善福寺川を遡上して善福寺川の源流のある善福寺公園に来ました。
善福寺公園 上の池
下の池から途中、遲野井の滝を見て「上の池」をぐるっと周りました。
上の池は、ボート場がある二つの中島を持つ広々とした明るい池で、大きい方の島には、井草八幡宮が所有する弁財天が祀られています。
善福寺公園の2つの池は、いずれも50m等高線に沿って分布しており、かつては武蔵野礫層の地下水が湧き出て出来た湧水池でした。
しかし、現在は水が枯れてしまい井戸を掘って汲み上げた揚水と千川上水からの引水により池の水は、保たれています。
池周辺にはアジサイやフヨウが植えられて、見頃でした。
タチアオイ
池の西端に黄色い絨毯を敷き詰めたようにアサザが咲いています。
「あそび場」にピンクの花を咲かせた木がありました。
エゴノキだと思われます。
上の池は、下の池に比べ開けて明るい雰囲気です。
23区内(の外れだけど)にこれだけ自然豊かな公園があり保たれているのはとても貴重なことです。
公園の周りは住宅街で、ここに開発の手が及ばなかったのは善福寺公園が、「風致地区」に指定されているからです。
「風致地区」とは、都市内外の自然美を維持保存するために都市計画法で1930年に建物や樹木伐採など一定の制限が加えられた地域のことです。
条例で、動植物や水辺環境が守ることは私達人間にとってもいいことです。
今回、善福寺川の源流に興味があり数回に分けて善福寺公園まで来ました。
公園まで来て川に設置してある距離の表示板の「源流遲野井の滝から〇〇㎞」の遲野井の滝が、現在は「源流」でないことが分かりました。
この源流の旅では、湧水もほとんど枯れて、地下水の揚水と千川上水からの引水により池や川の水が保たれているという都心の川の実態も見え複雑な気持ちになりました。
でも、善福寺川の源流である善福寺公園は、川の源に相応しい池や滝、親水施設がある「水の公園」には違いなく、住宅街にありながら自然が保存されているので、各季節に行って植物や鳥や虫などもっとじっくりと観察してみたくなりました。
〈主な参考文献等〉
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- 「石神井・善福寺公園」佐藤保雄著 郷学舎
- 「善福寺公園樹木マップ」NPO法人「善福寺水と緑の会」作成
- 史料「住宅地・杉並はここから 井荻を知る」杉並郷土史会
- 「米寿 秀五郎翁」内田秀五郎翁米寿祝賀会
- 「フィ―ルドミュージアムガイド 善福寺公園」公益財団法人東京都公園協会/善福寺公園サービスセンターほか
- HP「東京都建設局・河川の事業」
- 善福寺公園サービスセンター、杉並区都市整備部、東京都建設局にお話をお聞きしました。