善福寺川を遡上して善福寺川の源流のある善福寺公園に来ました。
善福寺公園下の池
地理的には、善福寺公園の園地は、標高約50mの隆起扇状地に位置し西側は、ほぼ平坦な台地、東側は、池より発する善福寺川の流下する低地になっています。
善福寺池の名前の由来は、池のほとりに「善福寺」というお寺がありおのお寺からきていると「武蔵名勝図会」にあるとされたが、大地震で廃寺となってしまったそうで、現存するお寺の善福寺とは直接関係ないとのこと。
善福寺公園の半分を占める善福寺池は、武蔵野の三大湧水池として知られています、
江戸時代には、神田上水の補助水源として江戸の水がめとも呼ばれ善福寺池は、上の池と下の池という二つの池に分かれています。
そのうちの1つ「下の池」です。
下の池は、昭和10年代に善福寺川を堰き止めて作った人口の池で元は、泥地で池になったのは公園化されてからです。
源頼朝の軍が留まったのがこの辺りだという話もあります。
下の池は半分近くがアシなどの水生植物で覆われ、池の周囲はラクウショウなどの木立に囲まれ野趣に富み善福寺川寄りには、白や紫のスイレンの花が咲いていました。
上の池、下の池ともにカワセミ、ゴイサギ、カモ、カイツブリ、バン、アヒルなどの水鳥がおり野鳥を撮る望遠レンズをつけたカメラマンが結構います。
「日本野鳥の会」の創設者が池の近くに一時期、居を構え池の生物観察を行った場所として知られ「野鳥観察の聖地」でもあります。
池の近くに咲いていたタチアオイ
うっそうとした木立、アシなどの水草が群生して静かな佇まいを見せています。
黄色いアヤメの花
公園脇(南側)の竹林
池の南側のほとりに湧水が流れているかと思いましたが、汲み上げた水を引いて流していると思われます。
水が、池のの方に向かって流れています。
ちょっとした小川になっていて、水も澄んでいます。
下の池に水が流れて行きます。
この川は?
これは、公園内北側にある杉並区の「遅野井川親水施設」(法律上の「河川」ではなく、また善福寺池の一部でもなく、杉並区が管理している「水路」)の一部で人工的に作られたものです。
遅野井川親水施設は、学校の敷地内を善福寺川が流れる井荻小学校の子ども達が、「身近な水
辺が欲しい」という思いを区長へ要望し、「みんなの夢水路整備事業」として開園しました。
新緑が眩しい紅葉、秋もいいだろうな
善福寺公園 杉並区善福寺3-9-10
〈主な参考文献等〉
「石神井・善福寺公園」佐藤保雄著 郷学舎
「善福寺公園樹木マップ」NPO法人「善福寺水と緑の会」作成
史料 「住宅地・杉並はここから 井荻を知る」杉並郷土史会
「フィ―ルドミュージアムガイド 善福寺公園」公益財団法人東京都公園協会/善福寺公園サービスセンターほか
HP「東京都建設局・河川の事業」
善福寺公園サービスセンター、杉並区都市整備部、東京都建設局にお話をお聞きしました。