高齢者に優しい店
85歳の母が、外食で選ぶ店は入りやすくて、テーブル席で、ゆったりと食事や話が出来る店。小奇麗で、お昼どきに客層が高めの人も多い店です。
病院帰りに一緒によく行く中野では、大戸屋ややよい軒、東京風月堂が母の好みです。
先に書いている条件を満たしていて、使いやすいトイレが完備され、接客も高齢者に優しい店だと安心するようです。選ぶ基準は、「高齢者に優しい店」ですね。
母が、気に入ったラーメン店
そんな母と父の病院のお見舞いに行き中野で、よくお昼を食べます。
いつも入るところが、母にとって安心しては入れる店なので、似たようなお店ばかりになります。
でも、たまには冒険してみようと入ったのが、こちら。
高齢者にとって、敷居が高く決して優しい店ではありませんが、ここのラーメンが、結果的に母のお気に入りのラーメンになりました。
普段ラーメンを食べるときは、中華料理屋さんで食べる母ですが、このようなラーメン専門店ではめったに食べることはありません。
だから、最初は慣れないカウンター席や、外にある自動発券機で食券を買うというのも躊躇したみたいです。こういうお店、高齢者には、ちょっと入りずらい店ですよね。
母は、一人だったり入れないし、選ばないお店だと言っていました。
そのお店とは、鶏白湯の専門店「麺匠 ようすけ」というラーメン店です。
有名ラーメン店で、20年間修行した原庸介さんが、平成23年に開業したお店です。
JR中央線、地下鉄東西線の中野駅北口より「ふれあいロード」から「仲見世商店街」へ。歩くこと3分ほどのところにあります。
この辺り、ラーメン激戦区で、有名なラーメン屋さんがたくさんあります。そんな中でこのお店を選んだのは、並ばずすぐには入れたからです。
実は、最初に行ったのが「黒庸介」という姉妹店でした。このお店の前で何人かの方が並んでいて、あとどのくらいで入れそうか店の人に母が聞いたのです。
少し待つようだったので、入るのを諦めようとしたら数軒先に本店があるから行ってみてはどうかと、「麺匠 ようすけ」を紹介してもらいました。
母は、何でも人に聞きます。
85歳の母の「情報収集力」が、凄い。『情報弱者』は、案外私の方かもしれない
基本、母は高齢なので行列に並んで待つことは出来ません。たまたま、「麺匠 ようすけ」に空席があり、並ばずにすんなり入ることが出来たのです。
母が、「黒庸介」で聞かなければ、ラーメンを食べることは諦めていたかもしれません。この店に出会えたのは、巡り合わせなのでしょう。
バリアフリーではないけれど
「麺匠 ようすけ」の店内は、明るい感じですがカウンター席が7つしかなく、狭い印象です。母は、普通に歩けますが、足腰が悪い高齢者にはここの通路を歩くのはキツイかと思われます。
美味しいラーメン屋さんで、バリアフリーのお店ってあまりないと思います。
以前、車椅子の人に美味しいラーメンを食べたいけれど、入れる店がないと聞いたことがあります。
椅子も背もたれはありませんが、高過ぎず母でもどうにか座れました。でも、お年寄りには座りにくいかもしれません。
椅子の下に荷物を入れる籠がついていますが、(書いた紙が、貼ってありましたが)少し分かりにくかったです。
荷物を掛けるフックもカウンターテーブルの下にありました。ラーメン店ですが、コートを掛けるハンガーがありました。
実は、ここで母とラーメンを食べるのは2度目で、以前、コートを掛けるためこのハンガー利用させて頂きました。
使ったことはありませんが、紙エプロンや髪留めのゴムもあり、ハンガーとともに女性客を意識しているのかと思いました。この日も、若い女性(グループや一人)が多かったです。
高齢な母にも中毒性のあるラーメン
ラーメンは、「鶏白湯」のみです。簡単にいえば鶏の出汁で取った塩味のスープのラーメンです。
白湯の濃度により、「超濃厚」「濃厚」「あっさり」の3種あります。
母は、「あっさり」を選びました。あまり、こってりとした濃厚なスープは好きではないみたいです。英語表記のメニューも張り出されています。
母は、硬い麺が苦手ですが、麺の固さの好みを聞いてくれるので「柔らかめ」を選べたのはよかったです。それでも、硬いといっていました。(どれだけ、柔らかいのが好きなのか)
お水は、セルフサービスで、水の入ったポットがカウンターに置いてあります。
鶏ムネ肉のチャーシュー2枚は、しっとりとして柔らかくて鶏ハムみたい感じで、薄味ですが美味しいです。こんなところも、母に受けたのかもしれません。
このチャーシューは、肉を柔らかく水分を逃がさない「真空低温調理法」で作っているので、胸肉なのにパサパサしていないのですね。
穂先メンマは、柔らかくてとても美味しかったです。その他のトッピングは青葱に、微塵切りの玉葱、糸唐辛子です。
今回は、私も母と同じ「あっさり」を選びました。スープは、ドロッとしてとろみがあります。濃厚な感じですが、意外にさっぱりとしています。
前回訪ねたときは、「濃厚」を選びましたが、これもこってりというより胃に負担が掛からない優しい感じでした。やはり、豚と違い鶏肉を使っているからなのでしょう。
この白湯は、鶏の「もみじ(鶏の足)」をふんだんに使っています。
もみじのような形をした鶏の足からコラーゲンが、沢山出るのです。張り紙にあるように「コラーゲンたっぷり」のスープがこの店の売りなのです。
そして、鶏の骨の「髄」が、白濁としたスープになり正にこれが「白湯」の神髄になります。
「レモンを付けますか」と聞かれたので、母とレモンをもらい絞って入れました。
少しさっぱりとした感じはありましたが、その後入れた酢の方が味に変化を楽しめました。
麺は、中細のややちぢれ麺で、加水率が低い麺と書いてありました。加水率が低い麺は、スープを吸収しやすく延びやすいそうです。
だから、スープとの絡みがよく、ドロッとした白湯スープによく合っていました。
母は、このスープと鶏のチャーシューが気に入ったようです。
私は、寒い冬に食べたときは、このスープで体が温まり全て飲み干しましてしまいましたが、春の陽気のこの日はスープの化学調味料が強く感じて、残してしまいました。
ポットに入った割りスープで割り、やっとここまで飲めました。
割りスープも私には、結構、塩気が強かったです。
ということで、ここのラーメンは、私にとってはどちらかというと寒いときに食べたいラーメンです。寒い日に食べたときは、感動してスープも飲み干すほどでしたから。
でも、これから暑くなっても、また食べたくなる「中毒性」のあるラーメンには違いありません。
母は、弟にも教えなくては言っているようにまた、(弟と)食べに来るつもりのようです。高齢者にも中毒性のあるラーメンなのでしょう。
しぼり菜リズム
「麺匠 ようすけ」の白湯ラーメンを85歳の母は、気に入ってしまったようです。
ここの白湯ラーメンは、優しいのに高齢者も「中毒性」のあるラーメンでした。
美味しいラーメン店は、行列に並んで待つなど母のような高齢者に敷居が高くてなかなか入れないです。たまたま待つことなくお店に入れて、美味しいラーメンを食べることが出来たのはラッキーでした。
【麺匠 ようすけ】
- 東京都中野区中野5-57-4 永嶋ビル1F
- JR、東京メトロ東西線中野駅北口徒歩5分
- tel:03-3387-7799
- 11:30~22:00