ヴィンチェンツォ
ネットフリックスオリジナル韓国ドラマ『ヴィンチェンツォ』を勧められて見ました。
1話あたり約90分と映画並みの長い時間と全20話とかなりボリュミーなドラマです。
『愛の不時着』のスタジオドラゴンが制作したドラマだけあって、1話から予算を掛けた豪華なドラマになっていて期待が持てます。
(以下、ネタバレ注意!)
悪党が主人公?
主人公のヴィンツェンツォ・カサノは、韓国系イタリア人の弁護士で、マフィアの顧問として裏社会と精通し嘘や裏切り、騙し、殺しなど手段を選ばず外道的なやり方で仕事を解決してきました。
いわば、この主人公「悪党・ダークヒーロー」なのです。
ただヴィンツェンツォと戦う相手は、常に正真正銘の悪党で善良な一般市民には一切、手出しはしません。
そのあたりは、ルパンみたいに悪党からだけモノを盗むのに似ていますね。
「悪には悪で、勝負をする」「毒を以て毒を制す」という信念の元、悪党には、悪党になって叩きのめすという感じです。
そのやり方は、「歯には歯を目には目を」で拷問など残酷なシーンやモラルに反する行いも多いです。
とここまで書けば非情でサディスティックな人物ですが、物語が進むにつれて彼の温かく優しい一面が明かされ人間的な魅力を見せていきます。
この「悪には悪で勝負」というマフィア仕込みの流儀で立ち向かうのも、法では裁けぬ正攻法では戦えない相手のときだけです。
正義だけでは勝てないずる賢い恋相手に限って厳しく、ずる賢く戦うという相手をわきまえた戦いなのです。
「正しい道に進めそうもない。罪深いあなたは釈迦にはなれない。夜叉と刹那という悪鬼を連れて人のために戦う」
これは、僧侶に言われたヴィンチェンツォの運命で、彼の戦いには常にダークな面がついて回ります。
初めの方は、抜群のスタイルに端正な顔立ち、寸分の隙のない高級ブランドのスーツで決めクールで冷徹ですが、それらを壊すお茶目な面が見えてくるとそのギャップに惹きつけられてしまします。
加えて、カリスマ性と強さも持ち合わせているので、プラザの住人や敵方の弟までもが、ヴィンチェンツォに惹かれていき、惹かれていく過程がこの物語の魅力になっています。
(ちなみにヴィンツェンツォ役のソン・ジュンギは目元が、俳優の松下洸平に似ていてときどき重なって見えてしまいます。)
とまあ主人公のヴィンツェンツォは、殺しも厭わない悪党でもあるのだけど憎めない魅力的な人物なので、彼の磁力に皆、引かれてしまいます。
ユーモアもたくさん

このドラマは、残虐で悲惨なシーンも多く重い展開が続きますが、コミカルでユーモアな場面もたくさんあり箸休めになっています。
韓国ドラマや映画をネタにした「小ネタ」も台詞に散りばめられていて遊び心があります。
『梨泰院クラス』の主人公パク・セロイの髪形の暴力団の子分に「パク・セロイの偽物だ」というくだりに対して、『愛の不時着』で北朝鮮兵士役だったクムガプラザの住民役のヤン・ギョンウォンに「お前こそ、北朝鮮の兵士みたいだな」と掛け合ったけた台詞がありこれには、思わず笑ってしまいました。
他にも『マイ・ディア・ミスター ~私のおじさん~』でも低音ボイスが素敵だった映画『パラサイト』のイ・ソンギュンのモノマネがあり、映画も見ていたので楽しめました。
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脇役が魅力的
『ヴィンチェンツォ』には、主人公の他に魅力的な登場人物がたくさん出てきます。
ホン・チャヨンの父親役の人権派弁護士のホン・ユチャンを演じるユ・ジェミョンは、どこかで見たことがあるなあと思って調べたら『梨泰院クラス』で主人公パク・セロイの宿敵であるチャンガファミリーのボスでした。
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『梨泰院クラス』で徹底した悪役ぶりに異彩を放っていましたが、今回は、全く違う役柄で同一人物とは気づかないほど演技の幅の広さに感心しました。
バベルグループの影のボス・オク・テギョンが人のよさそうな好青年からサイコパスなとんでも野郎になっていく狂気な演技ぶりが凄かったです。
『キルミー・ヒールミー』のチソンみたいに二重人格や多重人格の役を演じられそうです。
個人的には、悪党になり切れないどこか心の弱さを併せ持つ人間味のある繊細な演技をしたバベルの会長チャン・ハンソがよかったです。
当初は憎き敵だったのに徐々にヴィンチェンツォに惹かれて、兄のように慕っているところがいじらしく、ヴィンチェンツォ達を守りながら機転を利かせるも非業の死を遂げてしまいやるせなかったです。
個性溢れるクムガプラザの住人達も魅力的で、どんどん愛着が湧いてきて、この住人達が、このドラマを面白くした立役者といっていいほどです。
それぞれが特技の「爪」(「能ある鷹は爪を隠す」の「爪」ね)を持って、一致団結してきっちりとその技を生かして戦う場面は、爽快でした。
対外安保情報院のアン君といつの間にかヴィンチェンツォの味方になっていた元看護師の暴力団のボスパク・ソクドが、どこか可愛かったです。
その他
アクション、サスペンス、バイオレンスがベースなのだけど、ヴィンチェンツォと母親とのやり取りやヒロインのホン・チャヨンと父親の弁護士のホン・ユチャン父と娘の絆など家族愛も描かているのでハードボイルドが苦手な人でも楽しめると思います。
ただ、ホン・チャヨンとのロマンスがありそうでなかったので、恋愛要素はほぼないです。
見ていて、目を覆うような緊張するシリアスなシーンもある一方で、笑いを取るコメディ要素も多いのでうまく緩急つけているかと思いました。
目的のために殺人も犯してしまう主人公ってありなのかと思う一方で、ダークな側面をチャラにしてしまうほど魅力的に描かれているのはやはり脚本がいいからなのでしょう。
しぼり菜リズム(まとめ)

主人公のヴィンツェンツォは、マフィアの顧問弁護士として裏社会と精通し嘘や裏切り、騙し、殺しなど手段を選ばない仕事をしてきた「悪党・ダークヒーロー」です。
ヴィンツェンツォと戦う相手は、常に正真正銘の悪党で善良な一般市民には一切、手出しはしません。
「悪には悪で、勝負をする」信念の元、悪党には、悪党になって叩きのめすので、拷問など残酷なシーンやモラルに反する行いも多いです。
普段はクールで冷徹ですが、お茶目な面がありそのギャップに惹きつけられてしまします。
カリスマ性と強さも持ち合わせていて、プラザの住人や敵方の弟までもが、ヴィンチェンツォに惹かれていき彼の味方になっていきます。
ドラマは、残虐で悲惨なシーンも多く重い展開が続きますが、コミカルでユーモアな場面や小ネタもたくさんあり箸休めになっています。
恋愛要素は、ほぼないですが家族の絆も描いていてハードボイルド系が苦手な人でも楽しめます。
演技に達者な役者やプラザの住人など魅力的な脇役が多くこれがこのドラマを魅力的にしています。