「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」(国立新美術館)へ行きました。
イブ・サンローラン
ファッションデザイナーのイヴ・サンローランは、クリスチャン・ディオールの急死後、1958年にディオールの後を受けつぎデザイナーとしてデビューをし、1962年に自身のブランド「イヴ・サンローラン」を発表しました。
引退する2002年まで、約半世紀に渡りモードの第一線で活躍し続け
サファリ・ルック、パンツスーツ、ピーコート、トレンチコートなどを通して、女性のファッションの歴史に大きな影響を与えてきました。
イブ・サンローランが少し身近に感じたのは、ハイブランドでも口紅やマニュキュアが比較的手に入れやすい価格で、一時期、海外旅行のお土産に買って来る人が多く私も頂いたことがあります。
学生時代には、エスニックな柄の刺繍が入ったウエッジソールに憧れて、貧乏学生だったのでバイトでお金を貯めてかなり無理して色違いで2足買った思い出があります。
サンローラン展
「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」(国立新美術館)
平日の10時過ぎに行ったので並ばず入場し、会場内もまだ混んでおらずドレスやドローイング、写真などが262点を比較的ゆっくりと見ることが出来ました。
今回のサンローラン展は、どうしても「ディオール展」と比べてしまうのですが、ディオール展の豪華な演出に比べてシンプルというかあっさりとして物足りなを感じました。
でも、サンローランというクリエーターの軌跡を紹介する芸術的な展覧会とし商品としてのプロモーション要素がなかったのがよかったです。
今では当たり前にレディースものがあるパンツスタイル、タキシードやトレンチコート、ピーコートですが、従来は、紳士服としての概念が強かったこれらをエレガントにアレンジし女性ファッションに取り込んだ功績は大きいです。
ジェンダーイメージを超越したジェンダーレスファッションという見方もあるが、パンツルックでもトレンチコートのような男性的な服でもユニセックスというより究極「女性らしさ」を追求してように見えました。
会場に入ってすぐ目についたのが船乗りの作業着に着想を得たピーコートで、ネイビーのコートに金のボタンを付けただけでもこんなにもエレガントな印象に変わるのかと思いました。
大都会にワイルドライフのテイストを持ち込んだメンズとレディース両方で人気となったサファリルックは、男性的で機能的イメージが強いけど、昔、観たハリウッド映画で女優さんが粋に着こなしてかえって女性美を際立たせていました。
金ボタンのジャケットに白パンツを組み合わせたスタイルは今では定番になり、会場の1960年代を彩った数々の服は、今も少しずつ形を変え物によっては昔のまま私達のワードローブとして定着しています。
「ファッションは時代遅れになるが、スタイルは永遠である」
とのサンローランの言葉のように展示会場のスタイルは、50年も60年も前のものとは思えない普遍的なものばかりです。
サンローランが長生きしていたら、さらに「新たな定番美」が生まれていたであろう。
芸術にも深い造形があったというサンローランは、抽象画家のモンドリアンをオマージュした「モンドリアン・ルック」のような美術作品とファッションを融合させたスタイルはまるでアート作品のようでした。
こちらは、セルジュ・ポリアコフへのオマージュですが、「抽象画」ってテキスタイルに使うと素敵だなあと思っていましたが、こんな風に洋服のデザインにもなり得るのだと思いました。
ピカソやマティス、ゴッホの作品に敬意を払った作品もありました。
サンローランのアフリカやスペイン、日本、中国などの民族衣装のデザインや素材、図柄をイメージソースにした刺繍や織物で作った作品は、まるで精緻な工芸品のようでした。
もしかしたら若い頃に買ったウエッジソールの刺繍のデザインは、そんなものからヒントを得ていたのかもしれません。
撮影禁止で写真は撮れなかったけど面白かったのがウエディング・ガウン
顔と手だけが出せる編みぐるみのようなマトリョーシカのウエディング・ガウンは極端に肌の露出が少なく
逆にバストとヒップをお花で隠しただけのビキニスタイルは、これを着て花嫁が登場したら目のやり場に困るだろうと思いました。
オリジナルグッズ
展覧会の最後には特設のグッズショップがあり、品数は少ないながら入場した人で一人一点しか買えないオリジナルトートバックがシンプルで素敵だと思い、並んで買ってしまいました。
このトートバックの人気が凄く、開催後数日で一時、品切れになり再入荷のお知らせが展覧会の公式「X」ツイッターでアナウンスされるほどでした。
どんな服装にも合わせやすく、大きい方は物も沢山入るので重宝しています。
しぼり菜リズム(まとめ)
「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」(国立新美術館)に行ってきました。
イヴ・サンローランは、クリスチャン・ディオールの急死後、ディオールの後継デザイナーでデビューし、後に自身のブランド「イヴ・サンローラン」を立ち上げ2002年に引退するまで、モード業界の第一線で活躍しました。
展覧会はシンプルで262点のドレス、ドローイング、写真などを平日だったのでゆっくり鑑賞出来ました。
パンツスタイル、タキシードやトレンチコート、ピーコートの従来は、男性的なアイテムだったものをエレガントにアレンジし女性ファッションに取り込んだ功績は大きいです。
50年以上前の展示物でも、そのスタイルは時代を超越しており今でも私達のワードローブとして定着しています。
アフリカ、スペイン、日本、中国などの民族衣装からインスピレーションを受けた作品は、精巧な工芸品のようで有名な画家をオマージュした作品もありました。
また、展示会の最後には特設のグッズショップがあり、人気のオリジナルトートバッグを購入しどんな服装に合わせやすく重宝しております。
■イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル
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- 会場:国立新美術館
- 会期:2023年9月20日(水)~ 12月11日(月)