杉並区立太田黒公園
善福寺川の松渓橋から北へ500m、JR荻窪駅から500mの住宅街の中にある「太田黒公園」へ行きました。
太田黒公園は、音楽評論家の大田黒元雄氏の屋敷跡地につくられた杉並区立の公園です。
園内は、荻窪の緩く起伏する台地に自然の地形を生かした回遊式日本庭園で、入口の門は檜、切妻造りの棧瓦屋根、左右に築地塀のある趣のあるものです。
門を入ると白い御影石の長さは70メートルの石畳がまっすぐ伸び道の両脇には、樹齢100年を経た大イチョウの並木が圧巻です。
園路を進み植込みの中の低い階段を登ったところに檜造り建物があります。
この建物の管理棟は茶室、休憩所と事務室が渡り廊下で結んだ一棟になって、休憩所は誰でも自由に入れトイレや飲み物の自販機もあります。
休憩室の内部には大きな松の梁がある趣のあるもので、大木と芝生の庭園が中から見えます。
建物の目の前は広々とした緑の芝生で、その周りに根元は笹で覆われたアカマツやラやケヤキなどの木があり、これらの大きな樹木は、以前からあったものを保存したものだそうです。
この中央の芝生広場は、普段は入れませんがときどき日にちを決めて開放しているようです。
区立大田黒公園は、音楽評論家の大田黒元雄氏の屋敷跡を杉並区が日本庭園として整備し、1981年に開園しました。
大田黒元雄は、ドビュッシーやストラビンスキー作曲家を初めて日本に紹介し、同時代の欧米音楽の普及に努め執筆活度で、多くの書物を残し紫綬褒章を受章しています。
86歳で逝去するまでの47年間を過ごした屋敷を杉並区に寄付し個人宅としてはかな立派なお屋敷です。
園内には、大田黒氏が仕事部屋として建てたものがそのまま記念館となっています。
休憩所、茶室の裏の中庭に井筒があり、そこから細い水が流れ水の流れは茶室の周りを一周し、さらに高低差を利用して木立の中を流れてこの庭園の中心の池にそそぎます。
暑い日でしたが、水を眺めていると涼を得られちょっとした避暑地のようです。
太田黒公園は、日本式庭園であるが、日本庭園の水は川や滝、海、石は山岳を表現し石は不変であることから「永遠」という意味があり趣のある石があちこち配置されています。
うっそうと繁る樹木の合間を流れる小川は、深山の雰囲気を漂わせています。
水面に映る新緑が美しいです。