「大腸内視鏡検査」当日、下剤を飲んで腸の中を奇麗にして検査に望みました。
【大腸内視鏡検査2】下剤服用は、「水分」を大量に摂るので真夏に検査をするのがいい
内視鏡検査を受ける契機は、40代のときに人間ドックの「便潜血検査」で「陽性」になったことと父が「大腸がん」をしていたからです。
検査を受けるたびにポリーブが、見つかります。ポリーブが出来やすい体質なので、2~3年に1度は、検査を受けるようにしていて大腸内視鏡は、今回で、6回目か7回目くらいです。
検査困難な腸
大腸内視鏡を受けるのは、6回目か7回目くらいですでに「ベテランの域」ですがやはり毎回、検査前は緊張します。
というのも私の腸は、「長くて、屈曲が多い」専門医泣かせの腸だからです。よほど腕のいい医師でないと内視鏡検査は、成功しません。
初めて大腸内視鏡検査を受けたクリニックでは、内視鏡が一番奥の「盲腸」まで届かず、途中でリタイアしました。
内視鏡が腸のどこかのS字カーブを曲がり切れず奥へ入っていかなかったのです。そのとき「腸が非常に長くて、屈曲が多い」内視鏡検査が「困難な腸」だと聞かさせました。
そして、途中で「注腸検査」に切り替えられてしまったのです。
注腸検査は、ポリーブがあっても(このとき、小さなポリーブはあった)その場では切除出来ないばかりか、放射線の被ばく量も多く私としては受けたくなかった検査です。
でも、鎮静剤で意識もあまり鮮明でない中、同意を求められて頭もまわらず断ることも出来なかったのです。辛い前処置もしているので、検査を続行して欲しかったという気持ちもありました。
検査の途中で、痛くて止めてもらったのか、医師の判断で止めたかどうかまでは記憶にありませんが、内視鏡がなかなか入っていかない医師の「とまどい」と内視鏡検査の困難さみたいなのが記憶に残りそれ以降、内視鏡検査がトラウマになりました。
次も失敗するのだと内視鏡検査のときはネガティブになりますが、それを打ち消してくれたのが今回、執刀してくれたS先生です。
辛い前処置をして臨むので次は絶対、失敗したくないとの思いでインターネットで探し、辿り着いたのが大腸内視鏡検査では最高峰の先生です。
S先生は、大腸内視鏡検査に特化したクリニックを開いていて、大腸内視鏡検査に身も心も捧げているような先生です。
自身の内視鏡検査も自らの手で行うほど研究熱心で、全国の私のような内視鏡困難者(腸が長い、屈曲が多い、癒着がある、収縮が強い、憩室が多いなど)の「駆け込み寺」になっています。
先生自身も腸が長く、検査をするのが大変なようで、そういった患者の気持ちを分かってくれているのだと思います。
他のクリニックや病院で、見放された「内視鏡難民」の成功率が高いので、3か月先の予約もすぐに埋まってしまいます。
(私は、3か月に1度の予約の更新時の初日に予約を取りました。)
そんな「神の手」を持つS先生に、定期的に検査をしてもらっていますが、痛みがほほなく私のような腸でも失敗することはありません。
難所と言われる(失敗したクリニックでは、そのどれかが通過出来なかった)3つの湾曲したヘアーピンカーブも熟練したその手に掛かればスムーズに通過することが出来ます。
検査開始
名前を呼ばれて、着替えをするためにカーテンで仕切られた個室に案内されます。
使い捨てタイプの不織布の上着にお尻の部分に穴が開けてあるパンツの検査着に着替えて、前の人の検査が終わるまでゆったりとした一人掛けソファーに座って待っています。
靴下も脱ぎ、ブラジャー以外の下着も脱ぎます。時計やネックレス、指輪やピアスも取ってバックにしまっておきました。
この着替えて待っている時間が、何回検査を経験しても緊張します。
下剤を飲み終えて達成感を感じたのもつかの間、本当に内視鏡が入っていくのだろうか、痛くないのか…など次々に不安が押し寄せてきます。
いよいよ名前を呼ばれて検査室に入り、ベットに横になると「もう、なるようにしかならない」と覚悟が出来ます。
看護師さんが腕に点滴用のチューブをして、「身内にがんになった人はいないか」とか「この後、激しい運動や旅行など予定はあるか(ポリーブを切除するとどちらも出来ない)」など聞かれました。
父が大腸がんと胃がん、母が乳がんをやった旨を伝えました。
そうこうしているうちに、隣の部屋から先生が登場しました。診療台の脇に来るや否や「(何度も受けていて)腸が長いんですよね、この人」と言われてしまいました。
(よほど長いのか、私の腸よ)
チューブから鎮痛剤が入ると、すぐにボーっとしてきますが意識は落ちていません。
すぐに内視鏡を入れますが、いつ入ったのいうくらい痛みや違和感は感じられませんでした。
でも鎮痛剤と朝も早く起き睡眠不足もあり、半分うとうとしてしている間に内視鏡が一番奥の盲腸まで「到達」したようです。診察台に横たわった目の前にあるのは、「モニター」に映った自分の大腸内の映像です。
自分の腸の中にカメラが入っているのが、まるで「他人事」のようでここからは割と客観的に観察することが出来ました。
盲腸から内視鏡を引き抜きながら、丹念に探索していきます。ここまで、痛みや苦しみは感じられません。
早速、第一号ポリーブ発見。
第2号、3号と「ポリーブ」が次々と見つかり、切除していきます。
専用の器具で、ポリーブをつまんで引っ張るたびに「はいっ」「はいっ」と先生が合いの手を入れます。
青い溶液に染められたポリーブを摘むとそこから「出血」します。
やはりここでも自分の体の中で起こっている出来事なのに他人事のようです。
それは、ポリープを引っ張って切るときもほんの少し、引っ張る感じはありますが、出血しても全く痛くないからです。
鎮静剤により意識が、通常の70%くらいの中でも、念入りに検査をしてもらった実感があります。
他の病院だと見落とされがちな2㎜のなポリープも2つ切除してもらいました。
途中、何か黄色い物体みたいなものが浮遊していてそれをかき分けながら観察してようでしかたが、もしかしたら「便」が残っていかのかもしれません。
(この辺りも意識が、70%くらいなので不確か)
無事終了
内視鏡が、「肛門」まで戻ってきました。
盲腸から肛門までの時間をタイマーで計っていて、私の場合、観察とポリーブ切除の時間が「32分42秒」ということでした。
内視鏡検査とポリーブ切除が終わり、ほっとしたところですが、そのとき「お腹が張って、苦しい」みたいなことを言ったようです。
これは、お腹にガスが溜まっていて、すぐに「ガスを抜きます」と言いながら何か処置をしてくれました。
後で、「ガスをどんどん出して下さい」と看護師さんに言われたけど、ガスと一緒に「音」まで出そうで、人がいる場所では難しいので結局、家に帰るまで我慢していました。しばらく、このガスのためお腹が苦しかったです。
今回執刀してくれたS先生は、セルフで大腸内視鏡検査をして動画をアップしています。
ちなみに「イグノーベル賞」を受賞した座った姿勢で、自分で大腸内視鏡検査をした医師ではありません。
S先生は、ベットに横になって、ご自分で内視鏡検査とポリーブの切除までしています。
大腸内視鏡検査を以前やっていた知人の内科医師によると自分で、横になって内視鏡検査をするのはすごく難しいことだと言っていました。
私のように長く伸びきった腸だと検査が「困難」になります。
この特徴ある腸に加えて私の体形である「やせ型」の人は痛みを感じやすいのだそうですが、今回も痛みや苦しさは感じませんでした。
(脂肪の多い人は、内視鏡が腸内を動くときに腸壁などに触れたとき脂肪があるとクッションになって痛みを感じないらしいです。)
それを考えるとはやりS先生は、「神の手」を持つ凄腕ドクターなのだと今回も実感しました。
しぼり菜リズム
大腸内視鏡検査は、検査をする医師の「技量」で「成否」が分かれます。
私の腸では、S先生でなければ、検査そのものも出来なかったと思います。
「大腸内視鏡検査は、怖い」と躊躇していましたが、その恐怖心を取ってくれたのがS先生です。
ということで、S先生、悩める内視鏡困難者のためにいつまでの「現役」でいて下さいませ。