尾崎豊展
20代から5年周期くらいで、シンガーソングライター尾崎豊の嵐が吹きますが、以降、思い出したようにときどき吹くが、ここ10年近くは収まっていました。
でも、また吹き荒れそうです。
というのは、没後30年『尾崎豊展』(銀座松屋)に行ったからです。
展覧会の初日でも混んでいて、私と同じくらいの世代だけではなく、若い人もいて年齢層を問わず人気があるのだと思いました。
展覧会では、生前愛用した楽器や創作ノート、学習机、レコーディングで使用した楽譜やライブ映像にライブで身につけた衣装、創作活動を行ったパーソナルスタジオの再現がありました。
尾崎豊
尾崎豊のファンになったのは、いつからか。
当初、尾崎豊が、薬物所持で起訴され、その裁判にファンが詰めかけているニュース映像が印象にあり彼を色眼鏡で見ていました。
というのも10代で「社会への疑問」や「社会への反抗」をテーマにした歌を多く歌っていて、それに共感する反抗期の子かヤンキー達が彼を「教祖」に祭り上げているイメージががあったからです。
ドラマ『積み木崩し』や『スクールウォーズ』なんかも流行った時代だったし。
でも、『北の国から’89帰郷』を見ていて、ドラマで流れた「I love You」が心の琴線に触れ、一瞬でファンになりました。
以降、カセットテープを購入し彼の曲をよく聴くようになりました。
それから、定期的に尾崎豊の嵐が吹き荒れるようになり、何日も、尾崎豊の曲を流して余韻に浸るのです。
かれこれ、30年以上聴いていることになりますかね。
展覧会で、まず目に留まったのが、「I love You」の直筆の歌詞です。
いつも聴いていた歌詞がルーズリーフに鉛筆で記されていて、書き直した跡もあり、目の前の活字を追っていくと頭の中にメロディーが巡り始め、改めて作詞作曲のセンスがよく才能豊だったと思いました。
「捨て猫みたい」「きしむベッドの上で優しさを持ちより」
彼独特の表現が、「詩人」だなあとか。
ライブ映像も流れていて、ここで、力尽きてしまうのではないかというくらい1曲1曲を全身全霊で歌うストイックな彼に釘付けになりました。
日比谷野音でのライブ中、高さ7mの照明器具からダイブし足を骨折しながらも最後まで歌い切った伝説のエピソードもあり、私が大人になった今見ると彼の危うさも感じてしまいます。
(そんなところも魅力ですが。)
それにしても私はこんなに年を取ってしまったが、5歳年下の彼は、若いままだ。
やはり彼の真骨頂は、「ライブ」で、今更ながら、当時、ライブに行っていればと悔やまれます。
だって、映像見ると、圧倒的な歌唱力だけではなく、セクシーで格好いいもん!
でも、彼が生きていたらどんな「おじさん」になっていたのかなとも思うのです。
中学時代
私が、勤務してた中学校が尾崎豊の出身校で、彼が亡くなったき大変でした。
週刊誌や親せきを名乗る人達から電話が来て、卒業アルバムを見せて欲しいとか、学校へ行ってもいいかとか…。
(彼が踏んだ)校庭の土を持って行きたいっていうのもありました。
(甲子園か!?)
勿論、全部お断りしていたようですが、教頭先生が対応に追われて通常業務が出来ないくらいでした。
尾崎豊の出身中学ということで、学校が一種の「聖地」になっていて、亡くなる以前から学校を訪れてくる熱心なファンもいたようでした。
彼が在学中に働いていた同僚がいて、その方の話では、文化祭でギターを弾いて歌ったり当時から目立っていたようです。
彼の恩師が、彼の歌を吹き込んだテープを持って来て見せて頂いた記憶もあります。
保育園の頃は、泣き虫で「泣き虫ユタちゃん」って保母さんに呼ばれていたそうです。
展覧会で家族の写真もあり、そこに写っていたお母様は、尾崎豊の中学時代にPTAの役員をされていて、ユニークな方で目立っていたみたいです。
色褪せない魅力
改めて尾崎豊の曲を聴いてみると自分が子どもとも大人のどちらにも属していないグレーゾーンにいた頃に抱いていた将来の不安、生きづらさや閉塞感みたいなものを上手く捉えているなあと感心します。
大人になった今は、尾崎ならではの青臭さに「何、甘えているの!」っていう感じもあるけれど、曲を聴くとやはり、当時の心境になります。
恋愛の歌もいつ聴いても鮮度が、落ちない。
「自分は何者なのか、自分は何のために生まれてきたのか?」
今の自分にもそういう問い掛けをされているようで、人生を考えたりしてみます。
尾崎豊は、亡くなったけどこんな彼の歌は永遠に残るのではないでしょうか。
しぼり菜リズム(まとめ)
没後30年『尾崎豊展』(銀座松屋)に行きました。
展覧会では、生前愛用した楽器や創作ノート、学習机、レコーディングで使用した楽譜やライブ映像にライブで身につけた衣装、創作活動を行ったパーソナルスタジオの再現があり、若い人も多く年齢層を問わず人気があるようです。
私が尾崎豊を好きになったのは『北の国から’89帰郷』で流れた「I love You」を聴いてからで、30年以上聴き続けています。
この「I love You」の歌詞を綴った直筆のノートもあります。
ライブの映像も流れていて、彼の真骨頂は、ライブかと思いました。
尾崎豊が亡くなったとき、彼の出身中学に勤めていて大変だった思い出もあり、彼のエピソードも聞かせてもらいました。
改めて尾崎豊の曲を聴いてみると自分が若い頃に抱いていた将来の不安、生きづらさや閉塞感みたいなものを上手く捉えているなあと感心します。
尾崎豊は、亡くなったけど彼の作った歌は永遠に残るでしょう。
■尾崎豊展
- 2022年3月23日(水)~4月4日(月)
- 松屋銀座8階イベントスクエア