角川庭園
荻窪駅から850m、善福寺川の松渓橋から北へ350m行ったところにある「杉並区立角川庭園」へ行きました。
(私は、写真を撮るために善福寺川沿いに自転車で何度かに分けて行っています)
道中、いくつもこの標識があるので迷わず行けましたが、住宅地の中にあるので少し分かりにくい場所にあります。
杉並区立角川庭園は、俳人で角川書店の創立者である角川源義の自邸を遺族が杉並区に寄贈し、整備して2009年に区立公園として開園しました。
庭園と邸宅(「幻戯山房~すぎなみ詩歌館~」)を無料で一般公開しています。
角川邸の敷地に入ってすぐのとことに
南国のフルーツのような実のなった木があり、これは「芭蕉」という植物です。
前オーナーの角川氏が俳人「松尾芭蕉」を敬愛していたことから同じ名前の植物を植え角川庭園のシンボルツリーとなっています。
芭蕉は、花芭蕉、破れ芭蕉、青芭蕉と俳句の季語にもなっています。
芭蕉は、バナナの仲間だけど食べられない、中国が原産なのに英名が「ジャパニーズ・バナナ」、木ではなく大型の草であること、 松尾芭蕉の名前の由来となっているなど興味深い植物です。
これも南国チックな植物です。
行くつどに造園業者が入っていて、とても奇麗に手入れされた庭園です。
角川庭園は、四季折々の木や草花が楽しめこの日もアジサイ、ホタルブクロなどが咲いていました。
庭園は、建設時の源義氏の考え方を受け継ぎ俳人に相応しい野趣溢れるもになっており、梅、菖蒲、紫陽花、百日紅(さるすべり)、芒(すすき)など俳句の季語になる植物も多いです。
このつくばいには、水はなかったです。
中庭までの石畳の小道の途中で出会った道祖神
いくつか置かれていた重石のような石、何に使うのだろう?
邸宅前の芝の中庭まで続く自然石を組み合わせた石畳
自然の趣のあるイングリッシュガーデンやターシャチューダーの庭に憧れた頃があったけど、自然の地の利を生かしたこんな山野草がよく似合う和風の庭も素敵です。
庭園は、さほど広くはないが既存の樹木を含め400本もの樹木があるそうで個人の庭園としては特筆すべきものがあります。
(敷地は、約1,370㎡です)
この日は、蚊が多くて随分刺されてしまいました。
水琴窟
庭園内に「水琴窟(すいきんくつ)」がありました。
水琴窟は、土中に甕(かめ)などを伏せて埋めて空洞を作り、そこに水滴を落としてその反響音が地中から漏れてくる仕組みになっています。
真ん中の丸い石のあるところにつくばいから水を汲んで掛けたが、音は聞こえませんでした。
この日は、暑かったので水を掛けた瞬間から水は蒸発してしまいました。
邸内入って、水琴窟の説明文がありそこには、つくばいの近くの葉のところか水を流すように書いてあり、そこから流さなかったので音が出なかったのであろうか?
でも、水を掛けたタイミングではなかったが時折、琴の音のようなかすかな金属音が聞こえました。
とても小さな音でしたが、この世の音とは思えないほど澄んだ音色に心洗われるようでした。
水琴窟の近くに源義氏が長野県の霧ヶ峰で詠んだ句(「残雪や 狩くら神の 泉鳴る」)が刻まれた句碑があります。
石の合間にひっそりとキノコが、生息していました。