美術鑑賞が趣味の私なりの美術鑑賞を楽しむコツを紹介します。
今回は、展覧会に行くときに作品の予備知識を入れてから出掛けるかどうかです。
予習をするかしないか
以前は、「行く前に勉強しない」派で、ほとんど出掛ける展覧会について調べることなく直接、行くことが多かったです。
でも、『国宝展』のように作品の数が膨大で混雑が予想される大きな展覧会では、疲れるし体力がいります。
「国宝」酔いしそうな贅沢な空間。東博150年の『国宝展』その1
国宝」酔いしそうな贅沢な空間。東博150年の『国宝展』その2
「初めの作品は熱心に鑑賞していますが疲れてくる後半、いい加減に見てしまいメインのものも見れなくなります。
大規模展だと6割くらい観て疲れてしまうので、結局、残り4割が見れていないので後で後悔するのです。
なので予め下調べをしてどのくらいの作品があるのか、メインのもの自分が見たいものをチェックしてそれを中心に見るようになりました。
結果、予習をして作品を見ると知識なく見るより数段、面白いということに気付きました。
予備知識がないと国宝のようなものでも「ふ~ん、これが国宝なんだ」くらいにか感じないことがほとんどでしたが、作品自体の解説や背景、作者のことを知れば知る程作品に対して愛着が湧き奥深さを感じることが出来ます。
例えば「絵」は、見て感じるものともいえますが、文化の違うものを感性だけで味わえるものなのか
モチーフの意味、構図の味方、流派の変遷など専門の美術知識があれば納得感があります。
今は、ネットやYouTubeの解説、大規模展は『日曜美術館』(Eテレ)などテレビで紹介するときもあるので行く前のに読んだり、見たり、聞いたりする下調べも楽しいです。
例えば下世話な話で面白かったのが
「モネが水連ばかりを描いたのは、不倫をしていたから」という裏話を聞いてから見る一連の水連の作品がいつもと違って見え
(興味のある方は、ネットで調べてみて)
「殺人を犯して逃亡した半ぐれカラバッジョ」の話を聞いてから見た『メトロポリタン美術館展』(新国立美術館)の「女占い師」(カラバッジョ)は、殺人犯が描いた絵なのかと変に印象に残り
お陰で?作品に親しみを持つことが出来ました。
あと作品についての「解説文」がありますが、それを作品を見る前に読むか見てから読むかです。
私は、混み具合によって解説文の前に人が多ければ先に作品を見てから解説を読みますが、そうでない場合は基本、先に解説に目を通してから作品を見ます。
ただこれは、予め家で予備知識を入れるか入れないかと同じですが
解説文を読んでから「作品」を見るとどうしても色眼鏡で見てしまいます。
有名人の作品だから、高度な技術を駆使しているとか貴重な材料を使っている、後の芸樹家に影響を与えたと知った上で「作品」を見ると本当に自分が好きなものが見つけられなくなってしまう可能性があります。
自分の直感で、これは好きな作品かそうでないか分からなくなるのです。
視覚を通したものと直接対峙する「直観」を大切にしていたのが民芸運動の父、柳宗悦で「知識だけでは美しさの中核に触れることが出来ない」と言ったのも分かります。
以前行った『瞬く光の庭』(蜷川実花・庭園美術館)の写真展で、作品には全くタイトルや説明がありませんでしたが、前入れ知識がない分作品そのものに集中し自由な発想が出来たからです。
だから本当は、作品を見て先入観なしのファースト・インプレッションで感じて、それから解説を読んで作品を理解し、そして再び作品を見るとというのが理想でしょうがそれだといくら時間があっても見終わりません。
だから、自分が見たかったメインの作品のみをこのよ方法で鑑賞するようにしています。
解説文も丁寧に読んでいると時間が掛るので作品によっては、写真撮影が可能なものがあるので最近は、作品とともに説明文を写真に撮って、後で読んだりしています。