卓越した線描の力・「ロートレック展 時をつかむ線」に行きました。

「キャバレのアリスティド・ブリュアン

「ロートレック展 時をつかむ線」(SOMPO美術館)へ行きました。

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今回は、保存状態がいいロートレックによる紙作品の個人コレクションとしては世界最大級のフィロス・コレクションより約240点を展示しています。

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ロートレック

19世紀末フランスを代表する画家であるアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(1864~1901年)の作品は、絵画に詳しくない人でも一度は、目にしたことがあり好きな人も多いのではないでしょうか

パリのエスプリを効かせた大胆にデフォルメや簡略化した人物、踊り子などの躍動感溢れる絵が小粋でいいなあと思っていました。

ロートレックは、親ガチャとしては、伝統ある貴族の家に生まれ恵まれていると思いましたが、ロートレックの展示された写真を見ても分かるように幼少期に足の骨折で足の成長が止まり上半身は大人だけど足は子どものように短いという身体的なハンデがありコンプレックスを抱えていました。

それもあり父親から疎まれ、両親の不仲や離婚もあり思春期に喪失感と疎外感、孤独を感じていたのです。

そんなロートレックでしたが、絵画を本格的に学び得意な絵でキャバレやダンスホール、劇場、娼館が建ち並ぶパリ屈指の歓楽街・夜のモンマルトルに出入りするようになりそこで才能を発揮し、多くの仲間に囲まれるようになりました。

そんな様子が伝わるようなものも展示され、ロートレックがプロデュースした食事会のメニューやカード、私的な展覧会の招待状、家族や知人に宛てた手紙、プライべート写真などで当時の生活ぶりが伺えます。

ロートレックは、人なつっこい性格で晩年まで多くの人に好かれていたそうですが、自分の居場所を光と闇が交差する夜の世界に見出したものの、アルコールや不摂生のため健康状態が悪化し36歳の若さで死去してしまいます。

人気のスター達のポスター

新しい時代の空気を感じようと街を訪れる客人、そこで働く人々とともにロートレックは、文化人や踊り子、興行主など時代の寵児を多く作品に取り入れ、当時の文化人やスター達の個性を上手く表現しています。

ジャヌ・アヴリル「ポスター傑作集」

ジャヌ・アヴリル「ポスター傑作集」1895年 リトグラフ

「ムーラン・ルージュ」のダンサーとして人気の高いジャヌ・アヴリルを多く描いています。

ジャヌ・アヴリル(文字のせ前)

ジャヌ・アヴリル(文字のせ前)1893年 リトグラフ

写真下の作品には、店名が入っていて(写真上の)店の名を載せる前に刷られたポスターと同時に見られるのは貴重な機会です。

右手前にはシルエットで楽器の奏者が描かれて、これは、歌川広重の「名所江戸百景」の近景のモチーフを極端に拡大する構図の影響を受けているといわれています。

展示会場を移動する階段の壁に貼られていたもので、ダンサーが足を高く上げる瞬間を素早い線描によって捉えています。

「ディヴァン・ジャポネ」

「ディヴァン・ジャポネ」 1893年 リトグラフ

店の名前である「ディヴァン・ジャポネ」とは「日本の長椅子」という意味で、当時フランスでは日本趣味が流行していて、ロートレックも多数の浮世絵を蒐集していました。

長椅子には、日本風のものは見当たらないけど大胆な構図、平面的な色彩は浮世絵の影響ではないかといわれています。

舞台のショーを見ているのは、上の作品のモデルと同じ踊り子のジャヌ・アヴリルです。

これは、当時流行していた演劇や音楽を鑑賞出来る飲食店の宣伝ポスターで、ロートレックが手掛けたほとんどのポスターは印刷用にリトグラフで作られ、このリトグラフという版画技法で刷られた華やかなポスターがパリの街中を彩りました。

一節によるとロートレックのポスターは、貼られるそばから剥がされるほど人気でコレクションしていた人もいたということです。

ロートレックの作品は、安く手軽に求められる版画にしたことで多くの人の目に触れることになったのと同時に「ディヴァン・ジャポネ」 のような広告媒体も芸術の域まで高めたのです。

「ラ・ルヴュ・ブランシュ」誌のためのポスター

「ラ・ルヴュ・ブランシュ」誌のためのポスター 1895年 リトグラフ 部分

この女性、ロートレックが描くキャバレーやダンスホールの華やかな夜のパリに集う人々の個性的な顔とは違う上品な淑女のお顔ですが

彼女は、サロンも主宰していた美しく教養豊かなこの芸術雑誌の編集長の妻で、芸術家達の憧れのミューズだったということで繊細な描写から彼女の気品や才気が伝わってきます。

「ラ・ルヴュ・ブランシュ」誌のためのポスター

「ラ・ルヴュ・ブランシュ」誌のためのポスター 1895年 リトグラフ

私は、気が付かなかったのですが、背景にうっすらとスケートリンクの縁が描かれていていで、このご婦人は、颯爽とスケートをしているのです。

(だからか、手に持っているのは手を温めるための筒型の防寒具、毛皮のストールという出で立ちで重心が前にきているような姿勢なのですね)

でも、ほかの色彩や線が強く表れた作品とは違いあっさりとした女性の顔立ちや毛皮の部分は、細やかな線を重ねドレスの柄も丁寧に描き込まれていて、華やかなモンマルトルのエンターテイメントの世界とは違うパリを感じることが出来ます。

「キャバレのアリスティド・ブリュアン(文字のせ前) 」

「キャバレのアリスティド・ブリュアン(文字のせ前) 」1893年 リトグラフ

ポスターに描かれた太ったおじさんは、歌手であり興行主であるアリスティド・ブリュアンでロートレック自身が試し刷りした文字載せ前の珍しいものです。

ロートレックとブリュアンは10歳以上年齢が離れていたが、お互いを無二の親友と認める仲

リュアンは小さなバーを経営しており、その伝手で彼はロートレックに「ムーラン・ルージュ」のポスター制作など仕事をいくつか紹介しロートレックは、ブリュアンのためにポスターを作り続けました。

ブリュアンをモデルにした3枚目のポスター「キャバレのアリスティド・ブリュアン」は、ロートレックの代表作で黒づくめの服装に、差し色の赤いマフラーが効いていて、不敵な笑みを浮かべた表情が単純な線で表され人物の本質を鋭く捉えています。

このようにロートレックは、人を描くことに秀でその人の内面や社会の空気まで描き出すことを得意として、リトグラフやポスターは、こうした卓越した線描の力を直に伝えることに効果的でした。

ロートレックの素描も50点あり、紙片に描かれたスケッチ的なものポスターの下絵から完成度の高いものまであり、彩色を加えないで線だけでも表現力豊かで対象の姿を巧みに描き出していました。

しぼり菜リズム(まとめ)

ロートレック

フィロス・コレクションより約240点をご紹介する「ロートレック展 時をつかむ線」(SOMPO美術館)へ行きました。

ロートレック(1864~1901年)は、南仏の貴族の出で、幼少期に足の骨折で足の成長が止まるというハンデがありながらも絵画を本格的に学び夜のモンマルトルの人々を描きポスターなど印刷物を芸術の域まで高めました。

的確な線描流れるようで人物の躍動感を得意とし、夜のモンマルトルのダンサーやスター、文化人や踊り子、興行主など時代の寵児を多く作品にしてきました。

ロートレックの作品は、リトグラフによる版画やポスターによって多くの人々の目に触れることになり、版画やポスターは、ロートレックの卓越した線描の力を直に伝えることに効果的でした。

■「ロートレック展 時をつかむ線」

    • 会場:SOMPO美術館
    • 会期:2024年6月22日(土)~9月23日(月)
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2017年現在57才 50代になって体に色々な変化が起きました。 アレルギー、腰痛、変形性膝関節症、脂漏性皮膚炎、手湿疹、眼精疲労、胃腸の不快感、開帳足等々一気に吹き出しました。 このほかに病気以前、未病のものもあるので 自分の体を見つめ直した生活を考えています。 健康、医療、病気、楽しいことも含めた日常生活を綴っていきたいと思います。 認定医療コーディネーター、ホームヘルパー びわの葉療法インストラクターの資格保有