朝ドラ『エール』
前作の『スカーレット』が終わって以来朝、早起きしてリアルタイムで見るモチベーションがなくなっているので、『エール』は、『NHKプラス』で見ています。
まだ、気乗りがしない
どうも、『エール』に気乗りしないで見ていたのですが
本日(4月29日(水))の若干、下品なシーンもありましたが唐沢寿明、薬師丸ひろ子、窪田正孝、二階堂ふみの「4人芝居」は声を出して笑ってしまい面白かったです。
ですが、何かにつけて、贔屓の俳優さんが出ていて「フイルター」が掛かっていたのか、どうしても『スカーレット』と比べてしまいます。
目まぐるしかった今日の裕一と音の「ラブシーン」も素敵な二人なのに何故か『スカーレット』のような「胸キュン」がなかったです。
『スカーレット』では、妹二人がいい味出していただけに気になるのが、大人になった音の姉と妹の影が薄いことです。
子ども時代の「個性的」キャラの妹に期待していたけど今のところ存在感がありません。
逆に裕一の弟は、何かと両親の愛情が兄である裕一にいってしまうことに対する「ひがみ」を上手く演じていて好感が持てます。
出ている役者さんに芸達者な方が多い分、やはり「脚本」がいまいちなのがもったいない感じです。
銀行の上司の「裕一を見ていると楽しくなる」や音の歌の先生(いやミュージックティーチャー)の初対面での「輝きが違う」、職人のイワキのこれも一目見て「極める目をしている」など裕一をやたらと「よいしょ」し過ぎている(持ち上げている)感があります。
銀行の面々も裕一をいつもどうしてこんなにもホローするかがよく分からないです。
今の段階では、そこまで魅力的な若者ではないのだと思うのですが。
そして、音と会ってからの裕一のキャラが激変(に近い)したのにはびっくりしていました。
相変わらず吃音の「どもり」口調ではありますが。
今までのナイーブで冴えない裕一から、急に積極的で音から見たら魅力的なキャラになったのは
「恋の力?」という感じですかね。
まあ、今までも「パッとしなかった裕一」をパッとしている窪田正孝を押し殺して演技していてもどこか「カッコいい」窪田正孝が、端々に見えてしまうことがありました。
「爪」を隠しきれないというか…。
裕一と音が、会ってお互いすぐにいい感じになったのはいいとして、突然、プロポーズまでしてしまったのは、「え~そんなに早く」って思ってしまいました。
(会って、数日しか経っていないのですよね)
これって、「文通」でお互い「心」を通わせ合っていたから、会う前から音を「運命の人」と決めていたから既に織り込み済みと考えていいのでしょうか。
その前にそもそも、何で、祐一が子どもの頃にいじめらた「いじめっ子」と大人になって仲良くなっているの?
(祐一が、いい奴って最初から分かっていたから?)
どうして、そんな権威のある「賞」を素人に近い祐一が獲れたの?
『エール』は、ナレーションで、「行間」や「先々」まで語ってくれるような説明的でややお節介なところがある割にはこういった文脈が抜け落ちている感がしてしまいます。
『エール』いいところ
『エール』は、暗い場面でさえも暗さがなく『スカーレット』と違い「予定調和」で安心して見ていられ不安な時勢には、こういうドラマは必要なのかなと思います。
ストーリーも分かりやすく、これが本来の朝ドラなのだと思います。
出演者でお気に入りだったのが、成長して子ども時代が終わってしまったので、もう会えないのが寂しいワイルドで繊細、大人びた鉄夫君(乃木大将)です。
私の年代では、『小さな恋のメロディ』のジャック・ワイルドや『スタンド・バイ・ミー』のリバー・フェニックスような「一匹狼的」な「ガキ大将」ぶりに少年ながらキュンとしてしまいました。
これからに期待
『エール』は、『スカーレット』と違い(予算が、あるのかな)ご当地ロケもふんだんに取り入れ「人海戦術」で多くのエキストラやミュージカルスターなどの登場人物がわさわさ出てきて、賑やかで華やかなのは気分を盛り上げてくれます。
日本を代表する作曲家。歌。音楽など
「題材」がいいので絶対に面白くない訳はないので、その素材をこれからどう「料理」していくのか楽しみです。
回を重ねるごとに、演技に余力のある唐沢寿明、薬師丸ひろ子、窪田正孝、二階堂ふみ、風間杜夫など底力のある俳優さん達がどんどんその魅力を発揮してくれるだと思います。
山崎育三郎、柿澤勇人などこれから「ミュージカル界のプリンス」が、出てくるのも楽しみです。
彼らの歌声を早く聞きたいし、既に出演中のレミゼの吉原光夫や古川雄大、堀内敬子のミュージカル俳優陣にも是非、歌って欲しい!などと期待を膨らませてしまいます。
亡くなった志村けんの演技も今週中には、見れそうです。
唐沢寿明、薬師丸ひろ子、窪田正孝、二階堂ふみの楽しい「カルテット」をまた、見れるかかもしれないという期待もあります。
不安材料
やはり脚本家が、途中で交代してしまったという局側の大人の事情が、影を落としているような気がします。
脚本家には、一貫した「テーマ」があってそのテーマや文脈に添ってクランクインする前から練り上げて脚本を書いているのだと思います。
途中で交代すれば、脚本家の一貫性や「色」がなくなり、視聴率を重視した製作側の意図がより強く出てくるのではないかと思います。
『エール』は、「東京オリンピック」という「打ち上げ花火」があって、一緒にドラマも盛り上がる予定でしたがそれもなくなってしまって…。
現在、コロナウィルスで撮影が「中断」されているのでこれから、その部分を端折ってしまえば、辻褄合わせのストーリーになってしまうのではないかと心配になります。
しぼり菜リズム
前作『スカーレット』とどうしても比べてしまいますが、こういう感じが本来の朝ドラなのかと思います。
好みの問題がありますが、「スカーレット派」の私はセリフや脚本など物足りなさを感じてしまいます。
でも、基調は、「明るい」路線なのでこの時勢には気持ちを盛り上げてくれるのがいい思いました。
これからの俳優さんの演技とミュージカルスターの登場に期待を込めて見続けたいと思います。