熟年結婚
私達夫婦は、熟年結婚です。夫58歳、私50歳で結婚し、お互い再婚です。
最初の結婚が価値観を変えた。
49歳で離婚して独身になり自由、好きなことが出来る喜びを手に入れた代わりに、寂しさを感じるようになりました。
50代に足を踏み入れると、老後がぼんやりと視野に入ります。このまま老後を一人で生きていく未来図を描けません。
離婚をしたばかりなのに、何故かドロドロとした沼のような結婚生活を渇望するようになりました。最初の結婚では、事情があって生活の中で、家族や親戚などいろいろな人間関係が入り組んでいました。家族関係が、ドロドロとしていることも多かったのです。
でも最初の結婚で結婚に懲りたわけではなくむしろ、夫婦や家族で苦楽を共にする結婚の良さも経験していたのです。それは、離婚してみて気が付いたのだけれども。夫婦や家族の人間関係に疲れていたのですが離婚して、それが一気に無くなってしまったら、凧の糸が切れたように心もとなさ、物足りなさを感じてしまったのです。他人を深く受け入れず、マイペースで結婚願望の少なかった私の独身時代では、考えられないことです。最初の結婚で、結婚の価値観が変わったのです。
一度結婚して、結婚のハードルも低くなりました。
離婚してすぐに再婚
主人とはネット婚活で知り合い、半年の交際期間を経て離婚から1年足らずで結婚しました。
離婚してからの1年は、目まぐるしく環境が変わりました。離婚、再婚で1年で姓が2回変わり3つの姓を名乗りました。離婚、結婚に関わる諸手続きも慣れたものです。
主人は、私が独身時代に就いていた職業で内情がよくわかります。たまたま主人の家の両親と私の両親も同じ職業で、育った家庭環境や経済状況も似たようなものでいいと思いました。最初の結婚は、育った土地柄、家庭環境が全く違い、家族の価値観の違いで戸惑うことも多かったのです。価値観の違いで、相手を理解することが出来ずに喧嘩が絶えませんでした。だから、なるべく同じような家庭環境や経済状況の人と結婚したいと考えていたところ主人と出会ったのです。
熟年結婚で、心の平穏を得る
実際に結婚してみて、価値観が出来上がっている50代の二人は、違う世界を持っていて適度に引かれた境界線なの中で生活をしています。
見ている方向も趣味も食べ物の嗜好も全く違います。20代、30代だったら今の主人とは結婚しなかったかもしれません。お互い、頭も心も若い頃より硬くなっています。主人も私も人一番頑固なのでそれぞれ譲れないこともあり、時々喧嘩もします。
でも、一緒にいて心が安らぎます。何も話さなくても疲れません。すでに、倦怠期の夫婦みたいですがお互い「空気」のような存在です。この「空気」のような存在って、私には心地よく心の安定をもたらします。お互いに再婚同士なので、二度と、離婚をしたくないという気持ちがあります。最初の結婚では、自分の主張を下げることはありませんでした。「我」を通し相手を負かしていた私は、離婚を経験し少し柔軟に対処出来るようになりました。
年齢的に二人の余命を考えると二人の婚姻期間、夫婦生活は、そんなに長くはないかもしれません。そう考えると欠点も愛しく、相手を尊重して暮らしたいと思うのです。