がんになってから気持ちの変化を書き留めました。
死ぬまで『がん患者』
現時点では他のところへの転移は見つかっていません。
それでも、術後しばらくは「膀胱を全摘する」という自分の決断が正しかったのか、葛藤する日々が続きました。
がん患者は告知を受けてから、右も左もわからない状態で治療方針を決めなくてはなりません。
短い時間で、いくつも選択を迫られ、その度に冷静に判断しなくてはなりません。
判断よく「正解」となる場合もあれば、逆にキャスターの小倉智昭氏のように術後3年で肺に転移が見つかってしまうケースもあります。
何が正解かは、分からないのです。
同じ病気で社会復帰し活躍していたロールモデルであった小倉氏は、辛い治療の希望であったので転移は、ショックでした。
がん患者は、手術が成功して退院しても転移や再発の心配がつきまとい、死ぬまで「がん患者」です。
がんは、「寛解」と言う言葉に留まり「完治」は、どんながんでもありません。
すべてのがん患者が、同じ境遇に立たされる可能性があります。
未知の存在だった「がん」という病気が、今の私にとって、生活の一部となり身体の中で共存しています。
定期検診では 、がんサバイバーであることを自覚し結果が出るまで戦々恐々としますが、普段は、それほど不自由なく過ごしています。