朝昼晩と料理を作るのは大変です。
仕事から疲れて帰って来たり、朝食の片づけをしたらすぐにお昼の準備をしなくてはならなかったり。
一人で食べるお昼は、料理をする気になれない、と。
そんなときに料理研究家の土井善晴さんの「一汁一菜」でよいという記事を目にしました。
一汁一菜でよいという提案
献立の基本は、「一汁三菜」だと言われてきました。
一汁三菜は、ご飯に汁もの、おかず3品(主菜1品、副菜2品)で構成された献立です。
私は、「一汁三菜」という呪縛に悩まされ、ご飯と味噌汁の他に3品程度のおかずを用意することが、苦痛に感ずることがよくあります。
おかず3品は、作って当たり前。
それくらい作らないと、家族にがっかりされるのではないか。主婦として、失格ではないか。
これらの強迫観念は、毎夕食の献立を考えるのも苦痛となります。
2品くらいは、どうにか体裁の良さそうなものを作るのですが、後は、何を作っていいかわからず。
胡麻豆腐、もずく酢などそのまま出せるものや冷凍食品をチンして3品にするみたないことをよくやります。
それを無理して、3品作らなくてもいい、一汁一菜でもいいじゃないのと土井善晴さんは、言っているのです。
一汁一菜は、ご飯に、汁ものと、おかず一品です。『一汁一菜でよいとう提案』という本を土井さんは、書かれています。
毎日が、ご馳走?
雑誌やテレビ、SNSでは、着飾ったよそ行きの料理ばかりが並んでいます。
ご馳走が、溢れていて、毎日が、ハレ(特別)なのですね。
本来の生活は、ケ(日常)がベースにあり、ハレ(特別)があるのだと思います。
私が、子どもの頃は、毎日の食卓は、ご飯、味噌汁、漬物、魚か肉みたいな感じでもっと質素でした。
これにピーマンの味噌煮やジャガイモの煮物があったりするくらい。
ハンバーグやシチュー、鶏の唐揚げなんて誕生日や特別なお祝いの日に食べるものでした。
家族のお祝い事があったときのハレの日の特別なメニューが、非日常を際立たせ、嬉しかったように記憶しています。
本来、一汁三菜は、神様にお供えするハレの日の料理だそうです。
伝統的な和食の原点は、ご飯を中心として、味噌汁と漬物。余裕があれば季節のおかずを作るもので十分だと土井さんは、言っています。
味噌汁を具だくさんにすれば、一汁一菜を兼ねると言い、栄養も十分に取ることが出来ます。
家庭料理は、いつもご馳走であることはないのですね。
家族は、美味しいものを期待しますが、いつも美味しい必要はないのかもしれません。
こんな風に考えれば少しは、一汁三菜の呪縛から放たれ、肩の荷も下りるのです。
昼食に、一汁一菜を作ってみた
自分の昼食に一汁一菜を作ってみました。味噌汁を具たくさんにすれば、栄養のバランスも取れ、10分も掛からず簡単に出来ます。
お湯を鍋に沸かして、出汁を入れ(千代の一番、粉末の鰹出汁など使います)、野菜や肉などの具を入れます。
味噌を入れ、豆腐や海藻、ネギなど思いつくまま入れれば出来上がりです。具材は、何を入れてもいいのではないでしょうか。
これは、豚肉、ブロッコリー、キャベツ、大根、ニンジン、玉ねぎ、チーズ、カボチャ、ファッロ(スペルト小麦)です。チーズを入れても美味しかったです。
卵、ナス、トマト、レタス、カブ、豆腐、野菜や植物たんぱく、動物たんぱくも入っています。冷蔵庫にあるものを何でも入れればいいのです。
何でも味噌に合います。
あっさりし過ぎていると思ったらごま油やオリーブ油をたらしたり、ベーコンなども入れるとコクが出ると思います。
パンと食べても合います。
私が読んだ記事では、パスタにも合うとありました。
具だくさん味噌汁は、繕わなくても普通に美味しいです。
毎日食べても飽きません。私は、結構好きですね。
昼食は、麺やパンなど炭水化物中心になってしまいがちです。
それよりも味噌汁だけならば、簡単で、栄養も豊富。カロリーも低く、健康的です。
余裕があれば、簡単な丼物も作ります。
使いかけの鶏肉があったので、親子丼です。冷蔵庫にあるもので、作りました。
一汁一菜は、心の置きどころ
毎回の食卓で一汁三菜、つまり、おかず3つを作るって大変なことです。
それを作ること自体を義務に感じたり、負担に思うと料理が楽しくなくなります。
我が家の場合、食べ盛りの子どもがいるので、ご飯に味噌汁だけという訳にはいきません。
しかし、一汁一菜は「心の置きどころ」に出来ます。ときには、一汁一菜にという風にハードルを下げ、心を軽くしたいと思います。
私は、ここしばらく、一汁一菜の昼食です。主人と二人だけのときも、ご飯に具たくさん味噌汁にしてみよう。