家事に潰される
今も亡くなった父の死後の手続きや雑務で忙しいのですが、父が亡くなるまで、毎日、忙しかったです。
仕事や家事に加えて、週に2、3回父の入院している病院に通っていた1年間は特に忙しかったです。
病院は、バスと電車を乗り継いで往復、2時間半掛かる場所にあり、父に会いに行くと半日が潰れてしまいます。
このように忙しい毎日の中で、負担に感じたのは、「家事」に関することです。
家事は、1日の中で大きな時間を占めていて膨大な時間と労力を必要とします。しかも、やらなくてはならないことがエンドレス。
家事は、どんなに忙しくても体調が悪くても毎日、最低限のことはしなくてはならず「家事に潰される~!」と心の中で何度と叫んだことか。
時間に余裕のある主人
仕事や通院、家事に追われている私に対して、「高等遊民」のように1日の9割近くを自分の時間に割いているのが主人です。
退職して、念願の自由な時間を持つことが出来たので、1日の大半を自分の時間に充て過ごしています。
主人は、当初、仕事を持っているときと変わらない日々を送ろうとしていました。
そんな時間に余裕があり、のんびりと過ごしている主人に対して、「少しは、手伝ってよ!」という私の心の叫びが、鋭い口調になり険悪な雰囲気になることもありました。
こちらの忙しい雰囲気を察して、手伝ってくれる素振りもありません。
はっきり言って男性は、言わないと動きません。
主人もそうなので、具体的にやって欲しいことをその都度、言うことにしました。すると、主人は、一部抵抗を見せますが結果的にやってくれます。
それでも、100のうち10か20くらいの割合です。
働かないアリ
自分の時間を存分に謳歌している主人に家事を少しづつ手伝ってもらうことにしています。でも、私がやっている家事の10%か20%くらいです。
最近は、それでもいいと思うようになりました。
元々、家事分担を半々にするつもりはなく、40年以上働いて出来なかった好きなことを獲得した余生で、打ち込んで欲しいと思っているからです。
そして、家で「余力」のある人もいなくてはならないと思うからです。
余力とは、私がもし倒れたら、何かあったらそれをカバーしてくれる労力です。アリの世界でいう「働かないアリ」が、これに該当します。
働き者のイメージが強いアリにもあまり働かないアリがいるそうです。
集団の中から働き者を取り除くと今度は、「怠け者が」働くようになり、「怠け者」を除いても新たな怠け者が出て来るそうです。
これは、働かないアリは、大事な余力ということなのです。
皆、一斉に仕事に取り掛かる画一的な集団だと一斉に疲れ、卵を清潔に保つといった集団にとって致命的な仕事に空白が生じかねません。
なかなか仕事をしないアリもいる多様な集団の方が、効率は落ちても「存続」には有効だろうということです。
このように生命を維持するためには余力は、大事なのです。こう考えると余力のない「ブラック企業」は、いつまでも存続しません。
家庭も同じで、余力を残した人がいた方がいいのです。そうすれば全員が、共倒れになることはありません。
その人が、何かあったときに動いてくるのですから。
主人が、余力になってくれる
アリの世界と同じように時間的にも肉体的にも余裕のある主人は、余力になってくれるであろうと期待しています。
以前、叔母に「余力は2割残した方がいい。あなたが倒れれば、家族が共倒れになる。」と言われたことがありました。
忙しいときは、なかなかその2割も余力を残せないこともあります。
そういったときは、主人が頼もしい余力になってくれるのだと思います。
事実、昨年、胃腸炎になったときは病院に黙って付添ってくれました。食事の用意もしてくれました。
インフルエンザになったときも主人が家事をやってくれ助かりました。
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普段も草取り、木の剪定など庭や外回りは、基本主人の担当です。週1回の夕食作り(買い物、食事、片づけ)もやってくれます。
週1回の浴槽の掃除、新聞、手紙取り、ゴミ捨て、新聞回収、除湿機の水捨て。お米やペットボトルなど重たい物の移動、電球の交換、エアコンのフイルターの掃除などなど。
退職後、快適な夫婦生活を過ごすためには。夫に家事を協力してもらうことも、必要
それ以外に私の気づかぬうちに主人がやっていることも結構、あります。
そして、特に助かったことは、子どものことです。高校の役員の仕事など学校関係のことや受験に関することは、この1年主人が、ほとんどやってくれたので助かりました。
それらを主人がやっていなかったら私は、アップアップ。ギブアップでした。
しぼり菜リズム
余力は、立派な「戦力」です。家庭にも余力がないと破綻してしまうことがあります。
主人には、自分の時間も大切にして、いざというときのために「温存」しながら家事に参画してくれればと思います。
私の目標は、2割の「余力」を残してストレスを溜めぬように主人になるべく関わるようにうまく仕向けることです。
先に手を出さず、任せたら口を出さない。これを肝に銘じて。