「不安材料は出来るだけなくしたいので、全摘でお願いします。」
膀胱全摘を決意
膀胱がんになり、2回目の「経尿道的切除術(TUR-BT)」を受ける前に自分なりに色々と調べて、「膀胱全摘」の手術をすることに決めました。
これは、かなり思い切った決断だったのですが私なりに考えてのことです。
1回目のTUR-BTで、筋層まで「浸潤」したがん細胞がなかった場合、通常の標準治療では再度、TUR-BTを行います。
でも、「(生命)予後をもっとも重視する場合は、膀胱全摘除術だ」という結論にこの頃、既に達していて…
「不安材料は出来るだけなくしたいので、全摘でお願いします。」
と主治医に2回目のTUR-BTを提案されたときに言っていたのです。
全摘を決めた訳
2回目のTUR-BTに膀胱全摘を決めましたが、こんな思い切った決断をしたのは、もう少し「生きたい」と思ったのと他にもこんな理由があります。
まず、やり残したことがありそれをやらないでは死ねないと考えたからです。
やり残したこととは
- 主人とグルメデート。
- 母を看取る。(母より先に死ぬことは出来ないということ。)
- 大量にある実家の私物の整理。
その他に
私のがんは、「筋肉層」まで浸潤したものはないが、がん細胞の「顔つき」が悪いグレードが「G3」で、これが、広範囲に存在し(全摘してから判明)一部「腺がん」になりかけた成分も見つかった。
webサイトなどで少し調べて
一般的に膀胱のがんは、「上皮内がん」といわれるもので、ほかの上皮内がんに比べて悪性度が高く浸潤がんになりやすく、転移も起こしやすい。
私のように「T1G3」以上で、筋層に浸潤していなくても将来的に1/3の確率でT2(筋層浸潤)以上に進行することになる。
ということで、高確率で再発しやすく再発を繰り返すと筋層まで浸潤して「転移」しやすくなります。
だから、転移して進行がんになることは、避けたかったのです。
でも、これは、究極の賭けみたいなもので、転移するかどうかは、神のみぞ知るということで答えはなく、2/3は転移はしないので、膀胱を「温存」してもがんが再発しない確率も高いのです。
こんな理由も
膀胱全摘を決めたのは、こんな理由もあります。
膀胱を全摘せず温存した場合の定番メニューである
- 尿道からカメラを入れる「膀胱鏡」の定期的な検査
- 再発して、何度も「TUR-BT(経尿道的切除術)」を受ける。
- TUR-BTの後に再発防止の辛いと思われる「BCG治療」
をやりたくなかったのもあります。
1回目のTUR-BT後の排尿痛を伴う1日20回以上の頻尿を再び経験したくない。
5年(~10年)は、「転移」の恐怖に怯えなくてはならない、一生涯、経過観察が必要。
ということもあります。
実は、何人の方から「もう少し、(温存して)様子をみたら」と反対されました。
なので、全摘を決めるも手術まで「本当に膀胱を取ってしまっていいのか」とも何度か気持ちが揺らいだのも事実です。
ただ、これが、グレードが1とか2だったら全摘まで考えませんでしが、やはり、がん細胞の顔つきが悪かったというのが一番の決め手だったのだと思います。