現在の病院は「元気になるまで、いられる場所」ではなくなっています。
現在の「病院」は、役割分担されている。高齢の父も、元気になるまで転院を繰り返さなくてはならない
高齢者に厳しい病院事情
現在の診療報酬制度では、病院が長期入院を受け入れにくい仕組みになっていて、元気になるまで病院にいることが出来ません。
特に高齢者の場合は、回復するのに時間が掛かり、入院前の状態に戻るのに長期間のリハビリの必要があることが多いので、「厳しい病院事情」になります。
身の回りのことがままならないまま(寝たきりだよ)自宅に帰るしかなくなり、突然の介護生活を強いられるケースがあります。
(病院は、寝たきり老人を長く入院させるほど経営上余裕はありません。入院待ちの患者も多いので、早く出したいのです。国民全体の医療費を考えると、老人にばかり医療費を使えないし…)
退院後の次の受け皿がないまま、退院を促がされてしまいます。特に父のように中心静脈栄養など、「医療的ケア」が必要な要介護の高齢者の場合は、受け入れ先の選択肢が少なくなります。
医療的ケアとは、吸引、胃ろう、経管栄養、透析など「医療依存度」が高く、医療を施さなければ生きることが出来ない状態です。
医療依存度が高い高齢者は、「特養」はまず入ることは出来ず、他の介護施設の入居なども狭き門となります。高額の介護施設ならば、受け入れてくれるかもしれませんが。
リハビリや療養の機能を持つ病院に転院する場合は、月20万以上出す覚悟をしなくてはなりません。
経済的に余裕があれば選択肢は広がりますが、やはり在宅で介護をするかということが現実的になってきます。
現実問題として、身体に不安がある状態で退院した場合は、在宅介護とならざる得ないのです。
在宅介護

(病院から放り出されて)在宅の介護となれば、すぐに「介護保険」を使ったサービスを利用するので介護保険の申請が必要になります。
介護保険認定は申請後、介護状態の判定に約30日くらい掛かります。
(すぐには、認定されないことを覚悟してね)
施設を探す場合は、認定後ケアマネージャーを介して、介護老人保健施設を探さなければなりません。そのためには、おおよそ1ヶ月半程度の時間が必要となります。
父も要介護「2」から「5」への変更にケアマネを介して、約1か月掛かかりました。
先日の医師との面談では、父の退院後の行き先として在宅、介護施設、慢性期病院(療養病棟)の3つが示されました。
医師は、介護施設や慢性期病棟はリハビリをあまりやらないので、(事実上、ほったらかしにされるらしい)認知機能のしっかりとした父は、在宅がいいのではと「在宅介護」と「在宅医療」を勧めていました。
(国も「在宅」へ移行する方向へ進めていますよね)
準備に1か月くらい掛かるので、早めに決めてくださいということでした。
(病院からかなり、せかされています)
在宅にする場合は、管理しやすいように管で栄養を摂る中心静脈栄養のポートの埋め込み手術をしなくてはなりません。その時間も考慮しなくてはならず、早い決断を迫っているのです。
退院後の生活
高齢の方は、短期間の入院でも歩行が困難になるなど、これまで出来たことが出来なくなってしまうと覚悟した方がいいと思います。
父も入院前まである程度元気だったのに、現在では歩けない、食べられないと想像もできない展開になりました。
入院前の生活よりよくなることを想定して手術を受けたので、退院後は歩けることを想定していました。
もちろん、食事も自分で出来ることが大前提でした。むしろ食べられなくなるということは、考えもしませんでした。
退院後は、介護生活になります。そのことを念頭に入れて、準備を始めなくてはならないのです。
実家には母と弟がいます。しかし、「キーパーソン」の母も85歳で老々介護となります。弟も仕事が忙しく家にいる時間が、少ないので不安の多い介護生活が予想されます。
そこに私と妹がどう関わるか。これから具体的に話を進めていかなくてはなりません。
しぼり菜リズム

寝たきりでも退院せざる得ないので、これから家族と父の新しい暮らし方を決めなくてはなりません。
退院後に自宅で介護生活となれば、「在宅介護」「在宅医療」と医療現場と介護現場の連携が重要になるのだと思います。
家族の事情や本人の気持ち、経済的な問題などさまざまなものが関わってくるので病院にはせかされていますが、結論はすぐには出せません。