東京国立博物館では、美術作品に関する没入型やVRによる映像の公開をしています。
まず、本館でイマーシブという没入型の展示や体験イベントが行われているたので、興味本位で行ってみました。
イマーシブシアター 新ジャポニズム ~縄文から浮世絵 そしてアニメへ~
それが「イマーシブシアター 新ジャポニズム ~縄文から浮世絵 そしてアニメへ~」というものです。
展示や体験イベントを見ながら没入体験をするかと思ったら、映像だけの展示で椅子に座りながら映像を鑑賞するものでした。
会場は、広いがその割に座席が少ないけどそれほぞ混雑していなので、座って見ることが出来ます。
会場の正面には高さ約7メートルという巨大な正方形のLEDモニターと左右、後ろにもモニターがあります。

映像はNHKの高精細映像と技術を結集しているのでとっても奇麗で、大画面で立体的に埴輪や能面を見られ、特にアップは細かい部分も分かり迫力がありました。
ただ、前と後ろ、左右の4面で別々の映像が映されるのでどこを見ていいのか戸惑い目が迷子になります。
だから、1回24分の映像は、入退場は自由で何回も見ることが出来るので、時間があれば最初は正面のスクリーンだけを観て、2回目は脇や後ろのスクリーンを観るというように鑑賞すればいいのではないかと思います。

東京国立博物館所蔵の国宝や重要文化財を中心にした日本文化を紹介

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普段、決して見ることが出来ない角度や大きさを堪能出来るが、
縄文土器、はにわ、絵巻、鎧兜、浮世絵、さらには世界で人気のアニメと「1万年以上前から日本の風土の中で、独自の美意識が受け継がれてきた」といのがコンセプトみたいだけど内容が薄くとっ散らかっていて30分足らずの映像では何が言いたいのかよく分かりませんでした。
(広く浅くの内容は、会場に多くいた外国人観光客に受けそうな内容で、ナビゲーターの横浜流星のファンには楽しいかもしれませんが)
一回終了すると3分の撮影タイムがあるので、静止大画面を撮ることが出来ます。
チケット代が2,000円の内容とはいいがたいが、東博のほかの建物の常設展や庭園(春は、桜の穴場です)を見れば2,000円はそう高くないと思います。
特に表慶館の「現代浮世絵」(~6月15日)も見れるので、上手く活用すれば十二分に元は取れるはずです。
■「イマーシブシアター 新ジャポニズム ~縄文から浮世絵 そしてアニメへ~」
- 東京国立博物館本館 特別5室
- 2025年3月25日(火) ~ 2025年8月3日(日)
ミュージアムシアター
東博では、東洋館の地下1階に「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」があり超高精細4K映像で国内外の文化財に焦点を当てたものを3か月ごとの入れ替えで、1回30分程度、1日5~6回上映しています。
私が最近見たのが、
「国宝 松林図屛風-乱世を生きた絵師・等伯-」「風神雷神図には、“ウラ”があった」です。

会場の入り口にあった「松林図屛風 模造品」
「国宝 松林図屛風-乱世を生きた絵師・等伯-」は、長谷川等伯の息子・久蔵の存在や、豊臣秀吉の命を受け親子で制作した障壁画「楓図」「桜図」(国宝/智積院蔵)など松林図へとつながるエピソードも分かりやすく、超高精細デジタル撮影や赤外線撮影解析により墨の濃淡や和紙の凹凸、水墨の筆致が緻密に再現され「国宝展」で、実物を見たとき以上に感動しました。
「国宝」酔いしそうな贅沢な空間。東博150年の『国宝展』その1
でも、これを見たらまた実物を見たくなりました。
別な日に見た「風神雷神図には、“ウラ”があった」も「風神雷神図」の裏に描かれた酒井抱一の「夏秋草図屛風」に焦点を当てていて、光琳へのオマージュながら「風神雷神図」とは違う風情を味わいました。
ナビゲーターによるライブ上演というのがよくて、生の人間の声を聞くとホッとします。
絞ったテーマを30分で、深掘りし、大画面で国宝作品の細部、質感、構成、筆致まで見れるのは単なる美術鑑賞を超えた体験です。
こちらは、600円の入場料なので、お勧めです。
■「風神雷神図には、“ウラ”があった」 2025年4月23日(水)~7月13日(日)
しぼり菜リズム(まとめ)

「イマーシブシアター 新ジャポニズム ~縄文から浮世絵 そしてアニメへ~」へ行きました。
1回24分の映像は、高画質、前後左右の大画面で素晴らしいけど縄文土器、はにわ、絵巻、鎧兜、浮世絵、さらには世界で人気のアニメと内容が薄くとっ散らかっていて何が言いたいのかよく分かりませんでした。
ただ東博のほかの建物の常設展や庭園、企画展を合わせて見れな2,000円のチケットは高くないです。
一方の東洋館の「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」は、同じ30程度の上映だけどナビゲーターの生の解説がよく、大画面で国宝作品の細部までじっくり見ることが出来、作品の質感、構成、筆致の秘密まで見れるのは単なる美術鑑賞を超えた体験になるので、お薦めです。