父は脳腫瘍の手術、その後のリハビリの為に2つの病院に入院しました。
最初が、急性期病院で脳腫瘍の手術、その後が回復期リハビリテーションのある病院で主にリハビリを行っています。
父が2つの病院に入院して、病院によって看護師の対応や「質」が違いました。較べてみて病院によって、どう違うのか思ったことを書いてみました。
看護師の対応が、病院によって違う
最初に入院したのが自宅に近い、急性期病院です。母が毎日、父の面会に行き、毎回愚痴をこぼすのが看護師の対応です。看護師が、「冷たい」、「人間味」がないと。
私が父の見舞いに行ったときも感じましたが、特にICU(集中治療室)の看護師は、「怖い」の一言でした。
集中治療室は、強制収容所。でも、生きる望みを持てば、そこから出ることが出来る
ICUの父のところに痰の吸引にときどき看護師が、来ます。看護師は、一応父に「○○さん(名前)、吸引します」と声は掛けますが、半開きの口に強引に管を突っ込みます。
入れるというより、喉に向けてチューブを突っ込むという感じです。そんなときの父は、恐怖の表情を露わにします。
喉の奥を引っ掻き回すように、吸引する姿は痛々しくて、見ていられない程です。よく言えば、素早い対応で、悪く言えば強引な吸引です。
ちなみに、今の病院では、「○○さん!痰を取りますよ~」と声を掛け丁寧に痰を取ってくれます。苦しいながらも父の表情も比較的穏やかです。
母が毎日、ICUに父の面会に行っていたのですが、母が挨拶をしても返さない看護師がいたそうです。パソコンを見てめていたり、書類に書く仕事に没頭していたのか、顔も上げないそうです。
母は、よく主治医から聞いたことを忘れてしまったり、内容が分からなかったりします。
分からなかったことを確認しようと看護師に聞くと、一応は説明してくれますが、看護師は子どもを諭すように「先生もそう言っていたでしょ!(前に教えたよね?)」と説教をするような感じです。
看護師が、怖いのかICUの父の隣のベットの青年(母曰く)が、母に寒いので布団を掛けて欲しいと頼みました。術後で、管に繋がれていたので、勝手に布団を掛けることが出来きません。
母は、その旨を看護師に伝えました。すると看護師は、その青年に鬼のように怒鳴ったのです。「何回(布団を)掛けてもはいでしまうでしょ!!」と。
なかなかの「鬼」対応で母は、青年が可愛そうで罪悪感を感じてしまいました。
一般病棟では、食事のときに父と看護師のコミュニケーションが取れてなく、父が食べている最中の食事を下げてしまいました。
父は、そのときのおかずの魚が食べたかったらしいのですが、右手がうまく使えず食べるのに時間が掛かり、残したと思われたようなのです。父は、後々まで、恨んでいました。
ゴリ押し
入院時に寝間着を用意してきましたが、ICUでは、着替えをさせやすい病衣のレンタルを看護師に勧められました。というより、レンタルにして欲しいという圧力を掛けてきました。
ICUでは、レンタルの病衣が鉄則というとニュアンスでした。タオルも外から持ち込むと衛生上よくないとのことで、これもレンタルに変えたところです。
同じように差額ベット代の掛からない部屋がないときは、差額ベット代の掛かる病室に入って欲しいと半ば強制的に看護師に言われました。
断れない空気で、一番安い部屋(~2500円)で同意しました。
ちなみに今の病院では、病衣などのレンタルも強く勧めません。レンタルも止めたければ、すぐに止めることが出来ます。この急性期病院では、変更は効かないと言われ退院するまで一式レンタルしました。
病衣のレンタルも差額ベットも半ば「ゴリ押し」状態で、看護師の有無を言わさない対応にビックリしてしまいました。
地域の噂も
父の手術の日は、長い時間待合室にいました。1日、待合室にいると車椅子のお年寄り達が看護師に連れ出されて、憩いのために何回か集まって来ます。
看護師は、簡単にお年寄り達に声を掛けた後、すぐに自分の持ち場に戻ります。その休憩室に残った車椅子のお年寄り達は、ナースコールもないので、用があると私や他の面会者に頼み事をするのです。
お年寄り達の近くを頻繁に看護師が通りますが、私や他の面会者に声を掛けるのです。ジュースを自販機で買って欲しいとか、トイレに行きたいとか。
忙しそうな看護師に声を掛け難いのかもしれません。頼み事をし難い雰囲気があるかもしれません。
トイレに行きたい女性をトイレに連れていくことが出来ないので、ナースステーションに行って看護師に伝えました。
が、伝えても誰も来ません。その女性は、私にまた同じことで、声を掛けてきます。
再び、看護師に伝えると「あの人は、オムツだから(トイレに行かなくても、いいのよ)」と来てくれません。本人に、そのことを伝えてくれないとこちらも困ってしまいます。
女性は、自分がオムツをしていることを忘れているので、認知機能に問題があったのかもしれません。本人に何度も同じことを言っていたのかもしれませんが、直接本人に行ってもらわないと私も板挟みになります。
万事、こんな感じで、コミュニケーションが行き届かず、どこか突き放した素っ気なさを感じました。
父の話だと夜中に叫んで騒がしい患者がいて、この患者と看護師と喧嘩をしていたこともあったそうです。
もちろん、そうでない看護師もいます。分からなことがあり訪ねると、丁寧に受け答えしてくれる看護師もいました。
それが普通の対応なのかもしれませんが、その看護師が、「天使」に見えました。
この病院は、地域の「中核病院」で地元の人が多く診療します。その地元民の評判があまりよくないのが、父の入院した病院なのです。
社交的な母が、地域の集まりやカラオケ、朝の体操、美容院で集めてきた情報によると、「あの病院は、止めた方がいい」というレベルで、「質」のあまりよく看護師が多いということなのです。
院長が「ど」ケチで有名で、職員に最低ランクの給料しか払っていないので、いい看護師は他に移ってしまうということです。
話半分としても、地域の「噂」は、私の実感では案外的外れではないような気がしました。
今の病院は、穏やか
今のリハビリ病院は、私も行く機会が多く、看護師やリハビリスタッフなどと接する機会が多いですが、急性期病院とは明らかに違います。
急性病院も必要最低限の声掛けはしますが、今の病院は父に対して頻繁に声掛けをしてくれます。
父のところに来ると、必ず明るく声を掛けてくれます。父が、新聞を読んでいると「○○さん、新聞読んでるの」「何か、いいこと書いてあったかな」など雑談も交えてくれます。
廊下でスタッフとすれ違う時は、必ず誰もが先に挨拶してくれます。父が寒がっていると言えば、前開きの肌着を用意すれば着せてくれるとアドバイスをしてくれます。
病衣では、腕や足がはだけてしまうので、寒さ対策に持って行ったサポーターやスパッツを必ずつけてくれます。
ラジオをつけておいてくれたり、テーブルに置いた日めくりも毎日めくってくれ、父に対しての心配りが感じれられます。
看護師の他のリハビリのST、PT、OTの方も皆、親切で、全体的に連携も取れていて、院内の空気感がとてもいいです。
科によって、違う
急性期病院では、特にICUの看護師の印象がよくありませんでした。ICUの看護師は、よく言えば大胆、悪く言えば繊細さに欠けます。
ICUは、重篤な患者が多く、予断を許さない状況で、素早く適切な処置をしないと命に関わることが多いことが影響しているのでしょう。
寧ろ、万人に目が行き届くようにひとりひとりに、丁寧なコミュニケーションは必要がないのかもしれません。
患者の回転も速く、患者とコミュニケーションを取る機会もないまま亡くなったり、一般病棟に移ったりすることも多いと思います。
激務で緊迫した状況で働くプレッシャーや、患者の「死」に立ち会う機会が多いなど、精神的にも肉体的にもストレスが多いと思います。
現在の回復期リハビリテーション病棟のように安定した患者ばかりではないので、現場は緊迫しICUの看護師は、常に時間に追われて仕事をしているため、せっかちな人が多いのかとも思います。
慢性的、看護師不足で、ギリギリのところで働いていることも想像出来ます。
命と向き合うストレス命の現場ゆえの厳しさは否定しないし、むしろ心を「鬼」にしないといけないことも多いと思います。
日常的に「死」と隣り合わせのICU職場のでは、空気もキツくならないと出来ない仕事だと「労働環境」の厳しさを感じます。
医師の知人は内科ですが、内科の看護師は優しい人が多いとこのです。科によって違いがあるのかもしれません。
リハビリ病院では、緊急の場面が急性期病院に比べて少ないからか、とても和やかな雰囲気があります。
しぼり菜リズム
急性期病院と回復期リハビリテーション病院という違いもありますが看護師の対応や「質」の差を実感しました。
2つの病院を比べて感じたことは、リハビリ病院のように看護師やスタッフがきちんと挨拶をしてくれる病院は、連携もよく取れていて、院内の雰囲気がよかったです。
そして、身だしなみなども以外に関係あるかなあと思いました。それを否定する訳ではありませんが、急性期病院では、(耳)に軟骨ピアスじゃらじゃらの看護師やバッチリメイクの看護師がいました。
この病院の若い看護師のバッチリメイクの割合は、結構多かったです。要するに自由な風紀の病院で、上司もそれを容認しているのでしょう。
看護師の対応や質が、「医療サービス」の質になります。入院するならば、やはり、医療サービスの質のいい病院を選びたいです。