西郊ロッヂング
荻窪の「明治天皇荻窪御小休所」から東へ歩いてすぐのところに「西郊(せいこう)ロッヂング」があります。
西郊ロッヂングは、1938年(昭和13年)に建てられた洋風建築の建物で、2001年(平成13年)の改修後は、賃貸住宅となっています。
西郊ロッヂングは、当初は本館のみで後に新館が増築され、現在では新館のみが西郊ロッヂングと呼ばれ、本館は「西郊」という旅館として営業しています。
前の通りは、車の往来が激しく、荻窪駅から歩いて6分と近いので人の往来も多いです。
「杉並郷土史会会報 平成31年2019年3月25日発行」よると
昭和5年に洋風下宿「西郊ロッヂング」が開業。
下宿といえば畳に襖が一般的だった時代に全室洋館、ドアにはプライバシーを守る鍵、床はフローリング、作り付けのベットとクローゼット、内線電話までついていました。
入居したのは、地元の名士の子弟や高級サラリーマンだったそうです。
当時は、とてもモダンで先進的だったのですね
昭和12年に就航した新館は、ドーム型の屋根のある塔で、これは技術者だったご主人が建設にかかわった荒玉水道の配水等を模したものです。
(荒玉水道は、「関東大震災後、東京市に隣接した町村の急速な都市化による水の需要に応じるため」に建設されました)
確かに私がバスの中からよく見ていたドーム型で水色の野方給水塔の尖塔部に似ています。
「東京の西の郊外」を意味する「西郊」の名とともに、この塔は武蔵野に生まれた郊外住宅地の歴史を伝えるシンボルだったのでしょう
住宅街の中にポツンと「昭和」の空間がある感じで、周辺は住宅街になっています。
旅館なので、宿泊客ではないので中には入れず、外から写真を撮るのみですが、外観だけでも昭和の趣が感じられ本館・新館ともに2009年(平成21年)に日本の「登録有形文化財」に指定それています。
南側のツタが絡まった塀
こういう歴史ある建物を維持管理するのは、並大抵なことではないと思われます。
その建物を今でも現役で使っているのは、素晴らしいです。
この建物の東側の路は、通称「荻外荘通り」といい
南へ750m行くと近衛文麿が住んでいた荻外荘(てきがいそう)へと続きます。
道中の人家の庭に咲いていた立派なヒマワリ
しぼり菜リズム(まとめ)
荻窪にある西郊ロッヂングは、1938年(昭和13年)に建てられた洋風建築の建物で、2001年(平成13年)の改修後は、賃貸住宅、本館は「西郊」という旅館として営業して本館・新館ともに日本の「登録有形文化財」に指定それています。
開業当時は、下宿としては先進的でモダンな作りで、西郊ロッヂングの屋根の部分は当時のご主人が仕事でかかわった「野方給水塔」にの尖塔部を模した独特な作りになっています。
<参考文献>
- 「杉並郷土史会会報 平成31年2019年3月25日発行」
- 杉並区HP
- Wikipedia「西郊ロッヂング」
- 「すぎなみある区マップ 荻窪南」杉並区等
■西郊ロッヂング
東京都杉並区荻窪3-63