四川料理の中華のランチが美味しいお店に行きました。
店の名前は、「仙の孫」です。
このお店は、最寄り駅から比較的近く電車で用足しに行くときにランチでときどき使います。
出掛けるのにお昼を食べなくてはならない、または、お昼を食べないで帰って来たときなどここでの食事はほぼ「おひとり様」です。
義母とも以前行ったことはあるが、このときは予約客で一杯で断られました。
仙の孫のランチ
数年前に「仙の孫」のランチを食べたら美味しくて、また食べたくなって伺いました。
12時くらいだったか、ほぼ並ばず入ることが出来ました。
そのとき食べたナスとキャベツの回鍋肉みたいな定食が食べたかったのですが、今回はなかったので「発酵ササゲ 卵 豚挽肉 葱 強火炒め」(税込1,250円)を食べました。
写真がないので、どんなものか分かりませんでしたがこういう定食でした。
ご飯とスープがついています。
メニュー通り、インゲン、挽肉、ネギ、卵が具材でこれは、好みが分かれるかもしれません。
ササゲ感が前面に出て、「薬膳料理」のような何とも不思議な味がします。
主人や子どもは、インゲンが嫌いなのでこれは無理でしょう。
「発酵ササゲ」というのが肝で、何かの味噌や香辛料で漬けて発酵させたササゲを使っているのかもしれません。
発酵ササゲというのを調べて見たらササゲを塩水につけて発酵させた「酸豆角」(スァントージャオ)というのが中華でありました。
少し酸味もある発酵ササゲは、ここのオリジナルなのでしょうか。
白いご飯によく合い、ご飯が進むこと
この「ご飯泥棒」、ちょっと癖になりそうです。
ランチコース
前回、食べに行ったとき目を付けていたのがここの「ランチコース」です。
これを食べたくて、開店10分前の11時50分に到着。
一番だったが、すぐに後ろに行列が出来ていました。
店内は、落ち着いた雰囲気でテーブル席はゆったりとしています。
開店ラッシュで、テーブル席はすぐに埋まり満員御礼、座り切れない人は外で待っています。
お目当ては、奮発して贅沢な「ランチコース」(3,300円)
よだれ鶏
前菜のよだれ鶏でこの店の名物のようです。
「よだれ鶏」とは、鶏むね肉に辛いたれをかけた四川料理です。
思い出すとよだれが出るほどおいしいということに由来して、名前がつけられたといわれています。
似たような料理に「棒棒鶏(バンバンジー)」がありますが、棒棒鶏は、丸ごと茹でた鶏を切る際に棒で叩いてから包丁で切ので「棒棒鶏」よ呼ばれ、よだれ鶏とは切り方が違うだけです。
真赤っかの辣油に冷静蒸し鶏が漬かっていて見た目辛そうで辣油の油も凄いです。
辛いのが苦手なのでどうかなと食べると見た目ほど辛くなくて、酸味が強めのタレで爽やかな感じです。
10種類の漢方を使って独自配合した辣油は、ただ刺激的に辛いだけではなく辛みの中に旨味がある奥深い味なので食べ続けられます。
一時期「食べる辣油」が流行ったけれど、辛いことは辛いので、辛いのが苦手な私は無理だけどこの辣油は飲めるくらい美味しいかもしれません。
残ったタレを何かにの料理に使いたいくらいです。
油も見た目ほど油っぽくないです。
蒸し鶏は、あっさりとジューシーで香ばしいタレが沁みています。
これは、暑い時期に食べたくなる一品ですね。
豆もやしや揚げた玉ねぎもトッピングされていますが、それにしても胡麻が多過ぎるかな
薬膳スープ
朝鮮人参、冬瓜、夏草花(茸の一種)入りコラーゲン薬膳スープ
ここの料理は、オーナーの実家の大分から取り寄せた旬の自家製野菜を使い化学調味料の替わりに漢方を使用しているとあり、滋味のある優しいお味です。
一人で食べていると井之頭五郎(『孤独のグルメ』)のように心の中でぶつぶつとつぶやいてしまいます。
井之頭五郎は、「あーうまい!スープが旨い店は信頼出来る」ってつぶやくんですけど私もそんな風につぶやいてみる。
鶏や干しエビの出汁が出て、ちょっと薬膳臭いかな
コラーゲンたっぷりでクコの実、ハト麦、生姜の風味に柔らかく煮込まれた冬瓜、身体に悪い訳ありませんね。
お店にあった朝鮮人参などの漢方食材
- 医食同源を掲げて、化学調味料を一切使わない代わりに調味料や隠し味に20種類ほどの漢方を使用している
- 調味料は、手作り
- 油も1つの食材として辛い油4種、葱の油、鶏の油、山椒油、漢方薬15種類入った油を作り、料理に使い分けている
とありそのこだわりが料理に深みを出しているのでしょう。
魚の香り揚げ薬味ソース
コラーゲンたっぷりのプリプリとした身のゲンゲを揚げて薬味ソースを掛けています。
「幻魚(げんげ)」は、深海魚で「げのげ(下の下)」つまり食用魚としては価値のなかった雑魚の中の雑魚が名前の由来とも言われています。
見たことないけどグロテスクな容姿で、ヌメヌメしている魚です。
「カリっと揚げたプリプリしたゲンゲって美味しい。ゲンゲ、ゲンゲ、グロテスクなほど美味しいもんだ。」
って心の中でつぶやく
上品な甘酢もよく合う
大きめにカットしたジャガイモの唐揚げは熱々で、ほくほくとしている。
この店は、シェフの味そのまま食して欲しのか、他の中華屋さんのように調味料も置いていないです。
手間を掛けた調味料に自信があるのでしょう。
食器もこだわっていています。
麻婆豆腐
土鍋に入った麻婆豆腐は、熱々で提供
再び井之頭五郎が登場
「なんだか体が熱くなってきたぞ。まるで私の体は製鉄所。胃はその溶鉱炉のようだ。ウォォォーン!私はまるで人間火力発電所だ!」
(これは、井之頭五郎のつぶやき)
って一瞬思ったが、2年熟成自家製は、辛みの中に旨味とまろやかさがあって見た目ほど辛くない
でも、食べ進めるとピリピリと辛くなってきた
とまた、一人で黙々と食べていると井之頭五郎が出て来る。
「白いご飯が美味しくて、とろみの少ないさらとした麻婆豆腐をのせて頂く至福のひとときたるや」
「これぞ、孤独のグルメの醍醐味だ」
豆腐も濃厚で、下処理もしっかりしています。
塩味は少ない薄味だけど複雑なスパイスの味でコクを出し、それが豆腐に味が沁みているので満足感があります。
仕込みにも時間を掛けているのでしょう。
ランチは、ご飯がついてこれで終わりです。
デザートが付かないのもいいのかな。
調理に集中出来るから
値段は、高いのだけど満足度大です。
13時頃店を出ると4組程度の行列が出来ていました。
薬膳中華の店
手間暇掛けて作った調味料や油で作っただけあって、優しい味ですが、色々な味が複雑に絡みあって奥深い味わいがあります。
調理によって香りが異なる油を使い分け、いい油を使っているので油をたくさん使った中華だけど胃もたれせず食べられました。
ただ、化調不使用、薬膳で物足りなくて主人なんかは、好きではないかもしれない。
素材だけでなく、料理のベースとなるスープや漢方を使った調味料や油から違い中華といっても「薬膳中華」と謳った方がいいと思います。
町中で食べるものとは一味も二味も違い、普通の中華料理で入ると好みが分かれるかもしれません。
しぼり菜リズム(まとめ)
四川料理の中華のランチが美味しいお店「仙の孫」に行きました。
数年前に初めて「仙の孫」のランチを食べて美味しかったので、再訪
「発酵ササゲ 卵 豚挽肉 葱 強火炒め」という料理を注文しました。
発酵ササゲは前面に出ていて、薬膳料理のような不思議な味がしました。
好みが分かれるかもしれませんが、白いご飯とよく合っていて、ご飯が進みます。
3度目の再訪のランチコースには前菜のよだれ鶏や薬膳スープなどがあり、料理には漢方が使われています。
よだれ鶏は、蒸した胸肉に辛いたれをかけた四川料理で、見た目辛そうですが酸味があり爽やかな味でした。
薬膳スープには朝鮮人参や冬瓜、夏草花などが入っており、滋味深い味わいでした。
麻婆豆腐も独特のスパイスの味があり、豆腐も濃厚で満足感がありました。
料理に使われている調味料や油にはこだわりがあり、手間をかけて作られていることが分かります。
値段は高いですが、満足度も高いです。
「仙の孫」は薬膳中華のお店で、調理に時間と手間をかけているため、優しい味わいと奥深さがあります。
油も使われていますが、胃もたれせずに食べられました。
ただ、素材だけでなく、料理のベースとなるスープや漢方を使った調味料や油から違い中華といっても「薬膳中華」と謳った方がいいと思います。
■中国料理 仙ノ孫
- 杉並区西荻北4-4-2
- 03-3390-4808