伊勢うどん
母が柔らかく煮込んだうどんが好きで、子どもの頃から柔らかめのうどんを食べてきたこともあり、「讃岐うどん」のように噛み応えのあり過ぎる弾力と「コシ」のあるうどんが苦手でした。
讃岐うどんより、味噌煮込みうどんや鍋焼きうどんなど柔らかく煮込んだうどんが好きです。
そんな柔らかうどん好きな私が、ハマったのが「伊勢うどん」です。
伊勢うどんは、三重県の伊勢神宮のある伊勢の名物です。
米作の少なかった伊勢の土地の農民たちが自作の小麦を粉に曳いてうどんを打ち、同じく地味噌の上澄みである「たまり(たまり醤油)」を少しかけて食べていたのが「伊勢うどん」の始まりだといわれています。
伊勢うどんは、三重県産の小麦の使用を経て、たまりに出汁を加えて食べやすくしたものを「うどん屋」として商いするようになり、地元民や「お伊勢参り」で訪れる旅人に古くから愛されてきた歴史ある食べ物、伊勢の「ソウルフード」なのです。
伊勢うどんの特徴
伊勢うどんの特徴は、まず麺が白くて太いことです。
そして、麺が「柔らかい」のが最大の特徴になります。
伊勢うどんは、「食べ方」に特徴があります。
汁うどんとは違い、極太麺に「たまり」がベースの真っ黒い濃厚なタレを掛けて、真っ白な極太な麺と混ぜそばみたいに絡めて食べます。
見た目の柔らかそうなふにゃとした麺に塩辛そうなタレでどうなのかなと思いましたが、実際に食べてみると見た目と違うものでした。
みたらし団子みたい
麺
伊勢うどんを食べてみて、感じたのは、その柔らかさです。
コシが、全くないといってもいいでしょう。
近頃は、讃岐うどんのようなコシのある麺がスタンダードになっているので、伊勢うどんは、特殊なのかもしれません。
麺にコシはないので柔らかいですが、かといって箸で持ち上げるとブチブチ切れることはありません。箸で持ち上げて、食べられます。
うどんにコシを求めない私好みの柔らか麺ですが、ふわふわの食感にもちっとした食感が加わるので
なんというか、柔らかな餅、うどん1本づつが「団子」にようなのです。
団子と麺の間の食感で、一般的なうどんと一線を画す「新感覚」なうどんです。
伊勢のうどんは、「コシ」とか「喉越し」ないので、ツルっとは入って行きません。
でも、口の中で、逃げてゆく麺をネチネチ噛まなくてはいけないコシの強さが苦手なので、讃岐うどんのようにしっかり噛まなくても食べられるのが嬉しいのです。
タレ
「たまり醤油」を使ったタレは、限りなく黒っぽいのですが、見た目ほど濃い味ではなく、たまり醤油の甘い味がします。
このタレをうどんに絡めて食べるとまるで「みたらし団子」のような味と食感になります。
でも、みたらし団子まで甘くないです。
優しい甘さ、丁度いい甘さですね。
適度に出汁も効いているので、そこはみたらし団子のようなおやつではなくて「食事」として食べらます。
食事といっても、どちらかというと伊勢のうどんは、盛岡のじゃじゃ麺のように昼食とおやつの間みたいな感じで、しっかりとした食事というより小腹が空いたときの「軽食」として食べるのに向いているような気がします。
伊勢うどんは、麺が太いのでタレとの絡みが悪いのではないかと思いましたが、そんなことはなくタレが太麺の表面によく絡んで染みてついてきます。
太麺との相性が、すごくいいのも伊勢うどんの特徴ではないかと思います。
シンプルに食べるのがいい
私は、個人的に伊勢うどんは、余りごたごた具を乗せないでねぎに精々、玉子の黄身を落とすくらいの食べた方が美味しいと思いました。
シンプルにうどんとタレだけでもいいです。
うどんの食感と甘みのあるタレだけで食べても最後まで、飽きずに食べられ食べ進んでも全く飽きがこないところが凄いのです。
普段は、生協の伊勢うどんを食べてますが、子どもが伊勢神宮に行ったときに買ってきた『山口製麺』の伊勢うどんが絶品でした。
しぼり菜リズム
柔らかいうどんの代表である伊勢うどんは、太くてモチっとふわふわした麺が絶妙です。
「みたらし団子」のような味と食感で、歴史はあるけれど、新感覚のうどんです。
麺とたまりをベースにした独特なタレがよく絡んで具がなくても、飽きずに食べられます。