(柳澤孝彦設計の東京都現代美術館)
美術鑑賞が趣味の私なりの美術鑑賞を楽しむコツを紹介します。
今回は、「建物」などハード面
美術館自体も芸術的なものが沢山あり、アート作品として楽しめちゃうものをいくつか紹介します。
美術館自体も鑑賞しよう
美術館の建物自体も素晴らしいものがあります。
ミッドタウンにある六本木サントリー美術館の館内は、国立競技場を設計した隈研吾氏の設計で、木をふんだんに使った「和」を意識したもので美術館に来ただけで落ち着きます。
新国立美術館は、黒川紀章が設計した波打つ曲線を描く外壁、ガラスカーテンウォールと呼ばれるガラスの壁による自然光が木漏れ日のように差し込むロビーがお洒落です。
このガラス窓は、見た目が素敵ばだけではなく建物の内部に熱や光が入り過ぎるのを妨げ、館内を快適に保つ役割を果たして実用的なのです。
ロビーの高い天井吹き抜けにには円錐形を逆さにした強大な構造物があり、最上部に広がる円形の空間は、大ヒット映画『君の名は。』の主人公の女の子がバイトしていた円形のカフェ「サロン・ド・テ ロンド」があります。
東京都庭園美術館の建物は、元は旧皇族の朝香宮(あさかのみや)邸で、昭和8年に建てられた「アール・デコ様式」の重要文化財に指定された洋館です。
建物内部が素晴らしく、館内の様式とシンクロした展示など展覧会と両方楽しめます。
6棟の貴重な建物が同じ敷地内にある国立東京博物館は、それぞれの建築のデザインも見どころで達物を見るためにだけでも入ってもいい場所です。
上野公園から東博の正面に見える瓦の大屋根が印象的な本館は、渡辺仁の設計でどこか和風の佇まい。
内部の荘厳な大理石の階段はドラマ「半沢直樹」でも使われました。
2022年春にリニューアルされた国立西洋美術館ですが、どこが変わった分かりませんでした。
調べて見ると「世界文化遺産」に登録された西洋美術館が、世界遺産委員会よりル・コルビュジエによる設計の意図を正しく伝えていないと指摘され開館時の姿に近づける工事を行ったとこのでした。
前庭の彫刻を元の位置に戻し、後から造成した植栽を最小限にし外からは本館や彫刻が見渡すことが出来るよう開放的な空間したそうです。
コルビュジエの建築はシンプルでありながら、合理的かつ実用的で「外との連続性」を重視していて
例えば
2018年撮影したものと美術館の前庭と
リニューアル工事が終わった2022年11月に撮影したものでは、床の目地が違います。
この床の目地は、本館へと誘導する導線の役割も担っていたそうで、そういった床など細部まで復原しています。
確かに改装後は、吸い込まれるように美術館へ入って行きそうになるようなデザインのタイルです。
こういう重圧感のある建物って、今は作れないだろうなと思うのが三井記念美術館の入る三井本館で昭和初期の日本を代表する洋風建築として国の重要文化財に指定されています。
三井本館の建物は越後屋の跡地に三井財閥の本拠として建てられ(現三井不動産の本社ビル)隣に三越デパートがあります。
本館の入口は、血盟団事件で團琢磨が暗殺された現場でもあり、日本橋の中心的な存在として日本橋を行き交う人達をも眺めてきた「生き証人」ような建物です。
三井記念美術館から東京駅方面に歩いて行くとアーティゾン美術館があります。
都心のおススメスポット・展示だけではなく館内もじっくり見たい【アーテイゾン美術館】
アーティゾン美術館は、ブリヂストン美術館 から改称し2020年にミュージアムタワー京橋内に作られた美術館です。
4階から6階の展示室も柱がないことで広い空間が確保され、まだ新しいこともあり吹き抜けの天井や大きなガラス窓の館内は明るいイメージです。
何気なく置かれたソフアーやベンチなどのインテリア、案内板のサインやピクトグラムまでよく見ると洗練されたものになっていて作品だけでなく建物自体もアートの一部だと実感しました。