「医療ソーシャルワーカー」に父の退院後のことを相談に行きました。
父が入院している病院には、医療ソーシャルワーカーがいて退院後の相談や支援をしてくれます。
父の病状、家庭環境、経済的なこと、本人や家族の意向に合わせて「今後」のことを相談しました。
ソーシャルワーカーが、父の退院後の生活に3つの選択肢があり説明してくれました。
①医療療養病棟
「医療保険」を使って入院する病床です。急性期、回復期の治療が終わり継続して医療と療養が必要な人が入院するための慢性期の病床です。
平均月額費用15~20万円くらいです。保険自己負担(食事代含む)+保険外負担(おむつ代、洗濯、リース代、部屋代等)
メリット
長期間入院することが出来ます。医療面でも充実していて「中心静脈栄養」の父でも入院出来ます。
デメリット
医療といっても高度な医療は出来ません。例えば、心臓が止まったときなど延命措置が出来ません。
父のように中心静脈栄養をやっている場合は、口から食べさせてくれません。医療療養病棟では、口から食べるか中心静脈栄養の2つのうちどちらかになるそうです。
現在の回復期リハビリテーション病棟では、中心静脈栄養をしながらゼリーや重湯など口から食べることもやっています。
それが療養病床では、出来なくなるので「食べる」楽しみがなくなってしまいます。食べることが脳の活性化につながるので、頭がしっかりした父には勿体無いと主治医もいいます。
リハビリも現在は、1日に9単位ですが、月13単位に減ってしまいます。換算すると1週間で、40分くらいのリハビリのみとなります。
STによる口のによるリハビリをやっている病院は都内では、多摩リハビリテーション病院だけになるそうで、「嚥下」のリハビリも期待出来ません。
②介護付有料老人ホーム
介護、食事、生活支援などのサービスを提供する居住施設です。施設職員が、介護サービスを行います。
メリット
病院とは違い「家」に住んでいるように生活が出来ます。制度上(医療保険)のリハビリはありませんが、レクリエーションなど施設独自のものがあります。
探してみると、中心静脈栄養をやっていても入れる施設も思ったよりありました。
『有料老人ホーム探しっくす』では、「医療面の受け入れ体制から有料老人ホーム」というのがあり胃ろう、気管切開、透析、中心静脈栄養などの医療的措置の可能な施設を探すことが出来ます。
一番のメリットは施設で、衣食住生活の全てを行ってくれるので、家族の介護の負担が減ります。
デメリット
父は、都内に住んでいますが「金銭的」な面を考えると近くの施設では、難しくなります。
例えば、中心静脈栄養が可能な施設で、全国にチェーンを展開している大手老人ホームで入居金や月額費用を調べると場所によって金額が大きく違います。
東京都の白金だと入居金が1500万円、月利用料金は、食費、光熱費、洗濯代、運営費、共益費が約19万円です。これに介護保険自己負担分に介護用品費、理美容費、嗜好品購入費、おむつ代 等が掛かります。
同チェーンの茨城県の水戸の施設になると入居金が60万円で、月利用料金が約13万円です。
サービスはほぼ同じで、部屋の間取りや広さ、付帯設備なども同程度でこれだけ金額に差があります。
施設のある地価や人件費の違いで、大きく差が出るとのことでした。金銭的に可能な施設となると家から遠い地方になってしまいます。
場所と支払い可能な金額を提示するとそれに見合った施設を専門の人に頼んで、探してくれるとのことでした。
⓷在宅介護
家に帰り、家族や介護サービスや医療保険を駆使して介護生活をします。それぞれのサービスをどのくらい使うかにより、家族の負担や金銭的な負担も違ってきます。
メリット
住み慣れた家で、家族と暮らすことを父は望んでいます。病院とや施設では、制限がありますが家だと自己責任で自由に暮らすことが出来ます。
デメリット
家族の負担が大きくなります。父の場合、85歳の母がキーパーソンとなるので「老々介護」になります。同居している弟は、仕事が忙しく日中は家にいません。
日常的、継続的に医療的管理が必要な父の場合、体調の急変などの可能性があります。それに対応することは、在宅だと難しくなります。
その他
この3つの他に「介護老人保健施設」や「特別養護老人ホーム」がありますが、ともに中心静脈栄養の人は入れないだろうということでした。
「介護療養型医療施設」では、医療より介護中心となります。ほぼ寝かされているだけで、車椅子にも座らせてくれないということでした。
介護療養型医療施設は、中心静脈栄養の人は入れないとのことです。国の方針で徐々に「廃止」が決まっていて、転換期なのでそれも勧められない理由でした。
しぼり菜リズム
父の意向や主治医の話では、在宅が一番いいのではないかということです。
不安は、ありますがその不安をひとつひとつ解決してくためにケアマネジャーやソーシャルワーカーや病院の職員とこれから話し合っていきます。
というより、在宅介護に決めました。家に帰るのが、父にとって一番いいのではないかということです。
やってみて、支障があればまた別な方法を考えていこうと思っています。