高齢の父の「脳腫瘍」の手術の事前説明で、聞いたこと。説明を受けるときのポイントも

脳腫瘍

87歳の父が「脳腫瘍」の手術をすることになりました。入院、検査、手術では、医療現場の事前説明が必ず必要となります。今回、父の脳腫瘍の手術にあたって主治医から説明を受けたことをまとめました。

診断名

「左傍矢状洞浸潤閉塞性巨大髄膜腫(ひだりぼうしじょうどうしんじゅんへいそくせいきょだいじゅいまくしゅ)」

難しい病名ですが、「髄膜腫(ずいまくしゅ)」という良性の脳腫瘍です。

髄膜(ずいまく)とは、頭蓋骨と脳の間に存在し、脳を包み込んで保護している膜です。この膜の中の「硬膜(こうまく)」の細胞から生じる腫瘍が髄膜腫です。

脳腫瘍でも脳の中ではなく、脳の外側に出来た腫瘍なのです。

脳の左側に腫瘍があります。「巨大」とあるのは、直径6㎝の大きさに腫瘍がなっているからです。

頭の中心を通っている脳から心臓に血液を戻す太い静脈の通り道(環状線)である「上矢状静脈洞(じょうしじょうじょうみゃくどう)」に接して腫瘍が発生し、静脈洞まで腫瘍が浸潤(しんじゅん)し閉塞して、脳の深部に増大しています。

左に出来た6センチの巨大な良性腫瘍が、太い静脈の道にまで腫瘍が入り込んで、塞いでいる状態とうことです。

腫瘍の出来た場所

左の頭蓋骨の下、左耳の後ろ辺りです。

頭の中心を通っている静脈の通り道である、上矢状静脈洞に接するかたちで発生し、静脈洞にまで腫瘍が入り込んでいます。

腫瘍の大きさと広がり

直径6センチ、静脈洞を完全に閉塞して脳深部に増大しています。

腫瘍は、大きく、周囲の脳の血管は非常に弱く、腫瘍に巻き込まれ癒着しています。

手術の必要性と手術しないとどうなるのかなど

手術の必要性

腫瘍の左にある運動、感覚中枢が腫瘍の下敷きになり潰されているので、右半身、特に右足が麻痺しています。左の神経が、機能しないと体の右に症状が出ます。

父は右足が、上がらず左足を支えに、手摺に伝って歩いていました。最近では、右手も使い難くなって箸が持てなくなりました。

このままでは、圧迫が強まり「言葉を話す」中枢神経や「聞く」中枢神経が侵され、会話や思考力の障害が出るばかりでなく、「呼吸」や「意識」つまり「命」に関わってきます。

腫瘍の周囲の血管は、弱く腫瘍に巻き込まれて癒着しています。この血管が狭くなれば、脳の浮腫みや脳血栓のリスクがあります。

それらの進行を止めることと、「命」を守るために手術が必要です。

手術をしないとごうなるのか

手術をしないと右手右足が麻痺が進行し会話も出来ず、人の話を聞くことも出来ない。寝たきりになるか、年を越さずに亡くなってしまうかということです。

手術以外の方法

経過観察の時期は過ぎ、父の場合右半身に症状が出ているので基本的には手術が最優先になります。

脳腫瘍は、投薬の治療方法はなく、放射線治療(ガンマナイフ等)も腫瘍が大き過ぎて困難ということです。

緊急性もあり、手術で摘出する以外治療法はないということです。

どんな手術

手術の方法

左耳の上をコの字型に切り、その下の頭蓋骨を四角く取り外します。

頭蓋骨に穴を開け、穴と穴の間を電動ノコギリで切り取り骨を外します。骨を外すというのは、脳の手術ならではですね。

皮膚→筋肉→頭蓋骨→硬膜に開けていきます。

父の場合、脳から心臓に血液を戻すとても太い静脈が塞がれているので、代わりに硬膜の中の静脈が太くなり肩代わりしています。この太くなった静脈を傷めないように腫瘍の周囲の硬膜の血管を固めながら硬膜を開けます。

主治医は、腫瘍を「みかん」に例えて、みかんのヘタを残してみかん本体を切り取ると表現していました。静脈洞に浸潤している腫瘍は残しておくということです。

また、みかんの袋についている筋を残して取るとも言っていました。腫瘍に張り付いた静脈、静脈洞に入った腫瘍の付近の機能している部分を避けながら腫瘍を切り取るということのように解釈しましたが。

とても微細な操作が必要な手術なので、巨大顕微鏡や「手術ナビゲーション」(術前に撮影したMRIやCT画像をあらかじめコンピューターに入力すれば、手術中に正確な位置が分かる装置)を使うということです。

浮腫んで癒着した脳の中枢を傷めないように腫瘍を剥がします。順次腫瘍を重大な箇所を傷つけないように切り取っていきますが、危険なところは敢えて残します。

腫瘍の全ては、摘出出来ませんが、可能な限り「脳」「動脈」「静脈」を温存するということです。

硬膜、頭蓋骨、筋肉、皮膚の順に元に戻します。開いた硬膜に皮下の膜と人工ゴアテックスを当てて縫い、その上を接着剤で補強し取り出した骨は、ぴたりとつけることは出来ないのでチタンプレートを当ててネジで固定します。

手術の準備に2時間、手術自体の予想時間は、7~8時間です。

予想される手術合併症(後遺症)

血圧

一般的な麻酔や手術の合併症の他に父は、心臓の機能が低下していているのでこの循環器系の合併症。元々胸水も溜まっていて、肋骨も折れているので肺活量も少なく肺炎のリスクがあります。

父は、貧血があり、腫瘍は出血しやすいので、必要に応じて輸血をするなど準備を整えています。

術後の合併症として、脳のうっ血や浮腫み、出血による右手、右足の右半身の麻痺、言葉と思考力の障害や意識、呼吸の障害の可能性があります。

痙攣(けいれん)発作、動脈の解離(かいり)の進行、静脈の血栓、心不全、肺炎、腎不全の危険性もあります。

対処方法として、気管内に管を入れ、人工呼吸や点滴などの薬剤投与です。再開頭が、必要なこともときにあるそうです。

麻酔の説明

麻酔科の医師からも説明を受けました。気管に呼吸を助ける管を出し入れするので、歯が、抜けたり、欠けることがあるとのことです。

問題がなければ術後、すぐに麻酔から目が覚めますが、興奮状態になったり痙攣を起こす場合は、1、2日遅らせてから目を覚ますようにするそうです。

中心静脈カテーテル治療

必要な場合にカテーテルという管を鎖骨、首、太股の付け根にあるいずれかの静脈から入れて心臓に一番近く直接心臓へ流入する大きな静脈に位置させて治療をします。

父は、高齢のため血管が弱く、血腫が出来やすいです。カテーテル感染、気胸のリスク、長い時間入れていると静脈血栓を起こすリスクがあります。

中心静脈カテーテルが挿入されていれば、そこから輸血、採血、投薬、高カロリーな栄養を入れることが出来ます。

予想される入院期間

頭や全身の合併症の経過次第ですが、2週間程度で容態は安定すると考えています。その後リハビリなどを行い、術後1か月くらいの入院予定です。

手術後

右半身をつかさどる中枢神経が腫瘍に紙のように潰されてしまっているので、右足、右手の麻痺は残ります。

脳の回復力によっては、現状よりも良くなる部分もあるかもしれないということです。回復して退院しても、障害は残るということです。今回の手術の目的は、あくまでも生命の危険を避けるということなのです。

手術の説明を聞くときは

手術の説明は、私と母と弟の3人で聞きました。説明を聞くときは、同じ内容でも人によって受け取り方がちがうこともあるので、一人ではなく本人が、信頼している家族など複数人で聞くといいと思いました。

父のように高齢な場合は、配偶者や子、高校生以上であれば孫も可能であれば同席するといいと思います。

ネットや本で病気のことをあらかじめ調べて、予備知識を持つと医師からの説明もわかりやすくなります。メモ用紙は、必須です。

心配なことや分からないことは、あらかじめ整理して書いておき質問します。番号を振って箇条書きにし、優先順位の高いものから質問するといいです。

医師の説明で、分からないことは、その場で聞くか、後から聞いてもいいのでしっかり質問した方がいいです。

父の主治医は、腫瘍を「みかん」に例えたり、太い静脈を「高速道路」や「環状線」に見立ててわかりやすいように病状などを説明してくれました。

主治医は、分からないことがあったら電話を下さいとおっしゃいました。病名、病状、治療法、副作用などを説明してくれた他にそれらを文章にしたものを頂きました。

手術は、本人や家族で情報を共有し、理解し納得した上で受けることが重要です。しかし父は、病室で主治医や麻酔科の医師から簡単な説明を受けていますが、どこまで理解しているかわかりません。

手術が終わり、回復したら詳しいことを話そうと思います。

まとめ

父は、元々、心臓、肺の機能が弱く、貧血もあります。父のような高齢者の手術には、手術や麻酔など合併症(後遺症)をよく聞いておくことが大切だと思いました。

 

ABOUTこの記事をかいた人

2017年現在57才 50代になって体に色々な変化が起きました。 アレルギー、腰痛、変形性膝関節症、脂漏性皮膚炎、手湿疹、眼精疲労、胃腸の不快感、開帳足等々一気に吹き出しました。 このほかに病気以前、未病のものもあるので 自分の体を見つめ直した生活を考えています。 健康、医療、病気、楽しいことも含めた日常生活を綴っていきたいと思います。 認定医療コーディネーター、ホームヘルパー びわの葉療法インストラクターの資格保有