泣くこと
人前で涙を流すことに抵抗があります。
しかし「泣く」という行為そのもは、負の行為ですが必ずしも泣くことは悪いことではありません。
人前では負の感情は、出さない方がいいように思われがちですがそうとは限りません。
負の感情は心の傷を癒やす力があり、喪失感と向き合った先に次なる目標や課題が生まれることがあるからです。
逆に負の感情を抑え込んで、弱みを見せてはいけないと気丈に振る舞う方のことの方が心が危うい状態になることがあります。
涙の効用
泣くことが決して悪いことではないのは、「涙」に「カタルシス効果」があるといわれているからです。
感情的に涙を流すことでストレスレベルが下がり、その後の気分がよくなるという研究結果もあります。
米国眼科学会では、感情的な涙には「ストレスホルモン」が多く含まれていて、泣くことで心身の健康に悪影響を及ぼすストレスホルモンを体外に排出しストレスが解消されると発表しています。
泣くことは、涙を流してストレスを低下させることでデトックス効果があるのです。
最近では、「涙活」という、泣ける映画の鑑賞や朗読を聞いて意識的に涙を流す涙活イベントもあり、意識的に泣くことでストレス解消する活動も増えています。
また不安や不満、イライラや悲しみなどネガティブな感情を口に出すことでも苦痛が緩和され、安心感を得られます。
不安や悲しみ、怒りなどの感情を押し込めずに誰かに話すことが出来たら、気持ちが少しラクになることがあるからです。
泣くことで浄化される
6月に母が亡くなり、母が亡くなれば号泣するのかとずっと思っていましたが、実際には亡くなったときも葬儀でもほとんど涙は出ませんでした。
亡くなる前に母のいない実家を訪ねたときや亡くなって生前の元気の姿を思い出してはときどきうるっとくることはありますが、まだ振り切って泣いたことはありません。
入院中も含めてコロナで1年以上会えず、脳梗塞で寝たきりになって1年、短い時間で5回しか会えず、母の死をまだ受け入れていなのか、悲しみ切れていないのか。
逆に父のときは、1年以上の入院で頻繁に病院で父に会い病状をつぶさに見てきたので亡くなったときは実感として「父の死」を受け入れることが出来、葬儀でも涙が溢れ出て父との別れに折り合いをつけることが出来ました。
私が、がんになったときも泣いた記憶がありません。
ただ、主人に負の感情をぶつけたことはありそれで、自分の少し感情を整理することが出来ました。
不安や悲しみ、苦しみ、辛さといった負の感情を持つことや、泣き出す、怒り出すといった感情を表に出することは、決してその人の弱さでありません。
むしろ一人で丸抱えにしたり抑え込んだりするより精神衛生上いいのかと思いました。
私が最近、涙したのはNHKスペシャル『この島で 最期まで 〜礼文島・父子でつなぐ医療〜』です。
離島医療を支える最北の島のDr.コトーこと升田医師親子の医療現場を1年間追ったドキュメンタリーです。
お二人の人柄や患者への家族のような寄り方に感動し、礼文の花咲かじぃさんこと島に桜の木を植えてきた89歳末期がんの男性の看取りには涙が止まりませんでした。
人の死は、悲しいけれどその人の生きた歳月の重さや素晴らしい先生との最期の日々は幸せだったと思い、本人は亡くなっても丹精込めて育てた桜の開花を見てはまた、涙が流れ、心は泣くという行為によって浄化されていくのを番組で実感しました。
しぼり菜リズム(まとめ)
「泣く」という行為そのもは、負の行為ですが必ずしも泣くことは悪いことではありません。
「涙」に「カタルシス効果」があり感情的に涙を流すことでストレスレベルが下がり、その後の気分がよくなるという研究結果もあります。
泣くことは、涙を流してストレスを低下させることでデトックス効果もあり「涙活」という意識的にストレス解消をする活動もあります。
また不安や不満、イライラや悲しみなどネガティブな感情を口に出すことでも苦痛が緩和され、安心感を得られます。
私も実際に泣くことで、心が浄化されることもあるなあと実感したばかりです。