「大腸内視鏡検査」をして、通常のカメラが腸の癒着で入らず細い径のスコープで検査をしましたが、画像が不鮮明で小さなもの、平らな病変は見逃している可能性があるというで「大腸内視鏡検難民」になりました。
家族歴とポリーブが出来やすい体質なので中途半端に終わった検査に不安を感じ、「便潜血検査」をしてみたところ「陽性」反応が出てしまいました。
「ポリーブあるかもしれない」「大腸がん」かもしれない疑惑をスッキリさせたいので、次なる行動を取ることにしました。
内視鏡の代用として
まず取った行動は、大腸内視鏡検査以外の「大腸を調べる検査」があるのか情報を集めることです。
大腸内視鏡が一番いいのですが、出来ない場合の代用としての腸を観察する「大腸造影検査」「大腸3DコロノグラフィーCT」「カプセル内視鏡検査」があることが分かりました。
欠点として、大腸造影検査、大腸3DCTは、被ばくの心配があり、ある程度大きくならないと画像に映らず小さなポリーブや平坦な病変を認識出来ません。
カプセル内視鏡検査は、カプセルの中にカメラが入ったものを飲み込んでカメラで腸を観察します。
この検査は、大腸内視鏡が入らなかったなど何らかの理由で内視鏡が出来ない人でないと「保険適応」にならず費用も10万円近くになり、腸を奇麗にするための下剤が4~6リットル飲まなくてはならないのでそれだけで躊躇します。
呑み込んだカプセルも最後、排便時に出して回収しなくてはならず却下しました。
これらのどの検査も「異常」が指摘された場合、結局、大腸カメラで再検査ないしは、治療を必要とすることも想定され振り出しに戻ります。
がんを見つける検査
大腸内視鏡検査が出来なくて、大腸がんの心配がある場合にがんがあるかどうかが分かるという検査がありました。
便潜血検査のように採便で、がんがあるか分かる「便中DNA検査」というものがあり、「便潜血検査」より精度が高く平坦なポリーブでも検出可能ということです。
ただ、日本ではまだ一般化しておらず、行っている検査機関が見つかりませんでした。
また、がんの発見率も高いが「偽陽性」も多くなるということで問題があります。
「マイクロアレイ血液検査」は、採血のみで「膵臓」「胆道」「胃」「大腸」の4つのがんについて臓器を特定し発見することが出来る検査ですが、検査費用が高額で擬陽性になる確率も高いです。
ともに大腸がん「スクリーニング(ふるい分け)」検査なので、がんが見つかったとしてもやはり大腸内視鏡検査が必要になります。
熟練した医師選びが、とても難しい
色々調べるとやはり大腸内視鏡検査にかなうものがなく、内視鏡の技量のあるスペシャリストを探すことにしました。
私が長年検査をしてくれたS先生も内視鏡の腕は日本でも屈指だと思っていて、その先生でも通常の内視鏡が入らないとなると私の腸を検査出来る先生は、他にはいないのだろう考えていました。
そして、そのS先生も病気療養中で現在は、検査を中止しています。
私のようにS先生頼みの患者さんが多くいる訳ですが、その患者さんに向けに他院で受ける場合、何を基準して内視鏡医を探したらいいのかS先生クリニックのサイトに書いてあったのが
- 院長が責任を持って検査を担当する。
- 内視鏡の精度管理に熱心。
というものでした。
具体的には内視鏡専門医がいて、大腸内視鏡検査を年間で数千以上は実施している病院です。
(きちんとした病院やクリニックであれば年間の検査実数、治療件数などは、ホームページなどで公開しています。)
その辺りも参考にしますが、医療者側としては、ホームページでは、成功率90何%とかいくらでもいいことを謳うことは出来るので、見極めが難しいです。
それでも色々と探し、以下の3名の内視鏡専門の先生を候補に挙げました。
- 「水浸法」で講師までされている第一人者であるG先生
- 自由診療で行っているS先生の先輩格であるT先生
- 東京の1等地で自由診療で行っている内視鏡の名医といわれるF先生
ただ、3人の先生の長所と短所があります。
1のG先生内視鏡困難者でも痛みが少なく成功率が高い「水浸法」で行います。
しかし、G先生は自分でクリニックを持っていなく非常勤として、国内のいつくもの病院を掛け持ちしています。
G先生が都内で行っているクリニックもありましたが、結構、遠く前処置もあるので前日、近くのホテルに宿泊しないと出来ないと思いました。
2のT先生は、S先生と同じ内視鏡困難者でも痛みが少ない「無送気軸保持短縮法」を行っています。
ただ、クリニックは東京にありますが、自由診療で行っているので、検査代が7万円と高いです。
3のF先生は、大腸内視鏡検査では有名な先生ですが、自由診療で診察が2万円、検査が検査17万、ポリープ切除となると20万円以します。
自由診療で、成功すればまだいいけどもし、内視鏡が奥まで届かない場合はダメージが大きいです。
でも、「排便出来る程の内腔は保たれている、下剤を飲めて排便がある人なら殆ど内視鏡は挿入可能」ということで普通に便が出ればカメラが通るというF先生の職人技がポイント高いです。
内視鏡の「自由診療」は、検査費用が高いけどメリットもあります。
保険診療だと少しでも患者を多く見なくてはならないので時間的に制約がありますが、自由診療では時間を掛けた丁寧な観察をしてくれるので検査の見逃しは少ないです。
このように候補に挙げた先生の検査でも上手く入らない場合は、諦めて3DCTをやろうかと考えました。
「水浸法」に賭けてみる
優先順位として1位G先生の「水浸法」、2位S先生の先輩格であるT先生、3位自由診療で行っているF先生としてまずは、第一希望のG先生が隔週で週1回大腸内視鏡検査を行っているクリニックを予約しました。
クリニックに事前説明を聞きに行き、3か月後に予約を取ることが出来ました。
しかし、細い軟らかい内視鏡があるか分からない、検査後の説明は別の医師が行うといものでこの辺りが心配になりました。
もし、通常の内視鏡が入らない場合、その代わりの細い径の内視鏡がなければ検査はそこで終了になります。
内視鏡は前処置が大変で、やはり失敗したくないのでこれは、賭けになるかと思いました。