも影響があるというのを知り初めて原発の恐ろしさ負の要素を知りました。
原子力発電所が漁業や海洋生態系に与える影響は、大きく「原発は事故が無くても有害」だと危機感を持ったところだったが、まさか、その20年後に福島の原発事故が起きるとはこのときは考えもしなかったです。
この本は、原発を拒否し続けた人々(漁民)の記録という側面もあり、安全神話を持ち出して原発を推進する著書の中の「海からの恵みを考えない人達がいる」という現実は、今も変わらないのです。