私の趣味である美術館巡りについて、「絵画鑑賞」が好きになったのは。
私の絵画鑑賞の歴史です。
幼少期
子どもの頃、母がルノワールやモネなど柔らかな絵が好きで、よく「印象派」の美術展に連れて行ってくれました。
でも私は、美術鑑賞よりもでお出掛けすること自体が嬉しく、特に渋谷の東急文化村での開催だと帰りに西村フルーツパーラーに寄ってパフェを食べれるが楽しみでした。
この頃は、芸術より、食い気でした。
でも、家のトイレの壁に新聞社からもらった名画のカレンダーが貼っていて、「モナリザ」や「ルノワール」など日本で人気の作家の絵を毎日毎日、用を足しながら1年間見ているうちに絵画に親しみを持つようになりました。
結婚してから、そんなことを思い出して購読している新聞社から毎月もらう額絵シリーズの名画を額に入れ、毎月入れ替えて飾っていました。
子どもの頃、「百科事典」のセット(大人用と子ども用)が家にあり、手持ち無沙汰になるとを読み漁っていました。
今のようにネットもなかったので、本や雑誌、テレビが娯楽で、鈍器になるくらい重い百科事典をインテリアのように揃えることが当時、流行していました。
その中の「西洋絵画の歴史」みたいなページあり奇麗だなあと飽きずに眺めていました。
特に子ども心に印象深かったのが、ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」やマネの「草上の昼食」の豊満な「裸婦」の絵で、見てはいけないのを見たと思いこっそりと見ていた思い出があります。
独身時代
20代の独身時代は、自分の時間を好きに使えるので、休日に美術館巡りをしていました。
大原美術館、北斎館など旅先に美術館があれば、行くこともありました。
京都や奈良のお寺の仏像や襖絵や天井絵なんかも見るのが好きでした。
「山種美術館」の株主優待券をよく頂いたので、週末によく行きました。
平日は、働いていたので、休日の大規模展を観に行くことが多かったけどどの展覧欄会も人が多くて展覧会の目玉作品は、人の頭越しに見ることが多かったです。
でも、当時、山種美術館は茅場町にあって、休日の茅場町の閑散とした雰囲気の中、常設展は比較的空いていて、1つ1つゆったりと見れるのがよかったです。
中にソファーもあり、疲れたら座って遠くから絵を眺めるのも好きでした。
山種美術館は、主に日本画の展示で、筆使いなどじっくりと実物を見ることで日本画のよさが分かり魅了されました。
山種美術館で、「奥山土牛」の絵があり、名前の牛の絵もありましたが、名前の土臭いイメージとは違う動物や桜などの繊細な絵があり興味を持ちました。
後に奥山土牛のエピソードがあります。
義父が小学校の教師をしているときの教え子に奥山土牛の息子さんがいて、土牛が描いた絵を本人から頂いたたことがあるそうです。
どんな絵だったのか、知りたかったのですが、その絵の価値が分からなかったようで学校に寄贈してしまったということです。
(どんな絵だったのか、見たかった。)
その絵は、「幻の絵」となってしまったので、代わりに家にあった絵ハガキや絵画集で眺めています。
独身時代、一度だけ海外の美術館に行く機会がありました。
ニューヨークの「メトロポリタン美術館」と「フリックコレクション」です。
そこで、フエルメールと出会い好きになりました。
そのとき見た作品が、2月にのメトロポリタン美術館展『西洋絵画の500年』で来日したので見に行きましたが、その絵の印象が薄かったのか初めて見た絵のように感じ、本場で何を見て来たのかと突っ込みたくなりました。
『【フェルメール】劇的な修復を経て、「キューピッド」がお目見え
盛岡時代
盛岡に住んでいる頃は、東京ほど展覧会がなく芸術に触れる機会が極端に減りました。
でも、ちょっとした巡回展があると私のように少ない機会を逃さないように見に行く人が多いのか、すごく混み満足感が得られませんでした。
それでも見たい企画があるときは、青森県立美術館まで足を伸ばしたりもしました。
このとき、常時、何かしらの展覧会があり、何時でも芸術に触れることが出来る東京は、改めて凄いと思いました。
ただ、東京とは違う地方ならではの魅力もあります。
弘前まで足を伸ばし見に行った奈良美智の『YOSHITOMO NARA+graf AtoZ』は、思い出に残るものです。
酒造会社の煉瓦の倉庫をリノベーションした展覧会は、展示設備の整った美術館とは異なる魅力があり作品と空間の両方を楽しむことが出来ました
何よりも弘前の街全体を巻き込んだ雰囲気や熱気が、ちょっぴりうらやましいと感じました。
また、中津川沿いや姫神山を背をに建っている岩手出身の舟越保武の野外彫刻は、街の風景に調和して市民にも愛され地元出身の芸術家を大切にする気風を感じました。
盛岡の市街地を歩いていると随所に彫刻があって、盛岡は彫刻のよく似合う街かと思いました。
現在
東京に帰ってからは、以前ほど美術館に行かなくなりました。
「何時でも行けるって」思ったのと仕事や家事、父の入院で忙しく、行く余裕がくなくなったからです。
たまに休日に大規模展に行くと人混みで疲れてしまい、写真や絵が好きな知人に誘われていく以外、自ら積極的に行かなくなりました。
ただ、ここ10年くらい知人が出品している山岳写真の展覧会に欠かさず年2,3回は行っています。
私も若い頃、山に行っていたので、自分も登った山の写真など知人の説明を聞きながら見るのはいいものです。
今は、仕事を辞めて平日の空いた時間帯に行けるようになり、コロナで人数制限や予約制になり比較的空いていて、以前のような変な混み方がなくなり、じっくりと美術鑑賞を楽しめるようになりました。
ストーマになり障害者手帳4級を取得し、都や国の美術館の入館料が無料や割引になったのも大きいです。
まあ、病気をしてから「今しか、見ることが出来ないかも」という思いにも拍車を掛けているといのもあります。
コロナで、あまり出掛けることがなくなったので、美術館に行くことで気分転換になり、美術館のある上野公園や皇居周辺、六本木なども歩いて体力作りにも一役買っています。