【3018年3月17日更新】
確定申告の季節になりました。実家の父の確定申告をするために医療費の領収書を整理しています。
確定申告の「医療費控除」の対象になるものとならないものを分けていますが、どれが対象になるのか。
判断に迷ったものを本やネットで調べたり、税務署に聞いたことをピックアップして書いてみました。
確定申告の医療費控除
父が昨年、脳腫瘍の手術をして入院しているので医療費の支出が多く、今年は医療費控除の確定申告をすることになりました。
まず父の場合医療費控除の対象となるのは、父の場合本人と「生計を一にする」配偶者の母です。
医療費控除の範囲となるのは、医師、歯科医師による診療の対価と治療、療養に必要な医薬品の購入が基本となります。
父が定期的に通っている内科と整形外科、母の循環器内科、歯科、眼科などの医療費です。そして、薬局で処方された薬代です。
通院に関する医療費控除
父の通院のタクシー代
父の通院に介護タクシーを利用しました。この場合はどうなのか。
歩くことが出来ない父の症状から考えて徒歩やバスや電車では難しいので、病院までのタクシー代は医療費控除の対象となります。
医療費控除のには領収書が必要となり、タクシー代の領収書を保管しておきます。
ちなみに、今年の確定申告から医療費の領収書を提出する必要はなくなりましたが、領収書は必ず発行してもらい保管しておいて下さい。
明らかに公共交通機関を使っても病院まで行ける場合には、タクシー代は医療費控除の対象とはなりません
通院時の特定療養費
父の通院している病院に行くときは、いつも混んでいるため必ず予約をしてから行きます。
このときに「特定療養費」として予約の料金540円を徴収されます。
この予約診療は予約のためのサービスの費用なので直接診療に関係なく該当しません。
入院に関する医療費控除
入院時の医師や理学療法士への謝礼
父が脳腫瘍の手術をして入院時によくして頂いた医師や理学療法士に母が、謝礼を渡していました。いわゆる「付け届け」というやつです。
これに対してはどうなのか。
医師や看護師、病院スタッフに対する謝礼金は、医療費控除の対象になりません。
謝礼金に対して領収書がないのはもちろん、もともと謝礼金には医療費ではないからです。
医師や病院スタッフに対する謝礼金は、母の一方的な行為によるもので、「お礼」ということになり医療費控除の対象にはなりません。
差額ベット代
父は、病院の判断で、差額ベット代の掛かる部屋に1日入院しました。
そのときの入院の差額ベット代は、医師の判断によるもので、診察を受けるために必要だったので医療費控除に含めることができます。
自分の希望で個室を使用するなどした場合の差額ベット代は、医療費控除になりません。
父を見舞うための母の交通費
家族の交通費は、対象外です。
ただし、介護を必要とする人の場合の家族の交通費は、医療費控除の対象となります。
診療、治療を受けるために通う交通費でなくては、医療費控除の対象となりません。
オムツの購入代金
入院中父は、寝たきりの状態になり治療の必要上、オムツを欠かせませんでした。
指定された業者で家族が買っていますが、医療費控除の対象になるのかどうか。
手術で寝たきりの父は、病気の治療を行う上でオムツの使用が欠かせません
父の治療にオムツの使用が必要と医師が認めた場合にオムツの購入費用が医療費控除の対象になります。
医療費控除を受けるためには、治療を行っている医師が記載した「おむつ使用証明書」とオムツ代の領収書を手元に取っておきます。
尚、病院でオムツ交換のときに使うお尻拭きや使い捨て手袋は、対象になりません。
自宅でも足が悪く、トイレが間に合わないことがありオムツを使用していました。
しかし、この場合自主的にオムツを使用していたので、治療の必要上ではないので控除の対象になりません。
病院の食事代
入院の際に病院が用意する食事代は、医療費控除の対象となります。
しかし、病院で出された食事以外に自分で出前を注文したり、家族に買ってきてもらった食事は対象になりません。
対象にならないもの
その他実際に購入したけど対象にならないものは、病衣やタオルのレンタル費、入院に際して購入した洗面用具やお手拭き、ティッシュ、上履き、保湿剤などの日用品です。
医薬品の購入に関する医療費控除
薬局で、風邪薬を購入
母が風邪を引いて、熱もなく医者に掛かるほどでもなかったので薬局で風邪薬を購入しました。この薬代は、医療費控除の対象になるのか。
風邪薬の購入代金は医療費控除の対象になります。
「治療、療養に直接必要」なものだからです。しかし、これは「風邪薬を買った」という条件付きなのです。
薬局などで薬を買った場合は、日付や金額やその薬の名前など領収書に入っていなくてはなりません。
サプリメントや健康食品などの購入
両親は、クロレラやビール酵母などのサプリメントや黒にんにくなどの健康食品を病気予防や健康のために飲んだり食べたりしています。
しかしこれらは、「健康増進」、「病気予防」のために購入し服用しているので医療費とはいえません。
健康のために購入している健康食品も同じです。
尚、私のように医師の指示により、療養上の必要からビタミン剤(ビタミンD)が処方され、購入している場合は医療費となります。
その他
母の人間ドックの費用
母が、「人間ドック」を受診しました。
この費用は医療費控除の対象になるのかどうかです。
人間ドックの費用は、医療費控除の対象になりません。
治療が伴わず、単に健康診断の費用にほかならないからです。
しかし、人間ドックの結果で重大な病気が発見され、その病気の治療を受けるようになった場合は、その人間ドックの費用も医療控除の対象になります。
母の心電図検査で「心房細動」、肺のレントゲンで心臓肥大など出ましたが、数年前から指摘されている項目で、現在その治療をすでにしている場合は対象となりません。
新たに病気が見つかって、治療を受ける場合が該当します。
人間ドックと同じように「特定健康診査」いわゆるメタボ検診も医療費控除の対象になりません。
インフルエンザの予防接種
母が、昨年の1月にインフルエンザの予防接種を受けています。
保険外負担で、2,500円です。
インフルエンザの予防接種は、あくまでも病気の予防のための費用です。
予防のための費用は、控除の対象になりません。
介護保険サービスに関する医療費控除
歩行困難な父は、「通所リハビリテーション」に「介護保険」で週1度通い機能訓練を受けています。
また居宅サービスとして、自宅で介護保険のもと父は、足の浮腫みが出ているためマッサージも毎週、行っています。
施設に通う通所リハビリは医療費控除の対象で領収書に「医療費控除」分と記載されています。
介護保険での居宅サービスでマッサージを受けた分も、医療費控除の対象になります。
一般的にマッサージでも「健康維持」を目的にしたものは医療費になりません。
父の場合のように「足の浮腫み」に対して、その症状を緩和するためのマッサージ代は対象になります。
ただし、マッサージ師などの専門家の施術でないとなりません。
福祉用具貸与
要介護2の父は、歩行が困難なため車椅子、自宅に手摺、スロープなどの「福祉用具」を介護保険を使いレンタルしています。
しかし、この福祉用具レンタル費用は医療費控除の対象にはなりません。
まとめ
「医療費控除」に該当するか迷ったら、あくまで「治療に直接関係のある費用」のみ対象となると考えると分かりやすいかと思います。
父のように「介護保険」を使っている要介護の家族がいる場合、介護保険サービスや紙オムツなども医療費控除の対象となることもあるので、是非、確認してみて下さい。
追記
公的年の収入が、400万円以下だと「確定申告」の必要がありません。
父の場合、年金収入が400万円以下なので確定申告はしませんでした。(確定申告をすると、逆に所得税を取られるので)
医療費など確定申告で、還付される場合は、申告をするといいと思います。
父は、30年度分の「住民税の申告」に医療費控除を使いました。