母が、コロナ?
8月下旬に88歳の母が、病院に「緊急搬送」されました。
私は、母とは別に暮らしているため当日の状況は、母と同居している弟から聞きました。
朝、7時過ぎにベットでぐったりと横になっている母を発見しすぐに救急車を呼んだそうです。
意識はあるも息苦しそうで、呂律もあまり回らない状態で、昨晩から部屋の電気やテレビが付けっ放しでした。
特に、息がはあはあと上がっていて苦しそうだったとのことです。
この頃、コロナの患者が急増し医療機関もひっ迫した状態だったけどすぐに受け入れてくれる病院が見つかり入院することが出来ました。
母が緊急搬送された朝、弟からのラインで「肺の状態が悪い。人工呼吸器をつけた」と連絡があったので一瞬「コロナか?」「コロナで、肺炎?」と「コロナ」を疑いました。
母は、この頃、病院や朝の体操くらいしか出歩くことがなく、限られた人としか会っていなかったのでコロナに感染することは考えられずどうしてコロナになってしまったのかと思いました。
脳梗塞だった
搬送された病院で、すぐにPCR検査をして結果、「陰性」だったためコロナではありませんでした。
私が病院に到着してから、弟と母の状況を医師から聞きました。
「レントゲンで、肺が白くなっていて、肺水腫になっている」
「自発呼吸が厳しいので、人工呼吸器を挿管した。意識は、ある。」
「心臓の働きが弱い。これは、元々のものであろう。」
という説明に加えて
「脳梗塞を発症している」ということを言われました。
「脳梗塞の影響で、肺に水が溜まって肺水腫になっている。」
このとき母は、心不全もあり以前、肺水腫になったことがあるので、その影響もあるかもしれないと思いました。
弟に聞くと救急隊は、母の状態を見て「脳梗塞」とすぐに察したようで、脳神経外科のある救急外来のある病院を探してくれたそうです。
電話で問い合わせて、2件目のこの病院に入院することが出来たのです。
後に分かったことですが、母が入院した病院は、母の知人も数年前に脳梗塞で搬送された病院で、脳梗塞の治療実績が多い病院のようです。
(母の知人は、後遺症もなく今は元気に生活をしています。)
見せてくれたCTの脳の画像では、右側の細い血管が詰まっていてそこから血液が流れていない様子が分かりました。
母は、私達家族(弟と私)の同意を得て、すぐに詰まった血管から血栓を取り除くカテーテルを使った手術をすることになりました。
この処置のリスクとして、カテーテルが血管に触れることで、新たな血栓症を発症させたり、カテーテルにより強い力が血管に働き破れて出血してしまうことがあるということでした。
脳細胞が完全に死んでしまう前に血流を再開させなくてはならないので、考える猶予もなくリスクも承知で手術に同意しました。
術後
母が脳梗塞を発症して、全身麻酔で詰まった血栓を取り除く「カテーテル」を使った緊急手術をしました。
「カテーテルによる機械的血栓回収療法」というもので、足の付け根の大腿動脈からカテーテルを挿入し、脳まで到達させて病変部の血栓回収を行う治療です。
母が脳梗塞を発症してから推定12時間以上経過しているので、発症から4.5時間以内しか使えない詰まった血栓を溶かす「t-PA」という薬は使えなかったと思われます。
脳梗塞は、発症から経過した時間によって、治療が変わってくるため医師は、母がいつ頃脳梗塞を発症したか推定するために弟に昨晩からの母の行動や様子を詳細に聞いていました。
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その他、母の病歴の聴取や身体的な所見も聞かれましたが、ある程度病歴は分かるも何時からその症状が出ていたか何時、入院して手術をしたかということがすぐに答えらず弟と思い出しながら答えました。
父の入院のときは、あらかじめ入院が分かっていたので「病歴一覧」を作って渡しましたが、母は突然だったので何も用意しておらず家に帰ってから母の既往歴をまとめました。
1時間位で、手術が終わりました。
術後の医師の説明では、手術は無事終了し、血栓は取り除き血流が再開したとのことでした。
太い血管には詰まりはなく、死んだ脳細胞はないが、右側脳梗塞で、左に麻痺がどの程度残るか麻酔から覚めないと分からない。
血管は流れたが、肺に水が溜まったままで、「肺炎」になる可能性もある。
と言われました。