善福寺川
関根橋から遡上し善福寺川の源流である善福寺公園まで川沿いの遊歩道を歩きました。
始まりは、これ
私は、善福寺川沿いの遊歩道をウォ―キングしますが、いつも気になっていたのが「善福寺川源流 遲野井の滝(おそのいのたき)」から何キロというこの表示板です。
数年越しに善福寺川の源流である遲野井の滝ってどんな滝なのか、源流ってどうなっているのか見たくて関根橋から善福寺公園まで今回、遡上することになりました。
関根橋から美濃山橋
まず善福寺川について
善福寺川は、杉並区の善福寺公園内にある善福寺池に源を発する全長10.5キロ(遲野井の滝から11.3km)の川で、杉並区を北西から南東に貫くように流れ中野区の東京メトロ丸ノ内線中野富士見町駅付近で神田川に合流します。
合流した神田川は、早稲田、御茶ノ水を通って墨田川に流れ込みます。
ということは、善福寺川の源流は、神田川や墨田川の源流の一つで都心を流れる川の源流の旅に期待が膨らみます。
今回は、関根橋(杉並区西荻北5・上荻4丁目)から歩きます。
定期的に善福寺川の遊歩道を歩くとカルガモ、コサギといった水鳥はよく見かけ、ときどきカワセミに出会うことがあります。
この間もピューッという独特の鋭い鳴き声が聞こえるやいなや2羽のカワセミが川を横断しながら目の前を飛んで行きました。
逃げ足も速く一瞬しか見えませんがカワセミが現れると辺りの雰囲気が一瞬、厳かなものに変わり不思議な鳥だと思いました。
駅前橋付近で、カルガモの親子に出会いました。
この間は、ここから下流の本村橋付近にアオダイショウがいて、夏になると大きな白い蛇が姿を現し白蛇の脱皮した殻が落ちていることもあります。
都会の川にも色々な動物がいるのですね
善福寺の川の流域には、松ノ木遺跡などの遺跡があり、かつての水量豊かな善福寺川の水を古くから人々が活用し、江戸時代になると善福寺川は、神田川、妙正寺川とともに江戸の給水源の一つとして人々を潤わせ、流域の農村で灌漑用水としても利用されてきました。
宿橋近くのビワの実が黄色くなってきました。
右岸側、荻窪中学校の近くの原寺分橋から今では希少とされる善福寺川にある湧水の一つが川底から湧いているのが見えます。
東京都建設局のサイトによると原寺分橋下の湧水量は、1,600~4,500mm3/日(0.018m3/s)だそうです。
貴重な湧水を丸くコンクリートで囲いその周りに石を埋め込んで保護し、U字講を流れる川へと湧水を誘導して流れ込んでいるようでしたが、中心部の丸い穴からは水は湧いているように見えませんでした。
「湧水は、地下水が崖や谷間から流れ出たものだけど地表面がコンクリートで覆われ雨水が侵入しにくくなると地下水の量が減少したり枯れてしまい、地下に大きな構造物が地下水の流れを遮断したり井戸を枯れさせたりして湧水地点そのもをなくてしまうことがある」
と近くにあった湧水の説明版にあり、都心の水の問題に深刻さを垣間見ることが出来ました。
原寺分橋に立つと右岸からU字溝に水が流れ込んでいるのが見え、これは、武蔵野市の下水合流地点で、大雨の際に武蔵野市方面からの雨水を流す水路のようです。
水は、かなり澄んでいていて水草や水鳥が多く生息しています。
ただ、水は一見美しく見えますが、雨が降ると下水道の水が入って来るのでやはり奇麗とはいえません。
この辺り鯉が、100匹近く泳いでいます。
(ちょっと強面の紅い鯉が、ボスであろうか?)
原橋付近の川床の高低差が、小さな滝を作っています。
シラサギとカルガモ
原寺分橋から先に荻窪中学校と井荻小学校があり、荻窪中学校の校舎とプールを行き来する専用の橋が架けられています。
耕整橋から先は、井荻小学校の敷地のため、ここで左右両岸共に遊歩道が通行禁止になっていて、学校内には専用の橋があります。
住宅街の中を流れる川なので、ほとんどの護岸が、コンクリートになっていています。
寺分橋から新町橋へ向かうと浅い川の底に10個ほど大きな土管並んで埋め込んであり、ここから湧水が出ているかと思い杉並区に聞くと、20年ほど前にショウブを植えるために作った花壇(苗が水に流されないようにする)のようなものとのことです。
現在は、ショウブは植わってません。
これも花壇なのかな?
善福寺公園が近くなると水草が多くなるように感じました。
ここからは、家に帰ってから調べたことです。
杉並区が設置した案内表示では源流を遅野井の滝としてそこからの距離を表示しています。
実際には善福寺池の現在の水源は、遅野井滝より0.8km下流の善福寺公園入口の美濃山橋とされるから0.8km短いはずである。
この辺りは、次回以降詳しく書きます。