アマゾンプライムビデオで、見ることが出来る「上司」が素敵だったドラマ2選を紹介します。
『ミセン-未生-』と『マイ・ディア・ミスター ~私のおじさん~』です。
以下、ネタバレ注意
ミセン-未生
運命の出会い
『ミセン-未生』は、家庭の事情で碁のプロの棋士になる夢を諦めて、コネでインターンとして一流商社で働くことになった26歳の青年チャン・グレが主人公です。
格差社会の底辺にいて、学歴も社会経験もない履歴書に書く項目が極端に少ないグレは「自分は一生懸命頑張ったが、一生懸命が足りなかったことにしよう」と自分に無理矢理言い聞かせ自分の境遇を受け入れて人生に消極的に生きてきました。
そんな彼が変わることが出来たのが、彼の上司であるオ・サンシク次長との出会いで、オ次長の元で働くことによって社会人として逞しく成長していきます。
初回のおどおどとしていたグレと比べると最終回のグレは、自信に満ち溢れて顔つきが全く違う別人になっていました。
そのグレを自信ある男に導いたのが、三宅裕司に顔が似たオ次長で、彼は、仕事は出来るが割に合わない案件を引き受け、権力には媚を売らない政治力のあまりない人物です。
不正を許さない正義感に加えて、上司として部下の絶対的信頼を得ているという次長は人間的にも魅力のある人柄で、とにかく痺れます。
グレの人生の転機は、このオ次長の部下になったことです。
オ次長とのこのような運命的な出会いは、実は、数年前にありました。
グレの父親の葬儀とオ次長の元部下の「葬儀」が同じ場所で営まれていてそこで、まだ、見知らぬ二人は出会っていたのです。
二人にとって、この葬儀は、後の人生に影響を与えるような深く心に傷を残すものでした。
二人は、このときの葬儀の瞬間から這い上がり、人生を変える未来のパートナーとなることをこのときはまだ知るすべもなかったのです。
グレは、厳しさの中の優しさや人情味あるオ次長に組織で「働くこと」をことを徹底して教わります。
最初は、グレに対して無用な期待を抱かせないようにちょっと冷たい態度を取っていました。
けれども、オ次長がグレのことを「うちのヤツ」と庇ってくれたりちゃんと見守ってくれて、オ次長は、グレのメンターとしてグレを導いていきます。
(グレは、この自分のことを「うちのヤツ」って言ってくれたことが思いのほか嬉しかったのです。)
彼がいなかったら、グレは、挫折の中から這い上がることが出来なかったし、働く喜びも知らずに孤独に社会の片隅で生きていたと思います。
韓国のエリート集団が働く一流商社は、日本以上に学歴偏重、格差、派閥、権力闘争やパワハラ、セクハラなどが当たり前にある厳しい世界です。
そんな中で学歴も社会経験もない、ないない尽くしのグレは、吹けば飛んでしまうような心もとない存在ですが、エリートの同期採用の子達も必要以上にパワハラ、セクハラに泣かされ苦労します。
そんな自分の部下でもないグレの同期の3人にもきちんと目配りしているのもオ次長で、この男気のある次長に同期3人は、救われることもあるのです。
グレの頑張り
グレが社会人としても人間としても成長出来たのは、オ次長の部下になったことだけではなくグレ自身も相当の努力をして頑張ったからです。
だって、出勤初日には、コピーも、電話の取り次ぎさえ出来ない有様でインターン仲間からもいじめられてすぐに会社をやめてしまうのではないかと親鳥のいない「ヒナ」のように見えました。
でも、弱音も吐かず、言い訳しないで踏ん張りました。
グレは、人の話はよく聞き、思いやりもあります。
幼少期から「囲碁」で培った培った記憶力、洞察力、勝負強さを武器にして、周りを観察して、物事を整理して行動していきます。
誰よりも早く職場に行き、社内連絡の電話番号を全て暗記してしまうという地頭の良さや社会経験がないからこその既成概念にとらわれない提案、囲碁に例えながらの客観的な分析など潜在能力があったから脱落していく同期を尻目に社内に残ることが出来ました。
まあ、そんなグレの能力ややる気を見抜いたのがオ次長で、小さい頃から囲碁の世界しか知らず一人で考え戦ってきたので、組織で協調して働くことも経験がないことも分かっていて、ときにはグレの斬新なアイデアを受け入れてくれたり正当に評価してくれました。
オ次長は、グレにとって親鳥のような存在だけど、決して過保護にしない。
オ次長にきちんとグレも答えているから自分の潜在能力を伸ばして社会に適応していけたのです。
ただ、グレは、正規社員ではないので結局、契約期間が終われば切られてしまうという現実的な厳しさに直面するので最後は、どうなるのかと心配しました。
しかしここでも、オ次長が「救世主」となって彼が、独立起業した会社でグレは、働くことが出来たので安心しました。
仲間にも恵まれた
「未生(ミセン)」とは囲碁用語で「生き石にも死に石にもまだなってない石」のことで、「ミセン」であったグレが「完石(ワンセン)」になっていく過程には、オ・サンシク次長との運命的な出会いがあったとグレが、過去を振り返ることがきっとあるのだと思います。
また、オ次長と彼を慕うキム代理とグレのたった3人だけの窓際的な位置にある営業3課に配属されたことが運がよくて、キム代理もグレのことをちゃんと見守ってくれました。
互いにライバル視していた3人の同期とも次第に切磋琢磨して励まし合うような関係になり、グレにとって力強い仲間にも恵まれました。
理想的な上司ばかりではなく彼を見守る先輩、力強い同期との出会いがグレの成長を後押ししたのです。
二人の若者の最大の幸せは、素敵な「上司」に恵まれたこと。アマプラで見れる韓国ヒューマン傑作ドラマ2選2へ
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