二大巨匠、どちらが好み?印象派とは違う魅力の「スェーデン絵画」の展覧会に行って来た

スウェーデン絵画 北欧の光、日常のかがやき

「東京都美術館開館100周年記念 スウェーデン絵画 北欧の光、日常のかがやき」東京都美術館(東京都・上野公園)に行きました。

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スウェーデン絵画

以前、北欧の美術展(『北欧の神秘―ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画』)に行きましたが、今回は、純粋なスウェーデン人画家のコレクションです。

icon-arrow-right 初めて、本格的な北欧の絵画の展覧会へ行きました。

ほかにもスウェーデン出身のヒルマ・アフ・クリント、「スウェーデン国立美術館 素描コレクション展」など行っていますが「スウェーデン」に特化した美術展は、初めてです。

icon-arrow-right パワースポットのようなインパクトのある「ヒルマ・アフ・クリント展」

icon-arrow-right 地味地味なんですけども…「スウェーデン国立美術館 素描コレクション展」

今回は、気になった3つの視点から書きました。

カール・ラーションVSアウグスト・ストリンドバリ

まず印象に残ったのが、ウェーデンを代表する同時代に生きたカール・ラーションとアウグスト・ストリンドバリの二人の画家の対象的な表現です。

「キッチン(『ある住まい』より)」カール・ラーション

「キッチン(『ある住まい』より)」カール・ラーション 1894~1899年

ウェーデンの国民的画家であるカール・ラーションは、妻ともに改装した家での家族の暮らしを描いた水彩画は、「幸せな家庭の日常」を明るく装飾的に描いています。

彼は自分の家族や子ども達の写真を投稿するように日常の幸せな瞬間を次々と描き、画集もヒット

まさに今でいう憧れの生活を地でいくライフスタイルの「インフルエンサー」的存在です。

ラーションが貧しい幼少期を過ごしたからかどの絵を見ても温かく微笑ましいのは、写実ではない自らが体験出来なかった幸福な子ども時代の体現だったのであろうか

悲惨な過去があったからこそ、その反動で「幸福のアイコン」である明るい光、温かな家、理想的な家族という日常の輝きを人一番執念を持って描き続けたのでしょう。

描かれた絵や妻と作り上げた現存するラーションの家を見ると赤と白を基調とした明るい内装や家具、タペストリーが現代の北欧デザインの原型を見るようで北欧デザインに憧れる私にとって溜息モノでした。

icon-arrow-right 憧れの北欧ライフ・北欧デザイン展

「ワンダーランド」アウグスト・ストリンドバリ

「ワンダーランド」アウグスト・ストリンドバリ 1894年

カール・ラーションと対極をいくのは劇作家としても知られるアウグスト・ストリンドバリです。

ラーションと違い決して貧しい家庭で育った訳ではないが、パレットナイフで叩きつけるように描いた荒れた海や嵐の空、綺麗ごとではない精神的苦悩剥き出しの内面を表現していたります。

(ラーションの幸福な家庭画の近くにストリンドバリの荒々しい風景画があったりして、面白い)

「絵」という言語で幸福を追求したラーション、どろどろした心のうちを表現したストリンドバリ、「今日の気分」によってどちらの絵が好みか分かれるが、今回は、ヒルマ・アフ・クリントにも通じるストリンドバリの深い精神世界に心傾きました。

「作家 アウグスト・ストリンドバリ」カール・ラーション

「作家 アウグスト・ストリンドバリ」カール・ラーション 1899年

これ、ストリンドバリをデッサンしたもので、ラーションが描いています。

二人は、同時期に同じ芸術家村に滞在し仲がよかったのですが、ラーションが発信する「絵に描いたような幸せ」が鼻につく偽物に見えるようになったのか(ストリンドバリの嫉妬?で)仲違いしてしまったようです。

(ドロドロの人間関係がここ東京都美術館にはあったのですね)

印象派の絵は、馴染まない?

今回は、スウェーデン美術の黄金期とされる1880年代~1915年にかけての作品で、この時期の作家はこぞってパリに留学し印象派やセザンヌの影響を受けています。

そのうちの一人、ニルス・クルーゲルもフランスで印象派修行をしフランス滞在時は印象派風のスタイルでした。

が、自国に戻ると乾いた明るい光のフランスと比べ自国の白夜、極夜に湿り気を含んだ光と根本的に「光」に性質が違うので、印象派の光の描き方はスェーデンの気候風土とは馴染まないと考えたのでしょう

こんな絵を描いています。

「夜の訪れ」ニルス・クルーゲル

「夜の訪れ」ニルス・クルーゲル 1904年

(日本では見れない北欧特有の夏の白夜の空って、こんな風に青いのですね)

短いストロークで表された青い光の夜という独創的な表現になっていて、この絵のように印象派の技法は押さえつつもニルス・クルーゲルは、独自の風景へと舵を切っていきました。

いいですね、印象派とは違う特殊な光がもたらす時間が止まったような感覚

場所によっては、極夜の暗い日が数か月も続くところがあり、このような自然環境や極端な季節のサイクルが「光」に対して非常に敏感になりこの絵の空のグラデーションのような色彩感覚が磨かれたのでしょう

印象派的から脱却してスウェーデンらしさの追求といえば、ブルーノ・リリエフォッシュもフランスから帰国後、オリジナリティある画風を確立しました。

「カケス」ブルーノ・リリエフォッシュ

「カケス」ブルーノ・リリエフォッシュ 1886年

彼は、印象派の「移ろう光」の描写にとどまらず、動物学者として写実的でかつ装飾的な絵を描いています。

第一印象、どこか日本の浮世絵(花鳥画)ぽいなあと感じたのは、平面的で大胆な構図、装飾的でよく見るとカケスの青い羽の模様や顔の表情が日本画の細密だからか

今展になかったが猫の絵なども描いていて、もっと彼の動物の絵を見てみたいです。

映像で流れていたカール・ラーション邸も素敵だけど彼のブッレレ島の狩猟小屋が古民家仕様でこちらもいい感じでした。

カール=フレードリック・ヒルにしてもフランス留学を経た彼らに共通するのは、フランスで学んだ印象派の「光」の技法を基礎としつつスウェーデンのアイデンティティやらしさを表現するためにあえて印象派の手法を乗り越えていった点にあるのかと思いました。

王子様の絵

「エウシェーン王子」オスカル・ビュルク

「エウシェーン王子」オスカル・ビュルク 1895年

最後に生涯独身を貫き芸術活動に身を捧げた王子様(↑この方です)の絵です。

「静かな湖面」エウシェーン王子

「静かな湖面」エウシェーン王子 1901年

以前、北欧美術展に行ったときに絵画は、単なる王子の道楽ではないことが分かり、今回の絵を見てもエウシェーン王子は、白夜の「ブルーアワー」の名手だということを確信しました。

「白夜のブルーアワー」

素敵な言葉ですね

いわゆる北欧の夏の夜の特徴である太陽が沈んだ後の「残光」が支配する静謐な青の世界のことでこの絵画も「ブルーアワー」が描かれています。

この王子様の作品は、大きいので距離を取って見たいが離れて見るとどうしても間に人が入ってしまいます。

しかし、この日はそこまで混みあっておらず、絵の前の空間を半ば独り占め状態の瞬間がありまるで都会の喧騒を忘れ静かな湖畔に立っているような錯覚に陥り北欧の夏の長い薄明の夜を堪能することが出来ました。

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ABOUTこの記事をかいた人

2017年現在57才 50代になって体に色々な変化が起きました。 アレルギー、腰痛、変形性膝関節症、脂漏性皮膚炎、手湿疹、眼精疲労、胃腸の不快感、開帳足等々一気に吹き出しました。 このほかに病気以前、未病のものもあるので 自分の体を見つめ直した生活を考えています。 健康、医療、病気、楽しいことも含めた日常生活を綴っていきたいと思います。 認定医療コーディネーター、ホームヘルパー びわの葉療法インストラクターの資格保有