介護しぼり菜
父の「嚥下機能」回復にSTなどによるリハビリが、重要。どんなリハビリをやっているのか
父は、「嚥下障害」で口から食べることが出来ません。
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リハビリ病院で、父の「嚥下機能」の回復のために行っていることなど書いてみました。
STによるリハビリ
「のみ込み」が難しくなった父の嚥下の訓練に口のリハビリの専門家ST(言語聴覚士)が、重要な役割を果たしています。
毎日、STが父のベットに来て嚥下の訓練とのみ込みのチェックに口腔ケアをしています。私が、面会に行くとよくSTが父のところに来ています。ある日の訓練は、こんな感じ。
ベットを30度くらいギ ャ ッ ジ ア ップして、頭を起こします。角度をつけることで、誤嚥しにくくなります。父は、紅茶を飲みたいということで、ティーパックを買っておきました。
この紅茶に、のみ込みしやすいように「とろみ」をつけます。液体にとりみをつけるパウダー状の増粘剤を使います。
「つるりんこ」というとろみ剤を使っていました。
STが、小さなスプーンでカップに入ったとろみをつけた紅茶を軽く1杯分すくい、父の口に運びます。
のみ込みが悪く、「誤嚥」を起こす可能性があるので「もう一度、ごっくんしましょう」とSTの指示に従いますが、父は、のみ込むことがうまく出来ません。
聴診器をその後、喉に当てると飲み切れずゼリーが残っていると雑音が聞こえるそうです。のどに残ったゼリーは、痰の吸引用チューブを入れて気管に入らないように吸い取っていました。
「咳」をしてみて下さいと言うと、父は咳になっていないような弱い咳しか出来ません。嚥下機能の低下が進むと咳をすることが、難しくなります。
強く咳をする練習は、嚥下機能を高める訓練になり、誤嚥を防ぐのにも役立ちます。その後「ごほん」「えへん」と咳や咳払いをする訓練もしていました。
最後に口腔内をスポンジブラシで、清潔にしてくれました。
この日のSTの話では、口の乾燥が少なく、唾液がよく出ているとのことでした。「のみ込む力」は、今は、ギリギリのところだそうです。
経鼻で薬液を入れていますが、明日から、薬を口から飲むことも始めるそうです。
「とろみ」をつけた水で、薬を飲みます。
口腔ケアも重要
寝たきりで、口を動かす機会が減るため唾液が出にくくなるのでり口の中が乾燥し、カピカピの状態になります。
同時に、口周りの筋肉の衰えによって口が常に開いた状態になることが多く、食べていないのに細菌が発生しやすくなります。
細菌が繁殖した唾液を誤嚥することで菌が肺に入り、誤嚥性肺炎を起こす可能性もあります。口腔内は、スポンジブラシやガーゼなどで拭って清潔にする必要があります。
STが、毎日口の中の衛生状態をチェックし、スポンジブラシや歯ブラシで口腔ケアをしてくれます。
父との会話
話すときと食べるときに使う筋肉は共通するものが多いため、「会話」をすることも嚥下機能の向上に役立ちます。
面会に行ったときは、父と会話するようにしています。嚥下機能が低下した人は、話すことにも難しい場合があります。
父も語尾が聞き取りにくく、私は何度も聞き返してしまいます。声を出すことが口への刺激に繋がるので、唾液の分泌を促進します。
唾液が出て、口の中が潤うと飲み込みもしやすくなります。
父には食べられるようになるためには「喋った方が、いいよ」と言っているので、私が行くと、新聞の記事を読み上げたり、いつも以上に家族のことなどよく喋ります。
こんなに喋ったかなあ。食べたい一心で、無理して喋っているのではないかと思うほどです。でも、会話では、脳も使うので認知症の予防にもなるのでいいことです。
口周りのマッサージ
STに口の周りのマッサージをしてもいいかと尋ねると、どんどんしてあげて下さいとのことでまず、病院に行くと手を洗って、挨拶代わりに父の口の周りを軽くマッサージをします。
マッサージで、顔や口の周りの筋肉の緊張をほぐすよとヒンヤリとした皮膚が少し温まります。口周りの筋肉の緊張がほぐれると食べ物などが取り込みやすくなり、唾液が出やすくなります。
全身のリハビリも重要
作業療法士OTや理学療法士PTリハビリも午前中に毎日あります。
面会時間が、午後からなのでOT、PTの方とあまり会う機会がありませんが、こちらの方は父の話だと体調が悪くてどうも真面目にやっていないようなのです。
首や肩が痛くて車椅子に移乗しなかったり、疲れるのでベットの上に座らなかったり。
STの直接的な嚥下訓練と同じように体全体の筋肉の回復も嚥下機能に関係しているので、喋ることと同じようにこちらも頑張ってもらいたいところです。
しぼり菜リズム
嚥下機能回復に、STの役割は重要です。幸いにも父は、孫と同じ年齢の担当STの女性がお気に入りのようです。
そのSTが見えると、顔が穏やかになりよく喋ります。こんなことがやる気に繋がり、気持ちに張りが出来たらなあと思うのです。
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