クリスチャン・ディオール
年表で見ると「クリスチャン・ディオール」は、私が生まれる前の1957年に亡くなっていたのですね。
初めて知りました。
えっ、てことは20代の頃憧れたトロッター柄のバックやスカーフはてっきりディオール本人がデザインしていたと思っていたのですが、違う人がデザインしていったっていうこと?
1990年代、私が30代の頃よく見ていた大内順子さんの『ファッション通信』(テレビ東京)では、ジョン・ガリアーノが専属デザイナーだったのでこの頃にもうは本人は、引退したか亡くなっているのだなあと思っていたのですが…
そうですか。
「ディオール」には、縁がなかったけどトロッター柄のバック、口紅、マニュキュア、ダイアナ元妃のレディ ディオールなんかが流行ったかな。
ディオールとカネボウが提携していて、カネボウに勤めていた友人は、 ディオールコスメをよく社販で買っていました。
それでも、香水の「ディオリッシモ」を頂いたことがありましたけど
縁がないながらも、ディオールの展覧会をやっているというので憧れと興味で「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」(東京都現代美術館)へ行きました。
「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」は、本拠地のパリ、ロンドンやニューヨーク、中国でも人気の巡回展です。
ファッション関連の展覧会ということで、9割9分が女性の観覧者で男性といえば女性のお付きで来ている人(?)ばかりでした。
年齢層も若く、ファッションを勉強しているか関連の仕事をしている人みたいな人達かファッションに興味のある人なのか皆、とってもお洒落
そちらのファッションを見ているだけでも楽しいです。
クリスチャン・ディオール(1905~1957年)は、フランスのファッションデザイナーで、1946年にブランドを創設しますが、ブランドを立ち上げた12年後にこの世を去ります。
なので、ディオール自身が「クリスチャン・ディオール」というメゾンで活躍していた期間は短いのです。
でも、ブランドとしてのディオールのが今まで、最先端を走ることが出来たのはディオール亡き後を継いだデザイナー達が魅力的で進化し続けたからというのが歴代デザイナーの展示を見て分かりました。
歴代デザイナーは、イヴ・サン=ローラン、マルク・ボアン、ジャンフランコ・フェレ、ジョン・ガリアーノ、ラフ・シモンズ、マリア・グラツィア・キウリで、ディオールをリスペクトしつつそれぞれが独自性のある作品を展開しています。
(イヴ・サン=ローランとジャンフランコ・フェレ、ジョン・ガリアーノしか聞いたことないけど)
ディオールの創設者クリスチャン・ディオールと彼から受け継いだデザイナーとメゾン、日本との関係を取り上げディオール70年の作品を中心に紹介しています。
ディオールの原点ともいえる「ニュールック」や「Aライン」のコレクションを展示していましたが、ディオール本人の作品は、活動期間が短いからか少な目でした。
どちらかというと「ディオール」というメゾン(フランス語で、ファッション業界では、会社や店という意味)の各デザイナーの作品のボリュームが多くブランド「クリスチャン・ディオール」の展示会でした。
ディオールと日本
ディオールと日本は昔から関りが深いです。
ディオールは、両親が日本美術を愛好していたことから、家の中には北斎や歌麿などの絵が飾られ、日本の工芸品やテキスタイに触れ子どもの頃から日本文化に憧れながら成長しました。
クリスチャン・ディオールは、日本で最初に進出した西洋のファッションブランドで、1953年には帝国ホテルでファッションショーを開催しそのとき発表された5着を会場に展示
60年以上前の作品は、全く古さを感じさせません。
初めて日本に進出した西洋のファッションブランドがディオールで、上皇后の美智子さまのご成婚のウェディングドレスも生前のディオールがデザインしものを弟子のイヴ・サンローランが完成したものです。
歴代デザイナー達も引き続き日本の芸術や文化に関心を持ち続け
マリア・グラツィア・キウリの「桜」をモチーフにしたドレスや
刺繍を施した着物風のドレス、有松絞りを用いた日本をモチーフにしたものありました。
葛飾北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」からヒントを得たであろうジョン・ガリアーノによるリネンコートがありました。
(バックは、和紙をイメージしたもの)
他にも日本庭園をイメージした空間で、花や植物がデザインされたドレスが並んでいました。
日本とディオールとの歴史が長い分、日本の顧客も多く日本を意識したデザインがたくさんあったのには遠い存在ながら親近感が湧きました。
大掛かりな演出
今回のディオール展は、日本の展覧欄会のために再考案されたもので、建築家の重松象平が会場をデザインレイアウトしています。
そう、ドレスばかりではなく非日常的な空間に演出した会場は、他の展覧会ではあまり見ないものでディオールに興味がなくても楽しむことが出来ます。
20メートルくらいの空間にオートクチュールのドレスが並んでいて、そこに星空の映像が映し出されるコーナーは夢の国のようで圧巻
こんな浮世離れした大掛かりなイベント的な展示が美術館で行われるのも時代の流れですかね。
ただ、無表情のトルソーやマネキンだからかどこか物足りなさや、大掛かりな空間演出の割には少々役不足な感じを受けました。
人が着てこそ服は生きるのであろう
人の動きに合わせたシルエットや表情というのも服を際立たせる要素だが、アーカイブ的な展示が主で服を着ているのが生きた人ではないので、どこか一元的な面しか見られなかったような気がしました。
オートクチュールのドレス、誰が着るの?
ディオールのオートクチュールのドレス達は、素敵だが自分が着るには着る機会も着ていく場所も着る自信もない。
正直、シンデレラのような着る人を選ぶ服は誰が着るのかと思うが
ディオールは映画の衣装も手掛けたので、実際にモデル並みのスターが着てたりしています。
ナタリー・ポートマンやハリウッドの名だたるスター達が着用したものも展示して、ディオールを愛用していたマリリン・モンローやグレース・ケリー、ダイアナ妃などの選ばれしセレブだからこそな着こなすことが出来たのでしょう。
私が着れそうなのはせめてこれくらいかしら↓
と思ったらこれは、「試作品」でした。
全て木綿で白の数々の試作品も完成度が高く、一流ブランドの実力がよく分かります。
昔は、「ファッションは、夢を与える」だけでもよかったかもしれないけど今は、多様性やSDデイーズなんかも考慮しなくてはならない
オートクチュール(オーダーメイド)の息を飲むような夢の服も素敵だけど高くて庶民には手が出ません。
だから、プレタポルテ(既製服)でも、人種、体系、性別、年齢を問わない、または、私のような純日本人的なスタイルの人でも、障害のある人でも誰でも着れるような洋服もこれから作っていって欲しいですね。
でも、こんな色々な国の民族衣装をデザインしたものもありました。
しぼり菜リズム(まとめ)
「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」(東京都現代美術館)へ行きました。
「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」という巡回展は、パリ、ロンドン、ニューヨーク、中国で開催され、女性の観覧者が多かったです。
ディオールはフランスのファッションデザイナーであり、1946年にブランドを創設したが、わずか12年後に亡くなりました。
展覧会では、ディオールの後継者達がディオールをリスペクトしつつ、それぞれの独自性を展開
ディオールと日本の関係も取り上げ、日本を意識したデザインも多かったです。
展示会は建築家の重松象平がデザインし、非日常的な空間演出がされたが、彫像やマネキンに衣装を着せるだけの展示では物足りなさを感じました。
ディオールのオートクチュールのドレスは素晴らしいが、一般の人には手の届きにくく、これからプレタポルテでも多様性を考慮した洋服を作ってくれればと思いした。
■「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」
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- 場所:東京都現代美術館
- 会期:2022年12月21日(水)〜2023年5月28日(日)