男子フィギアスケートの羽生結弦選手が、平昌オリンピックで、ソチに続きオリンピック2連覇を果たしたのは記憶に新しいです。
その先のチャレンジで、進化
羽生選手は、1位になると守りに入るので、常に進化、成長を求めているというような発言を試合後のインタビューでしていました。
前回ソチでの金メダル、過去の栄光を一旦脇によけ、常に挑戦をし続けないと勝てない競技の世界で、前に前に「進化」した結果が2連覇という偉業を成し得たのだと思います。
持って生まれた才能と努力を惜しまない心を持ちながら、本番で実力を出し切れないアスリートもたくさんいます。
オリンピック選手の中には「オリンピックに出るのは、これが最後です。」と言う人がいます。
脳は、自己保存の本能を持っているので、このような言葉を口にした瞬間にゆるんでしまい「もう最後だから、これ以上進化しなくてもいい」と判断してしまいます。
こうなると、最後だからいいパフォーマンスをしようと思っても、過去の自分を超えられなくなってしまうのです。
トップアスリートのメンタルトレーニングを多く行っている脳外科医の林成之先生は、北京オリンピック競泳日本代表チームに「レース中、ゴール直前で1位でも「勝った」と思うな」とアドバイスしたと言います。
「勝った」と考えることで、脳の血流が落ち、力が落ちてしまうというのです。「ゴールをゴールと思わずに泳げ!」
それは、ゴールに近づいた地点に来ても、「もう終わりだ」と思うのではなく、「最後まで一気に駆け上がる」感覚で泳ぐように言いました。
そうすると、上がり調子になっている能力がさらに高まり、最大限の力を発揮できるようになるのです。教えを実践した代表チームは、北島康介選手の金二つを含むメダル5つを獲得しました。
私達は、100点が、「満点」という考えを持ってしまいます。しかし脳には、100点どころか、その先まで突き抜けていく力が備わっているのです。
新しいことを始めたら、100点を取って満足するのではなくさらにその先に行くという発想で突き進めば、どんなチャレンジでも必ず結果で出ます。
脳が、気持ち良くなる言葉を口にする
新しいことを始めようとするとき、それは無理だ。出来ないかもしれないとつい否定的なことを口にしがちです。これは、自己保存の本能が過剰になった状態です。
こんなときには、マイナスになることは言わず、脳が気持ち良くなる言葉を口にすることが大切です。脳は、口にした言葉を無意識に正当化します。
否定的なことを言うと、その言葉が気持や行動に結びついてしまいます。
「今日の私は、冴えている」「今日のわたしは、いつもと違う」などポジティブな言葉を口にすると、脳は気持ちよくなって前向きなエネルギーを出し「新しいことに挑戦したい」という意欲や独創的なアイデアを生み出してくれます。
羽生選手は、2月の記者会見では、平昌オリンピックに向けて「何も不安要素はない。クリーンに滑れば絶対に勝てる自信がある」と予告していました。
『絶対勝てる』宣言は、脳をその気にさせ有言実行させました。自分を奮い立たせる言葉であったのかもしれません。
脳は、力を出したがっています。人間の脳力もちょっとしたきっかけで、大きく進化するものなのです。
羽生選手のように守りに入らず、自分の限界値を上げて挑戦していくことで人は進化し続けることが出来るのではみのでしょうか。
次は、「4回転アクセル(4回転半ジャンプ)」を跳びたいと言っています。夢も安泰ではなく、進化を求める羽生選手には、いつか前人未到の4回転アクセルも叶うことが出来るのではないでしょうか。
しぼり菜リズム
ケガという3か月のブランクの中から這い上がり、その壁が高く、試練が大きいほど、乗り越え、進化してきている男子フィギアスケート羽生結弦選手の優勝に感動しました。
一流になるためには、目標を常にレベルアップしていくことが不可欠なのですね。
同じように私達も「夢」や「目標」のために前に進むことを止めなければ叶ったり、達成することは必ず出来るのです。