ノンフィクションの俥夫のその後
今回『ノンフィクション』フジテレビ「人力車に魅せられて2 ~夢と涙の軽井沢物語~」を見ました。
今回は、「人力車に魅せられて ~夢と涙の浅草物語~」の主人公アツシ君30歳のその後です。
前回見たときから、アツシ君どうしているのだろうと気になっていました。
というのも、浅草の人力車の会社で憧れの「俥夫(人力車の運転手・車夫ではなく俥夫なのですね)」になりたくて研修を受けるも、社内検定に落ち続けてプロになることが叶わないまま辞めてしまったのです。
浅草の会社では、差点の手前での減速や一時停止を怠る「ミス」を再度指摘されながら繰り返してしまい、社長や先輩に怒られては追い詰められていきました。
ついに自信を無くして、厳しい研修に耐えられず夢破れて退社してしまったところでテレビは終了。
それから、3か月後の今回の放送では、アツシ君が浅草の人力車の会社を辞めてからどうなったかを放送しました。
結論からいうと、アツシ君は良縁に恵まれ場所は違えど人力車の俥夫として元気に働いています。
アツシ君は、明るい表情で俥夫の仕事を天職のようにしていたのが印象的でした。
軽井沢へ
現在、挫折を乗り越えて俥夫として生き生きと働いているアツシ君ですが、どんな紆余曲折を乗り越えていったか。
卒業検定を落ち続けた俥夫失格のアツシ君が、どうして俥夫になることが出来たかです。
「浅草編」をテレビで見た軽井沢の別の会社の社長が、検定に何度落ちても辞めなかった俥夫に対する情熱や研修もほぼ終わり教育に手が掛からないと踏んでアツシ君をスカウトしたのです。
(「拾う神」っているのですね。)
アツシ君も俥夫の夢を諦めきれずにいたので、その誘いを速攻で受け軽井沢に来た初日、着替える際に「また着るとは思わなかった。」と感慨深げでした。
(やはり、俥夫の仕事に未練があったようです。)
軽井沢での研修は、森の中の別荘地や観光コースを走るコースで交通量も浅草よりは少ないけど、ダートの地道に段差もあり浅草とは違う「難所」があります。
そんな、軽井沢コースのコツも習得し順調に研修は進みますが、交差点の手前での減速や一時停止を怠ってしまうという浅草時代からのミスをは軽井沢でも犯してしまいます。
しかし、この致命的なミスもクリアしついに社内検定にも無事合格、プロとしてお金を貰い働くことになりました。
軽井沢では、無事合格
浅草では後輩達にどんどん追い抜かれ検定試験に落ち続ける劣等生で、同じミスを何度も繰り返すアツシ君が、軽井沢でどのようにして「合格」することが出来たのか。
それは、アツシ君が劇的に実力が上がったとか技術が向上したというのではなく、アツシ君を誘った軽井沢の社長との「相性」がよかったからです。
軽井沢の社長は、アツシ君の欠点(減速、一時停止無視)を指摘するも「この弱点を直さなくていい、自分はそういう人間だと思って仕事すればいい。」
「自分の弱点を克服するんじゃなくて、受け入れて、その弱点の中で生きていく」
「人には必ず長所があるから、分からなければ何度聞いてもいい。」と何と浅草時代と違いアツシ君を叱ることなく励ますのです。
この言葉が効いたのか、今まで、怒られて萎縮して悪循環やトラウマになってしまったことを社長は晴らしてくれ、そこからアツシ君、好転して自信がついたのか1発で実地試験に合格することが出来ました。
また、社長はアツシ君を多くの犠牲者を出したスキーバスの事故現場に連れ出し「スピードを出すのがいいのではない。」「安全運転で、ゆっくり丁寧にやることが恰好いい。」と俥夫としてのソフト面(精神)をアドバイスしました。
これは、「気を付けろ」と何度も言われるより、肌で感じることで何倍も安全に対する意識が体に沁みつくのではないかと思いました。
指導者との相性
晴れてプロになると浅草時代の社長と教育係の先輩の二人が、訪ねて来て再会。
二人は、アツシ君の人力車の客となりアツシ君案内のもと軽井沢の車窓を楽しみます。
社長と社内検定のために尽力した教育係の先輩は、(主従関係のないラフな人間関係になったからか)浅草時代とはまるで違う柔軟な表情のアツシ君を見て安心したように見え、かつてのわだかまりも消えていたように思えました。
浅草では、見る人によってはパワハラまがいの叱咤や罵声も飛ぶような厳しい指導で潰れてしまったアツシ君でしたが、浅草時代の教育が決して悪い訳ではありません。
浅草の社長と先輩に厳しく鍛えてもらえたから軽井沢での研修がスムーズに行ったのです。
俥夫としての基礎を7,8割作ったからこそ研修を終えることが出来た。
厳しい教え方経験したから軽い沢の社長のアドバイスや教訓が生きたのです。
浅草は、交通量も格段に多く人の命を預かっているからには厳しくなるのは当たり前で、厳しさの違いはあれど軽井沢の社長とともに浅草の指導にも情熱も愛情もあったのだと改めて思いました。
浅草の教育と軽井沢に教育では、どちらもお客さんの安全と楽しませることが大切というのは同じだけど育て方が違います。
体育会系の厳しい浅草の社長よりミスを指導し、ポイントは抑えつつ褒めて伸ばすタイプの軽井沢の教育がアツシ君には合っていたようで、よさを引き出してもらえたことで弱点が出なくなったように見えました。
マイナスばかり指摘されると腐ってしまうけど、いいところをと褒めてもらえれば「よし、頑張ろう。」って思えるものね。
褒めてもらえることで、自信にもなるし。
アプローチの仕方で上達するか、潰れていくか。
浅草方式で、めきめきと力をつけていく人もいるので生かすも殺すも教え方次第、どちらの育て方が合うかはそれを受け取る人にもよるのかと思いました。
どちらも立派に育てようとしたよき指導者で素敵な人達だけど、私だったら、相手を急かさず、的確にミスを指導しつつもそれを引きづらず前に進ませる軽井沢の社長が上司だといいなあ。
指導力のある人っていうのは、こういう人かと思いました。
毎日、人力車をピカピカに磨き上げ愛着心を持たせるやり方、お客さんの売り上げよりも、町との融合を大事にしてる考え方も素敵です。
アツシ君のその後
軽井沢は、夏の期間限定だったようで現在、アツシ君は鎌倉で俥夫として働いていています。
アツシ君って何となくほっとけないタイプで、軽井沢の社長に目を掛けてもらい苦楽を共にした先輩や仲間も気に掛けてくれています。
案外、真面目なところもあって、そんな彼だから良縁に恵まれたのだろう。
夢である職業に就き自分の居場所を見つけて頑張っている姿に安心しました。
アツシ君は、以前。デイズニーランドのショーで活躍していたので、元々、ホスピタリティはあるのではないか、「客商売」も天職なのかもしれない。
アツシ君を見て、仕事は内容より人間関係が大切で、どれだけいい人間関係が築けるかでよくも悪くもなるかと思いました。
それにしても、アツシさんが俥夫になれて本当によかった。
しぼり菜リズム(まとめ)
人力車の俥夫を目指す、主人公アツシ君30歳のその後『ノンフィクション』フジテレビ「人力車に魅せられて2 ~夢と涙の軽井沢物語~」です。
浅草の人力車の会社で、俥夫の卒業検定に落ち続けてプロになることが叶わないまま辞めてしまったアツシ君をテレビで見た軽井沢の人力車の会社の社長が、スカウト。
二つ返事で、受けたアツシ君は、社長の指導のお陰もあり見事試験に合格してプロの俥夫になることが出来ました。
劣等生だったアツシ君が、俥夫になれたのは、軽井沢の社長の指導の仕方にありました。
何度も交差点の手前での減速や一時停止を怠るという致命的なミスを自分の弱点は直さなくてもいい、欠点を受け入れて、その弱点の中で生きていくようにと逆に励ましたのでした。
何度も叱られ萎縮して自信を失くしていった浅草時代とは違い、長所を伸ばしていくような指導の下吹っ切れたように進んでいきます。
アプローチの仕方で上達するか、潰れていくか。
浅草方式で、めきめきと力をつけていく人もいるので生かすも殺すも教え方次第、どちらの育て方が合うかはそれを受け取る人にもよるし後は、相性なのかと思いました。
浅草、軽井沢、どちらも立派に育てようとしたよき指導者で素敵な人達だけど、相手を急かさず、的確にミスを指導しつつもそれを引きづらず前に進ませる軽井沢の社長さんナイスです。