骨粗しょう症の人は、歯周病になりやすい
「骨粗しょう症」を患う人の90%以上が重度の「歯周病」に掛かると報告されているそうです。
骨粗しょう症は、加齢や運動不足、生活習慣の他に「エストロゲン」というホルモンの減少があります。
エストロゲンの分泌が少なくなると、全身の骨が脆くなるとともに、歯と歯ぐきの境目などで炎症を引き起こしやすくなり、歯周病にかかりやすく重症化しやすい傾向にあります。
実は私も骨粗しょう症で、重度の歯周病です。
月一度歯科で、歯石を取り、毎日、4回歯を磨き、歯間ブラシと糸ようじでケアしてしますが、それでも歯周病は止まらず昨年、左の奥歯上下2本を抜歯しました。
このように骨粗しょう症になるとどんな手を使っても歯周病の進行を止めることが出来ません。
これは、骨粗しょう症だと歯周ポケット内では炎症を引き起こす物質が作られ、歯周炎の進行が加速されると考えられていています。
骨粗しょう症の人は、口の中細菌感染で歯周病が起きやすく、骨粗しょう症の影響で歯を支える骨も弱くなっていることからより歯が抜けやすい状態になります。
また歯周病によって歯を失うと、噛む能力が低下して、食物の消化吸収力の低下を招きます。
その結果、ビタミンDやカルシウム不足、低栄養となり、骨粗しょう症を悪化させることがあります。
このように歯と骨粗しょう症は、密接に関係しているのですね。
ビスフォスフォネート投与で、顎骨壊死
骨粗しょう症になると歯周病になりやすいと書きましたが、やっかいなことに骨粗しょう症の治療は、「歯科治療」に影響します。
歯科医院で、「骨粗しょう症の薬を服用している方は、受診の際にお知らせ下さい。」という張り紙を見たことあるのではないでしょうか。
骨粗しょう症の薬が、歯科医療に関係するのです。
その薬とは、骨粗しょう症でよく使われる「BP製剤(ビスフォスフォネート製剤)」で、骨を丈夫にする代わりに「新しい骨や歯ぐきなどを作る機能」を抑えてしまう働きがあります。
また、ビスホスホネートを長期服用している場合、口腔内に常在している細菌が歯周ポケットや歯科治療による外傷などから顎の骨の中に侵入して炎症を起こすと白血球が産生する殺菌物質が過剰になり、自分の細胞などを攻撃しやすくなります。
そのため、細菌に感染すると傷が治りにくくなり、「抜歯」などの処置をきっかけに最悪の場合、顎の細胞や組織が死んで骨が腐った状態になり、口腔内細菌の感染によって顎の痛み、腫れ、化膿といった症状が現れます。
恐ろしいのは、進行して悪化すると、壊死が広がって顎の骨が折れたり、皮膚の表面に穴が開いて膿が漏出する「顎骨壊死」になることがあります。
だから、骨吸収抑制薬の「ビスホスホネート」を長く服用している場合は、歯科治療を受ける際に注意が必要で「お薬手帳を」見せるなり薬を服用している旨を伝える必要があります。
だだ、顎骨壊死の発生率は発生率は千人にひとり0.1%の頻度と極めて低い確率なので、服用していても極端に恐れる必要もないのです。
気を付けることで、リスクは減らせる
骨粗しょう症の薬ビスホスホネートを服用している人が顎骨壊死にならないために自分で気を付けることがいくつかあります。
骨粗しょう症の歯科治療を受ける際はお薬手帳を持参したり、治療前に使っている薬を歯科医に伝えしっかり指示を仰ぐことです。
歯科処置で重要なことは細菌感染させないことなので、抜歯の処置後にしっかりと口腔内を清潔にするためにも薬の服用は知らせることです。
私が抜歯したときは、歯科医から骨粗しょう症治療の担当医に手紙で打診して、休薬の必要なく行いましたが、自己判断での休薬は絶対にやってはいけなません。
休薬したからといって顎骨壊死を予防出来ないだけではなく、中止中の骨折のリスクが上がってしまいます。
兎にも角にも一番は大事なのが、口の中の衛生を保つことです。
歯周病も骨粗しょう症も自覚症状が少ない病気です。
もし骨粗しょう症と診断されたら、定期的に歯科受診せず放置すると抜歯をしなくても、症状がなくてもまず、必ず歯科で歯周病のチェックをするようにしましょう。
それにしても、骨粗しょう症の人は、歯周病になりやすく、歯周病になれば抜歯の可能性も高くなり、予防薬であるビスホスホネートの服用で顎骨壊死のリスクが上がるという負の連鎖に悩まされます。
私は、昨年、右奥上の歯周ポケットが深くなり歯がぐらつくようになり、上下2本抜きました。
歯を抜いてから歯が右奥で噛むと、スカッと空振りするような食べ物を歯の穴に押し込んだだけのような全然噛めてない感じがありました。
最近は、違和感はなくなりましたが、奥歯2本ないことで食べるペースが遅くなってしまいました。
ただ、歯周ポケットが深いと歯石を取るのも痛いし歯茎も腫れやすかったけどそれがなくなり、結果的に抜歯してよかったと思います。
今のところ顎骨壊死になってないのが何よりです。
しぼり菜リズム(まとめ)
「骨粗しょう症」の人は、歯周ポケット内で炎症を引き起こす物質が作られ、歯周炎の進行が加速され重度の「歯周病」になりやく細菌感染や骨粗しょう症の影響で歯を支える骨も弱くなっていることから歯が抜けやすいです。
骨粗しょう症の治療薬である「ビスフォスフォネート製剤」を服用していると、「抜歯」などの侵襲性のある外科的処置をきっかけに最悪の場合、顎の細胞や組織が死んで骨が腐った状態になり「顎骨壊死」になることがあります。
そこで、大事なのが骨吸収抑制薬の「ビスホスホネート」を服用している場合は、歯科治療を受ける際、薬を服用している旨を伝えること、口の中の衛生を保つこと、自己判断での休薬をしないことです。
歯周病も骨粗しょう症も自覚症状が少ない病気です。
もし骨粗しょう症と診断されたら、定期的に歯科受診せず放置すると抜歯をしなくても、症状がなくてもまず、必ず歯科で歯周病のチェックをするようにしましょう。