「横尾忠則 寒山百得」展
東京国立博物館で、開催されている「横尾忠則 寒山百得」展へ
同じ東博の本館の関連企画「寒山拾得図―伝説の風狂僧への憧れ」にも行きました。
「寒山拾得」を横尾流に解釈し再構築したものを102点描いているので「拾得」ならず「百得」(約100点)となっているようです。
寒山拾得は、中国の唐の時代に禅宗の聖地である天台山国清寺に居た「寒山(かんざん)」と「拾得(じっとく)」という2人の禅僧のことで、寒山は「寒山詩」という300を超える漢詩を残したされます。
この絵のように寒山と拾得が、掃除機やトイレットペーパーを持っている絵が沢山描かれていました。
解説は、一切ないので何故、二人は掃除機やトイレットペーパーを持っているのだろうと調べたら
拾得は、お寺では飯炊きや掃除なの雑用係をしていたので、古典的な寒山拾得図の「箒(ほうき」)を掃除機に、「寒山詩」を残した寒山は、「巻物」を持つ代わりにトイレットペーパーという現代的なアプローチで描き寒山拾得を再構築していたからです。
従来の寒山拾得図も風刺要素があったけど、これは現代版パロディなのか
寒山拾得は、鎌倉時代から数多くの画僧、絵師、画家達によって描かれたモチーフだが掃除機トイレットペーパーを持った寒山拾得は他にはいないであろう。
寒山拾得といえば顔輝(がんき)の不気味な笑い顔で頭ボサボサ、理智があるのに奇行に走る変人ぶりが強調されるイメージがあります。
こちらは、本館で開催されているもうひとつの寒山拾得の展覧会「寒山拾得図―伝説の風狂僧への憧れ」のものです。
でも、同展の他の寒山拾得図を見ると作家によって色々な表現があり以外に自由な発想で描かれてきたものだと思いました。
横尾忠則もどれにも負けない自由な発想で描き
終盤は、見たことのある映画の主人公やら歴史的人物が登場し既視感のある名画のタッチや構図もあり挙句の果てにアレ、寒山拾得は何処にいるのかという始末です。
コロナ禍の2021年9月~2023年6月まで2年間で100点余り描いていて制作日を見ると連日描いているときもあります。
探したら、私の誕生日に制作した作品もあり何だか愛着が湧きます。
御年87歳、これだけ「寒山拾得」漬けの日々を乗り切り完成させた情熱は、86歳で347枚の版画の連作を7ヶ月で製作したピカソにも負けておらず想像力の枯渇も見られないです。
それにしても100点も繰り返し同じモチーフを描き、サイケデリックでカラフルで大胆な色使いどれをとっても横尾忠則なのだけど見ていて飽きないから不思議です。
会場となった表慶館は、重要文化財に指定されている素敵な建物で建物や内部を見るだけでも価値があります。
■「横尾忠則 寒山百得」展
- 東京都国立博物館表慶館
- 2023年9月12日(火) ~ 12月3日(日)
■「寒山拾得図―伝説の風狂僧への憧れ―」
- 東京都国立博物館本館
- 2023年9月12日(火) ~11月5日(日)
比較型写真展「ブドウ&パイナップル展」
プロとアマによる「ブドウ」か「パイナップル」どちらかを主役に撮った写真展「比較型写真展ブドウ&パイナップル展」(nine gallery)に行きました。
同一テーマを撮ったプロとアマのこの比較型写真展、題材を変えて定期的に行っているようです。
今回は、友人が出展しているので見に行きました。
プロ13名、アマチュア13名の作品を無記名で展示して、受付で出店者の名前の入った紙を渡されどれがプロかアマか分かれば誰の作品かを推測して記入します。
フォトグラファーが、敢えて名前を伏せて作品を展示すタイトルも説明もない覆面写真なので先入観なく自由な発想で見れる反面、私はどれがプロなのかアマなのかどれが知人の写真なのかえ分かりませんでした。
見終わり予想した紙を渡すと「解答」をくれますが全く当たっておらず、アマチュアの友人の写真もプロの写真として解答してしまいました。
(ちなみに友人は、プロとアマの違いがだいたい分かるみたいです。)
↑これが、友人の「ブドウ」(左)写真で、ブドウの周りの赤いものは火か炎か何かの光かと思いましたが、ブドウを発酵させたワインのような液体を使って撮影したそうです。
(説明がなければ、そのトリックが分からなかったです)
個展を開くのが目標の友人は、既に趣味の域を超えているような気がします。
それにしても作家ごとに同じものを撮っても被写体の捉え方が全く違うのが面白いです。
■比較型写真展「ブドウ&パイナップル展」
- nine gallery
- 東京都港区北青山 2-10-22 谷・荒井ビル1F
- 2023年9月26(火)~10月1日(日)
しぼり菜リズム(まとめ)
「横尾忠則 寒山百得」展は東京国立博物館で開催されている展覧会です。
この展覧会では、横尾忠則が古典的な「寒山拾得」というテーマを自身のスタイルで解釈し、再構築した作品約100点が展示されています。
寒山拾得は中国唐代の禅僧「寒山」と「拾得」に関する物語で、寒山は300以上の漢詩を残したました。
この展覧会には解説がなく、作品の中には掃除機やトイレットペーパーを持つ寒山拾得の描写があることから、現代的なアプローチで寒山拾得を再構築したことが分かります。
展覧会で名画のタッチや構図にも似たもの歴史上の人物や映画の主人公まで登場し、伝統的な寒山拾得図に風刺要素を取り入れた現代版のパロディのようです。
現在87歳横尾忠則はコロナか禍の2年間で100点以上の作品を制作し、86歳で347枚の版画の連作を7ヶ月で製作したピカソの情熱に負けておらず想像力の枯渇も見られないです。
100点も繰り返し同じモチーフを描き、サイケデリックでカラフルで大胆な色使いどれをとっても横尾忠則なのだけど見ていて飽きません。
友人も出品している同一テーマを撮ったプロとアマのこの比較型写真展「比較型写真展ブドウ&パイナップル展」nine gallery)
作家ごとに同じものを撮っても被写体の捉え方が全く違うのが面白かったです。