善福寺川の源流を訪ねて、善福寺公園に行ったとき上の池の内田秀五郎の像の近くにあったのが六角形の建物です。
この建物は、「水道局杉並浄水場」の施設の一部で取水井ということが分かりました。
調べるとすぐ上に浄水場があったので行ってみました。
水道局杉並浄水場
杉並浄水場は、善福寺池公園の南西の小丘にあり、敷地面積は12,640m2です。
池から歩いて坂道を登って2,3分のところにあります。
入口を探して歩いて行くと立入禁止になっていて中に入ることは出来ません。
ここで、この浄水場について少し
杉並浄水所は、関東大震災後の急激な宅地化による水需要の増大に対応するために旧井荻町が万古の昔から善福寺池の湧水が豊富であることから善福寺池の湧水で独自の水道局を開設し、昭和7年に東京市水道局へ移管されました。
東京都水道局の区部の浄水所としては、唯一の地下水を原水とした3基の取水井を持つ浄水所で善福寺3、4丁目を中心に西荻北1~5丁目、上荻2~4丁目の地域に給水し取水、浄水処理、送配水を行います。
3基のうちの1基が、善福寺公園の内田秀五郎の像の近くにあったのが写真の六角形の建物です。
この内田秀五郎氏、私費を投じて井荻村の発展に尽力した方で、この水道事業彼の功績にも関与し完成翌年の水飢饉の際には内田町長の先見の明と言われそうです。
(管理棟左側)
浄水場の周りは、柵で囲われ柵の隙間からしか建物が見れません。
というか草ぼうぼうで、廃墟寸前で人の気配もないので現在は、使われていないようです。
(管理棟右側)
遠目で見える建物は、神奈川県庁を設計した建築家の小尾嘉郎が設計したもので、管理棟は低層陸屋根(平らな屋根)で、アールの付いた(局面のある)部屋を設けた当時としては、モダンなスタイルの建物のようです。
このほか量水器室のある建物や取水井があるようですが、道路側からだと少し遠く柵や木で見えにくくて分かりませんでした。
ただ、扇状の貯水池は水が抜いてあり空っぽでした。
道路を挟んだ向かい側も浄水場の敷地ですが、ほぼ平地になっていてここも貯水池があったのかもしれません。
過去には、深井戸の水深が120mの善福寺池の水は、昭和30年以降たびたび干上がったが、水深17メートルのこの浄水場は、常に1日18000トンの飲料水を揚水していて池の井戸より条件のよい水脈に当たっていたようです。
この浄水場は、可動している気配はないものの館内は、ある程度、雑草は伸びているが覆いつくすほどぼうぼうではなく管理はされているようです。
敷地の外で、写真を撮っていたら巡回の警備の方が来ました。
警備の方に話しかけられ、現在は、浄水場として使用していないが施設として使っていて周りは、防犯カメラが設置され警報システムが作動して私の様子や二人で話している様子は、記録されているということでした。
誤解されるので、写真を撮ったりあまりうろうろしない方がいいと言われたので、もう少し写真を撮りたかったがこれで切り上げました。
警備の方の話では、浄水場として使用していないが施設として使っているということでした。
この方、昔からこの辺りに住んで浄水場が配水した水道の水を飲み、水道の水は今と違って美味しかったそうでこの浄水場の地下水は名水だったのかもしれません。
ところが
家で、浄水場のことを調べていたら
「都水道局が令和4年度及び令和5年度に杉並浄水所内に設置している井戸の水質検査を行ったところ、PFOS等の検出を確認しています。この井戸は、平成28年12月に大腸菌が検出されたため取水を停止しており、現在も水道水に使用されていません。」
と杉並区のサイトにあり大腸菌ばかりか今、今、問題になっているPFOSも検出とありショックでした。
災害時給水ステーション(給水拠点)としても停止中でそうで、いつ再開されるのか分からない状態です。
昔は、名水だった?湧水を汲み上げていた「杉並浄水場」と善福寺公園2へ