ウォーキングが、好き過ぎて不健康に
私は、歩くことが好きで、健康目的もあり35歳からほぼ毎日ウォーキングをやっていました。
独身の頃は、1日中ほぼ座りっぱなしのデスクワーク中心の仕事だったので、運動不足を感じていました。
なので仕事から帰ると、1週5キロのマラソンコースのある近くの公園にウォーキングに行っていました。毎日、公園の0、5キロのコースを10週して、1時間くらい歩いていました。
歩数計で計ったことはないのですが、このウォーキングを含めて、1日1万歩くらい歩いていたと思います。
結婚して岩手に住んでから、自営業という職業柄、時間に自由がきくので毎日、りんご畑の上の見晴らしのいい農道を中心に歩いていました。
高台への登り下りを含めて、飼っていた柴犬と一緒に1時間くらい歩いていました。この頃は、四季折々織の景色を見ながらのウォーキングが楽しくて疲れるまで歩くこともありました。
植物やときには、動物にも出会えることもあり、遠くまで、歩いてしまい連れの柴犬も疲れてしまうのです。
岩手山や志波の山並みを見ながら歩いているとよれよれのタヌキ(病気だったと思います)が道端に座っていたり、ヘビが足元で、尻尾を小刻みに震わせて、ガラガラと電子音のような音で犬を威嚇していたり。
少し遠出をして、残雪のあぜ道を抜けると北上川で白鳥が、羽を休めていたり。
ある日、犬がしきりに吠える先を見ると、小高い丘に見たこともない大きな犬がこちらを見ています。
丘を登り、5メートルくらいの距離まで、近寄ってみるとカモシカでした。親子のカモシカにも会ったことがあります。
家でのストレスもあったので、毎日のウォーキングは、家からの逃避であり息抜きの時間でもありました。この頃は、ウォーキングと家での家事労働で1日1万歩以上歩いていたと思われます。
でも楽しくて歩き過ぎた結果、翌日は疲れが溜まり朝、起き上がるのが大変なこともよくありました。
運動のやり過ぎは、健康を害す
このような、1日1万歩以上のウォーキングや「運動のやり過ぎ」は、実は体にダメージを与えるのです。
ウォーキングで歩けば歩くほどいいのだと当時は考えていたので、少しくらい疲れていてもまた、柴犬を連れて日課のウォーキングに行くのです。
アップダウンのある農道や高台へ出るまでの上り坂など歩くだけでも、かなりの運動量だっと思います。
朝、起きられないほど疲れていたのは、ウォーキング、運動のやり過ぎだったのです。運動のやり過ぎで、かえって「不健康」状態になっていたのです。
運動をすれば心肺機能や筋肉、骨は強くなります。しかし、過酷なスポーツをする選手は、体を酷使して体がボロボロだったり、短命だったりします。
運動をやり過ぎると返って体に負担が掛かり、不健康な状態や病気になってしまうこともあるのです。
血管が傷んで、心筋梗塞、脳梗塞になる
適度な運動は、血流を改善し、動脈硬化を予防します。
しかし運動のやり過ぎは、逆に作用してしまうのです。激しい長時間の運動で、血圧の高い状態が続き、血管に悪影響を与えます。
それにより、体の修復機能が追い付かなくなり、血管の中が傷ついて「動脈硬化」になってしまいます。動脈硬化で、血管内の壁にプラークが出来、血流を悪くします。
運動をすることで、脱水、水分不足で血液がドロドロになります。
血液が、ドロドロになると血栓が出来やすくなります。血栓が、プラークにひっかったときに血流がさえぎられ「梗塞」が起きてしまいます。
特に中年になると動脈硬化の兆しが出やすいので、過度の運動は禁物となります。
このように、運動のやり過ぎは、血管に多きな負担が掛けてしまい脳梗塞や心筋梗塞を起こしやすくなってしまいます。
膝周りの軟骨を痛める
フルマラソンやトライアスロンなどの激しい運動では、膝の関節、軟骨を痛めることがあります。
過度のウォーキングでも膝を痛めてしまうことがあります。
私も膝の軟骨がすり減る「変形性膝関節症」になりました。
これは、この頃の毎日の過度なウォーキングにも一因があると思っています。
ウォーキングに最適な1日の歩数が「8000歩」といわれるように「1日1万歩」のウォーキングは、かえって膝を痛めることになり、健康を害してしまうことがあるのです。
免疫力を低下させる
私はウォーキングのやり過ぎで疲れてしまい、他の時間の活動量が減ってしまううことがありました。
四季折々の景色の中、ついつい歩き過ぎてしまい、体力に余力がなくなり、夕食の後片付けが出来ずに寝てしまったこともありました。
確かに体を鍛えることは、ストレス発散にもつながり、メンタル面でもプラスに働きます。
しかし、度を超し肉体の酷使すれば、ストレスを体に蓄積させて体の「免疫力」を低下させてしまいます。
そういえばこの頃、今より風邪を引きやすかったように思います。疲れていて、免疫力が落ちていたのかもしれません。
また、激しい運動は、早死にの原因にもなってしまいます。
アメリカのジョギングの教祖は、52歳でジョギングの最中に心筋梗塞で死亡しました。過度の運動で、心臓に負担が掛かってしまったのではないかと推測されます。
ダイエットの効果もなくなる
運動強度が高くなるとその「運動代謝」によって消費されるのは筋肉の中に蓄積されたグリコーゲンという糖で、内臓脂肪は消費さません。
グリコーゲンを燃焼させると低血糖が引き起こされ空腹感に襲われるので、たくさん食べてしまい結局ダイエットの効果がなくなってしまいます。
まとめ
運動をすれば心肺機能や筋肉、骨は強くなり健康効果が期待されます。ストレスも解消し、精神面にもいい影響を与えます。
しかし運動をやり過ぎてしまえば、体を害してまいます。
健康のために運動をしているのに、病気など不健康になってしまっては、元も子もありません。
特に中高年は、健康のために行う運動は、1日8000歩のウォーキングなど体に負担の掛からない適度な運動がいいようです。
1日10000歩は歩けないが、「1日8000歩、20分」だったら手軽に出来た
参考文献:青栁幸利氏の著書『一日一万歩はやめなさい!-15年、5000人を超す調査でわかったスゴイ健康法』(廣済堂出版)